老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、障害年金を申請した場合、63歳から受け取れる特別支給の老齢厚生年金との関係について知りたい方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:関節リウマチで障害年金を申請しました。認められた場合、63歳からの特別支給の老齢厚生年金は受け取れなくなるのでしょうか?
「1963年11月生まれ、62歳の女性です。厚生年金には20年以上加入しています。昨年、関節リウマチと診断され、手指が曲げづらくなりました。字を書いたりパソコンを入力したりすることに加え、箸や杖を持つことも不自由になり、障害年金を申請しています。申請が認められた場合、63歳から受け取れる特別支給の老齢厚生年金は受け取れなくなると聞きました。障害年金を受け取ると、特別支給の老齢厚生年金を受け取る権利そのものがなくなってしまうのでしょうか。それとも、受け取り方に何かルールがあるのでしょうか」(うささん)

A:障害年金を受け取っても、特別支給の老齢厚生年金の受給権はなくなりません
障害年金の受給が決まっても、63歳から受け取れる特別支給の老齢厚生年金の受給権そのものがなくなるわけではありません。63歳から65歳になるまでの特別支給の老齢厚生年金の受給期間は、原則としてどちらか一方を選択します。
そのため、63歳で特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生した場合は、障害年金と特別支給の老齢厚生年金を同時に受け取ることはできず、原則としてどちらか一方を選択して受け取ることになります。
つまり、「障害年金を受け取ったから老齢年金の権利が消える」のではなく、「両方の受給権はあるものの、同じ時期には両方を受け取れない」という仕組みです。
どちらを選ぶかは、年金額だけでなく、税金や社会保険料も含めて考えることが大切です。老齢年金は所得税や住民税の課税対象となる場合がありますが、障害年金は非課税です。そのため、受け取る年金額が同程度であっても、手取り額では障害年金のほうが有利になるケースもあります。
一方で、老齢年金の金額や障害年金の種類によっては、老齢年金を選んだほうが有利になる場合もあります。どちらが有利かは個々の年金額によって異なるため、一概には言えません。
65歳になると年金の選択ルールが変わります。例えば、「障害基礎年金と老齢厚生年金」といった組み合わせで受け取れるケースがあります。受け取れる組み合わせは、受給している年金の種類や加入記録によって異なります。
65歳が近づくと日本年金機構から案内がありますので、その時点で年金額や税金なども含めて比較し、自分に合った受け取り方を選ぶことになります。
うささんは現在、障害年金の審査結果を待っているとのことですので、まずは結果を確認しましょう。そのうえで、63歳になった時点で年金事務所に相談し、どの受け取り方が最も有利になるのか試算してもらうと安心です。
※専門家に取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






