老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、65歳以降も働きながら加給年金を受け取れるのか知りたい方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:1963年10月生まれです。65歳以降も働く予定ですが、加給年金を受け取るには65歳で退職したほうがいいですか?
「私は1963年10月生まれで、年収約500万円の会社員です。妻は1964年7月生まれです。65歳以降も元気なうちは働き続けたいと思っています。一方で、65歳から老齢年金を受け取り始めると、要件を満たせば加給年金を受け取れると聞きました。『加給年金をもらうには65歳で退職しなければいけない』という話も耳にし、退職するか、このまま働き続けるか迷っています。加給年金を受け取るためには、65歳で退職したほうがよいのでしょうか」(たあさん)

A:加給年金を受け取るために、65歳で退職する必要はありません
加給年金を受け取るために、65歳で退職する必要はありません。65歳以降も厚生年金に加入して働きながら、要件を満たせば加給年金を受け取ることができます。
加給年金は、65歳時点で厚生年金の加入期間が20年以上あり、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合に、老齢厚生年金へ加算される年金です。
たあさんの場合、65歳になった時点で奥さまは64歳です。そのほかの要件も満たせば、奥さまが65歳になるまでの間、配偶者加給年金額が老齢厚生年金に上乗せされる可能性があります。
65歳以降も厚生年金に加入して働く場合は、「在職老齢年金」の対象となります。給与(総報酬月額相当額)と老齢厚生年金の基本月額の合計が支給停止基準額を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止されることがあります。
ただし、老齢厚生年金が一部でも支給されていれば、加給年金は支給されます。一方で、老齢厚生年金が全額支給停止となった場合は、加給年金も支給停止となります。
また、65歳以降に老齢厚生年金の繰り下げ受給を選択する場合は注意が必要です。加給年金は老齢厚生年金に加算される年金のため、老齢厚生年金を繰り下げている間は加給年金も受け取れません。後から繰り下げ期間中の加給年金がまとめて支給されることもありません。繰り下げ受給による増額の対象にもなりません。
さらに、配偶者が20年以上厚生年金に加入し、自身の老齢厚生年金などを受け取れるようになると、配偶者加給年金は支給停止となる場合があります。
たあさんのように、65歳以降も働き続ける予定の方は少なくありません。加給年金を受け取るためだけに退職する必要はなく、働きながら受け取れる可能性があります。ご自身や配偶者の年金加入状況、今後の働き方も踏まえ、年金事務所で一度試算してもらうと安心でしょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






