
2026年2月の衆議院選挙で大勝した高市政権が掲げる「食料品の消費税2年間ゼロ」が大きな議論を呼んでいます。物価高に苦しむ私たちにとって魅力的な政策ですが、その実現には深刻な課題が山積しています。
消費税減税の課題とは?
最大の問題はお金の出どころ(財源)です。消費税は年間20兆円以上を国に入れており、年金・医療・介護といった社会保障のための大切な財源となっています。食料品を非課税にすれば、この財源に大穴が開きます。代わりのお金を用意しないまま減税すると、国の借金(国債)が増えて金利が上がったり、円安になったりするリスクがあります。経済界からは「将来の年金や医療が維持できなくなる」との強い心配の声が上がっています。
さらに、お店や会社への負担も無視できません。インボイス制度(消費税の新しい請求書ルール)が始まったばかりで、複数の税率を管理しなければならない事業者は、システムの作り直しや事務作業の増加に直面します。特に中小企業にとって、この負担は決して軽いものではありません。
また、消費税の「逆進性」(収入が少ない人ほど負担が重くなる性質)への対策として減税を考えるなら、専門家は「給付付き税額控除」(困っている人に直接お金を渡す仕組み)の方が効果的だと指摘します。一律減税では収入が多い人も恩恵を受けるため、本当に支援が必要な低所得の人への効果が薄まってしまうのです。
現在でも社会保障のお金が足りず、国の借金で穴埋めしている状況です。消費税減税でさらに財源が減れば、将来の年金・医療・介護制度が維持できなくなる可能性があります。「今の負担を軽くすること」と「将来の制度を守ること」、どちらを優先すべきか。日本は難しい選択を迫られています。
今後、消費税減税の議論が深まれば、株式市場もさまざまな影響が出るでしょう。今回は、消費税減税によって追い風が吹く可能性がある3企業をご紹介します。
トライアルホールディングス<141A>
トライアルホールディングス<141A>は、九州地盤のディスカウントストアを展開しています。プライシング施策や総菜・PB(プライベートブランド)強化により粗利率が大幅に改善したことで、足元の業績は好調です。食料品の消費税ゼロが実現すれば、低価格戦略を武器とする同社の競争優位性がさらに際立ち、西友との統合シナジーも相まって成長加速が期待されます。
日清食品ホールディングス<2897>
日清食品ホールディングス<2897>は、「カップヌードル」「チキンラーメン」など圧倒的なブランド力を持つ即席麺トップ企業です。食料品の消費税ゼロにより内食需要が高まれば、保存性が高く日常的に消費される即席麺の販売増が見込まれます。国内での強固なブランドに加え、米州・中国など海外展開も進めており、為替影響を除いても堅調な成長を維持。マーケティング力の高さも同社の強みです。
神戸物産<3038>
神戸物産<3038>は、「業務スーパー」をFC(フランチャイズ)展開しています。市場では、円高メリット銘柄の一角ともみられています。食料品の消費税ゼロにより低価格志向の消費者が増えれば、業務スーパーの集客力がさらに高まる可能性があります。SNS販促強化で客数・客単価も大幅増加中ですので、消費税減税の影響は大きいと考えます。
外食産業には逆風?
上記の「食品スーパー」には追い風となる可能性が高いと考えています。一方、現時点の議論で、外食(店内飲食)は消費税10%のまま据え置かれる見込みですので、食料品が0%になると相対的に外食は割高になってしまいます。今後、「外食離れ」が加速し、中食(スーパーの弁当・総菜)へシフトする可能性はありますので「外食産業」には逆風となるかもしれません。







