Q:65歳で年金を受け始めた後、同じ会社で正社員として働いています。給与から引かれる厚生年金保険料は無駄でしょうか?
「65歳で老齢年金を受け取り始めました。その後、同じ会社で正社員として働いていますが、給与から厚生年金保険料が引かれています。この保険料は無駄になってしまうのでしょうか?」(相談者)
給与から引かれている厚生年金保険料は無駄?(画像:PIXTA)
A:65歳以降に支払った厚生年金保険料は、将来の老齢厚生年金に反映されます。すぐには増えませんが、年1回の見直しで年金額が増える仕組みになっています
老齢年金をすでに受け取っている人でも、会社で働いて厚生年金の加入要件を満たしていれば、65歳を過ぎても原則として70歳になるまで厚生年金に加入します。そのため、給与から厚生年金保険料が差し引かれるのは、制度上、通常の扱いです。そして結論からいうと、65歳以降に支払った厚生年金保険料が無駄になるわけではありません。65歳以降70歳になるまでに厚生年金に加入して働いた期間は、老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算に反映され、将来受け取る年金額が増える可能性があります。
ただし、納めた保険料が翌月すぐに年金額へ反映されるわけではなく、65歳以上70歳未満で老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入している人は、年1回まとめて年金額が見直されます。毎年9月1日を基準日として、前年9月から当年8月までの厚生年金加入期間(とその間の標準報酬など)を反映して老齢厚生年金額が改定され、10月分の年金から新しい額になります。この仕組みを「在職定時改定」といいます。
年金は通常、2カ月分がまとめて後払いで振り込まれるため、増額分が実際の振込額として反映されるのは、12月の振込(10月・11月分)からになるのが一般的です。
つまり、65歳以降に払った厚生年金保険料は無駄ではなく、年1回の在職定時改定を通じて老齢厚生年金の受給額に反映されていきます。年金生活が本格化したときの収入を少しでも底上げできるという意味で、将来の生活の支えにもつながるでしょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






