「円安ドル高」が進んだときにメリットがある企業は(画像:PIXTA)
「円安」ってどういうこと?
為替が円安に振れるとは、外国通貨に対して円の価値が下落することを指します。例えば、1ドル=130円だった為替レートが1ドル=150円になる場合、同じ1ドルを購入するためにより多くの円が必要になります。これは円の購買力が低下した状態を意味します。円安は、日本の輸出企業にとっては追い風となる場合が多いです。海外で得たドル建てなどの売上を円に換算すると金額が増えるため、業績が押し上げられやすくなります。特に海外売上比率が高い企業では、円安が進行すると外貨建てで得た売上や利益を円換算した際の金額が増加し、業績の押し上げ要因となります。輸出企業の場合、同じ数量を販売していても円安によって売上高や営業利益が増加するため、為替は大きな収益変動要因となります。
一方、原油や原材料、食品などを海外から輸入している企業や家計にとっては、仕入れ価格や物価の上昇要因となり、コスト増加につながる可能性があります。
このように、為替の変動は企業の事業構造によってプラスにもマイナスにも働きます。投資判断や業績予想を行う際には、各社が公表している為替感応度や想定為替レートを確認することが重要です。
では、為替が円安に推移したときにメリットが考えられる銘柄を3つご紹介します。なお、今回の為替は円とドルの関係に注目しています。つまり「円安ドル高が進んだときにメリットがある企業3選」ということです。
トヨタ自動車<7203>
トヨタ自動車<7203>は世界販売台数でトップクラスを誇る自動車メーカーで、北米やアジアを中心に海外売上比率が高い企業です。為替の影響を受けやすい代表的な輸出関連銘柄で、円安が進行するとドル建てなどの海外売上高を円換算した際に増加し、営業利益を押し上げる効果が期待できます。1円の円安ドル高で年間営業利益は約400億~500億円押し上げられると見られています(年度により変動)。北米での売上比率が高く、ドルの影響が大きい点が特徴です。近年は海外生産比率の上昇で感応度はやや低下傾向にありますが、それでも為替影響は依然大きく、円安局面では業績上振れ期待が高まりやすい銘柄です。
ソニーグループ<6758>
ソニーグループ<6758>はゲーム、音楽、映画、半導体など多角的に事業を展開しており、売上の大半を海外市場が占めています。特にゲーム&ネットワークサービスや音楽事業は、ドル建て収益の比率が高まっています。日本の映画やアニメーションなどの権利を多く保有していますので、株式市場では「エレクトロニクス関連」ではなく「コンテンツ関連」と言われています。1円の円安ドル高になると年間営業利益が約70億~100億円増加すると見られています(年度により変動)。半導体事業も外貨建て取引が多く、為替は業績変動要因の1つです。円安が想定より進行した場合、通期見通しの上振れ要因になりやすい構造です。
キーエンス<6861>
キーエンス<6861>はFA(工場自動化)センサーや、測定機器を世界中に販売する高収益企業です。海外売上比率が高く、製品単価も高付加価値であるため、円安局面では利益率改善の効果が出やすい特徴があります。同社は従業員の収入が非常に高いことや、営業利益率が非常に高いことで知られていますが、為替の追い風が加わることでさらに収益拡大が期待されます。世界的な設備投資需要と為替動向の双方が株価に影響を与える銘柄です。1円の円安ドル高で年間営業利益が約15億~25億円押し上げられると見られています(年度により変動)。営業利益率が高いため、為替の影響は利益に直接反映されやすい特徴があります。円安局面では利益率改善効果が出やすい銘柄です。







