Q:年金を繰り下げ受給したいのですが、繰り下げている期間も給料が月51万円以上だと支給停止になりますか?
「年金を繰り下げ受給したいと考えています。繰り下げている期間中も働く予定ですが、その間、給料が月51万円以上になると年金は支給停止になるのでしょうか。教えていただきたいです」(マサルさん)
年金を繰り下げしている間、働きます(画像:PIXTA)
A:繰り下げ中で実際に年金を受け取っていなくても、在職老齢年金の支給停止に該当する場合があります。ただし、給料が月51万円以上だからといって自動的に支給停止になるわけではなく、給与と老齢厚生年金の合計額で判定されます
年金を繰り下げると、受け取り開始を遅らせた月数に応じて年金額が増える仕組みです。働きながら繰り下げを検討する人も多いでしょう。ただし注意したいのが「在職老齢年金」です。
在職老齢年金とは、厚生年金に加入して働きながら年金を受け取る場合に、「月の給与など(賞与を含めた報酬月額)」と「老齢厚生年金の基本月額(報酬比例部分の月額)」を合計した額が一定額を超えると、老齢厚生年金が一部または全額支給停止になる制度です。
ここで重要なのは、支給停止の対象になるのは「老齢厚生年金」だけという点です。老齢基礎年金は在職老齢年金による支給停止の対象にはなりません。
また、繰り下げ受給をして実際に年金を受け取っていない期間であっても、在職老齢年金の計算上「支給停止に該当する状態」となる場合があります。
この場合、支給停止とみなされた老齢厚生年金の部分については、繰り下げによる増額の対象になりません。増額されるのは「本来受け取れるはずだった分」に限られます。
支給停止となる基準額は見直しが予定されており、令和8年3月までは月51万円、令和8年4月以降は月65万円に引き上げられるとされています。なお、在職老齢年金の支給停止に当てはまらなくなった場合は、その後の期間は繰り下げ増額の対象になります。
例えば、令和8年4月以降は基準額が月65万円となるため、給与が51万円であっても、老齢厚生年金の月額が14万円程度までであれば、支給停止とならない場合があります(個別に計算が必要です)
繰り下げを考える場合は、「老齢基礎年金は止まらない」「老齢厚生年金は在職で調整される可能性がある」という違いを押さえたうえで、年金事務所などで試算してみると安心です。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






