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ビットコインはなぜ「金融商品」へ?暗号資産のルールが大きく変わる理由

ビットコインなど暗号資産を巡る日本のルールが大きく変わります。2026年7月には改正金融商品取引法が成立し、暗号資産を「金融商品の取引」として規制する方向が明確になりました。法律を大きく変える必要を初心者向けに解説します。※サムネイル画像:PIXTA

田代 昌之

田代 昌之

資産運用・ビットコイン ガイド

1979年生まれ、中央大学文学部卒業。新光証券(現みずほ証券)やシティバンク、投資助言会社などでアナリスト業務やコンプライアンス業務を経験したのち、暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事。2026年よりIRコンサルティングを手掛けるU's企画に参画。

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ビットコインはなぜ「金融商品」へ?(画像:PIXTA)
ビットコインの取引ルールが変わる?(画像:PIXTA)

ビットコインをはじめとする暗号資産の取引ルールが、大きな転換点を迎えています。

2026年7月15日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が成立しました。今回の改正では、これまで資金決済に関するサービスとして規制されてきた暗号資産取引を、金融商品の取引として金融商品取引法(金商法)の規制対象とすることが大きな柱になっています。

では、なぜ今になって法律を大きく変える必要が出てきたのでしょうか。

これまでは「決済」の法律が中心だった

日本では、暗号資産交換業者(交換業者)はこれまで主に資金決済法によって規制されてきました。

暗号資産の黎明期である2010年代は、ビットコインは決済や送金に使える新しい技術として注目されました。そのため、暗号資産を売買したり、利用者から預かったりする交換業者について、資金決済法を中心に利用者保護の仕組みが整備されてきました。

交換業者には金融庁への登録が求められ、顧客資産の管理や秘密鍵の安全管理などについてもルールが設けられています。2025年成立の資金決済法改正でも、交換業者への資産の国内保有命令や、新たな仲介業の創設などが盛り込まれ、2026年6月から施行されています。

つまり、これまで暗号資産に規制がなかったわけではありません。

ビットコインが「投資商品」になった

今回の法改正を理解するうえで重要なのが、ビットコインの使われ方の変化です。現在、ビットコインを買う人の多くは、商品を購入するための「決済手段」というより、価格上昇を期待する「投資対象」として見ています。

海外ではビットコインの現物ETF(上場投資信託)が登場するなど、株式や債券などと並ぶ投資対象として扱う動きも広がりました。金融庁も今回の改正理由について、国内外の投資家が暗号資産を投資対象と位置付けている状況を踏まえたものと説明しています。

使われ方が「決済」から「投資」へ広がったのであれば、それに合わせて法律も見直そう、というのが今回の改正の大きな背景です。

株式に近い「投資家保護」が必要に

投資商品として取引されるようになると、新たな問題も出てきます。例えば株式市場では、企業の内部情報を知った人が公表前に株式を売買するインサイダー取引が規制されています。また、相場を意図的に動かすような不公正な取引にも厳しいルールがあります。

暗号資産についても、投資対象として市場が大きくなれば、こうした不公正な取引から投資家を守る仕組みが必要になります。

そこで今回の改正では、暗号資産に関する情報の公表制度やインサイダー取引規制などを整備します。交換業者についても、第一種金融商品取引業に相当する規制を適用することが基本的な方向となりました。

「金融商品になる=ビットコインが安全」ではない

初心者が注意したいのは、金商法の対象になるからといって、ビットコインそのものが安全な資産になるわけではないことです。

ビットコインの価格は大きく変動します。株式のように企業が利益を生み出し、そこから配当を受け取れるわけでもありません。

今回の法改正は、ビットコインの値下がりを防ぐものではなく、投資家が取引するためのルールを整え、市場の公正性や透明性を高めることが目的です。

「国がビットコインを安全な金融商品として認めた」と理解するのは適切ではありません。

暗号資産が「投資」の世界へ本格的に入る

今回の法改正は、単なる規制強化ではありません。暗号資産を投資対象として正面から金融規制の中に位置付けることで、投資運用や投資助言についても金商法の対象となります。将来的には、暗号資産を組み入れた投資商品が広がるための制度整備にもつながります。

ビットコインは、「インターネット上で使える新しいお金」として登場しました。しかし、普及とともに投資資産としての存在感が大きくなり、それに法律が追いつこうとしています。

今回の法改正は、日本の暗号資産市場が「決済のルール」から「投資のルール」へ大きく踏み出す転換点といえるでしょう。

そして、この変化は投資家にとっても無関係ではありません。今後はビットコインETFや暗号資産ファンド、交換業者の再編、税制などにも影響が広がっていくことになります。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。
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