資産運用

金利上昇で何が変わる?「追い風」「向かい風」の注目銘柄3選

今回は金利上昇が「追い風」「向かい風」になる企業を各3銘柄挙げてみます。「デフレ」から「インフレ」への転換は、日本経済を強くする可能性がありますが、全ての企業のプラスになるわけではありません。今回は「向かい風」のポイントを厚めにご説明しています。※サムネイル画像:PIXTA

田代 昌之

田代 昌之

資産運用・ビットコイン ガイド

1979年生まれ、中央大学文学部卒業。新光証券(現みずほ証券)やシティバンク、投資助言会社などでアナリスト業務やコンプライアンス業務を経験したのち、暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事。2026年よりIRコンサルティングを手掛けるU's企画に参画。

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金利上昇で注目の銘柄とは?(画像:PIXTA)

金利上昇で注目の銘柄とは?(画像:PIXTA)

最近、「日本の金利が上昇しています」というニュースをよく見かけるようになりました。金利上昇が金融市場に与える影響はさまざまです。今回は「金利が上昇」することで「追い風」or「デメリット」が生じる銘柄を具体的にご説明します。

「追い風」銘柄!金利上昇局面で注目されるのは、やはり銀行や保険などの金融企業!

金利上昇局面で注目されるのは、やはり銀行や保険などの金融企業です。金融機関は「安く借りて、高く貸し出す」という事業が基本です。低金利時代は、安く借りても高く貸し出すことが構造上難しかったですので、まさに「追い風」といえる環境です。

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>

金利上昇局面では、貸出金利と預金金利の差である利ざやが拡大しやすく、銀行にとっては収益改善要因となります。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は国内最大級の預貸規模を持ち、中央銀行である日本銀行の金融政策修正の影響を最も直接的に受ける存在です。長期金利の上昇は国債運用収益の改善にもつながり、安定的な配当余力の拡大も期待されます。

東京海上ホールディングス<8766>

東京海上ホールディングス<8766>など損害保険会社は、保険料収入を債券などで運用しており、金利上昇は運用利回り改善につながります。同社は海外事業比率も高く、金利環境の変化をグローバルに取り込める点が特徴です。超低金利下で抑えられてきた運用収益が回復することで、収益構造の安定化が期待されます。

オリックス<8591>

オリックス<8591>はリース、融資、投資、保険など多角的な金融ビジネスを展開しています。金利上昇局面では、金融収益の改善に加え、インフレ耐性のある実物資産ビジネスの価値向上も期待されます。資金調達力と事業分散の強さから、金利上昇を相対的に吸収しやすい点が評価されます。

「向かい風」銘柄!金利上昇局面で警戒したいのは、有利子負債(金利のある借金)が多いなか経営再建や構造改革を進めている企業

金利上昇局面で警戒したいのは、有利子負債(金利のある借金)が多いなか経営再建や構造改革を進めている企業です。さまざまな理由で経営再建を進めている企業にとって、金利上昇で返済しなくてはいけない総負債額が増えることはマイナス要因となります。

住友化学<4005>

住友化学<4005>は化学製品や農薬・医薬事業など複数事業を持つ大手化学メーカーですが、大型設備投資や事業再構築の過程で有利子負債が膨らみました。有利子負債は2023年度に1兆5000億円まで膨らみましたが、その後、構造改革や業績改善策により負債削減と現金創出を進めています。

連結子会社である住友ファーマ<4506>関連の特許権やのれん代(ブランド力など目に見えない価値)、研究開発資産などで減損(持っている資産の価値が大きく下がったと判断し、帳簿上の価値を引き下げる会計処理)を進めたほか、海外子会社関連でも大幅な整理を進めています。再生途中での金利上昇は警戒したいところです。

日産自動車<7201>

日産自動車<7201>は構造改革を進める過程にあり、生産体制の見直しや電動化投資を継続する一方、有利子負債も一定水準を抱えています。金利が上昇すると、社債発行や借入による資金調達コストが増加し、利益体質の改善を目指すなかで収益を圧迫する要因となります。

さらに、自動車は高額耐久消費財であるため、金利上昇は自動車ローン金利の上昇を通じて消費者の購買意欲を冷やす可能性があります。特に価格競争が激しい市場環境では、販売奨励金の増加や値引き対応を迫られ、収益性の低下につながりやすくなります。

東京電力ホールディングス<9501>

東京電力ホールディングス<9501>は福島第1原発事故に伴う賠償費用、廃炉費用、除染関連費用などを長期間にわたり負担しており、財務体質は依然として脆弱(ぜいじゃく)な状態にあります。金利が上昇すると、既存債務の借り換えコストや新規資金調達コストが増加し、収益改善の足取りを重くする可能性があります。

また、電力事業は規制や料金制度の影響を強く受けるため、金利上昇分を電気料金に即座に転嫁することは容易ではありません。政府支援の存在は一定の下支えとなるものの、金利上昇は中長期的な財務健全化の大きな重荷となり、経営再建の長期化につながる懸念があります。

金利上昇は、金融市場に与える影響が非常に大きくなります。利用者にとっては、資産配分や商品選択の巧拙が、これまで以上に資産形成の成果を左右する局面に入ったといえるでしょう。ご自身のライフスタイルに合った金融商品を選べるチャンスが到来しました。ぜひ、前向きに金利上昇と向き合ってはいかがでしょうか。
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