お正月に子どもが手にする「お年玉」も、いったん預けるなら身近なゆうちょ銀行が安心です。ただし、「預け先をどこにするか」だけで、1年後に受け取れる利息が大きく変わることもあります。そこで今回は、定番のゆうちょ銀行の定期貯金と、特別金利の子ども向け定期預金を比べて、1年後の利息差を見てみましょう。
安心感と利便性の「ゆうちょ銀行(定期貯金)」に10万円を1年間預けた場合の利息は?
ゆうちょ銀行は全国に窓口があり、子どもが進学・就職などで県外に出ても、口座をそのまま管理しやすいのが魅力です。ゆうちょ銀行の「定期貯金」は、原則一定期間引き出さない代わりに、通常貯金(いわゆる普通預金)より金利が上乗せされる、シンプルな貯め方です。まずはポイントを4つに整理します。
①少額から始められる
1000円以上・1000円単位で預け入れ可能。お年玉を「全部使わず、まずは一部だけ貯める」という入口にも向きます。
②預ける期間を選べる
1カ月~5年まで複数の期間から選択できます。「来年の習い事代」「数年後の学用品」など、使う時期に合わせて設定しやすいのが特徴です。
③利息の付き方は「預ける期間」で変わる(単利/半年複利)
ゆうちょの定期貯金は、以下の仕組みで利息を計算します。
・3年未満:単利(元金に対して利息がつく)
・3年・4年・5年:半年複利(半年ごとに利息が元金に組み込まれ、その合計に次の利息がつく)
④満期後は自動で更新できる
満期時に「自動継続」を選べば、満期のたびに手続きしなくても継続できます(継続後の金利はその時点の利率が適用されます)。
●ゆうちょ銀行の定期貯金に10万円を預けたら?
お年玉+これまでの貯金で10万円を用意できたとして、それを1年間ゆうちょの定期貯金に預けた場合の利息は以下のとおりです(税引き後は税率20.315%を差し引いた概算)。金利は、2025年12月時点「年0.275%」です。
・税引き後の受取利息:約220円
参照:定期貯金 ゆうちょ銀行
「富山第一銀行(こども定期預金)」に10万円を1年間預けた場合は?
次は、子ども向けに「1年だけ」高金利を提供するタイプの代表例として、富山第一銀行の「こども定期預金」をご紹介します。●商品概要(1年・特別金利)
・対象者:18歳未満の個人
・対象エリア:富山県・石川県・新潟県・岐阜県・東京都・大阪府にお住まいの方
・預入金額:1万円以上10万円以下(1人当たり合計10万円まで。複数口も可)。1円単位。新規預入に限る
・預入期間:1年
・金利:年3.0%(税引き後 年2.390%)※最初の1年の特別金利
・満期後:自動継続、継続後はスーパー定期の店頭表示利率が適用
●富山第一銀行のこども定期預金に10万円預けたら?
富山第一銀行のこども定期預金に1年間預けた場合の利息は以下のとおりです(税引き後は税率20.315%を差し引いた概算)。
・税引き後の受取利息:約2391円
ゆうちょ銀行の利息「約220円」と比べると、利息差は「約2171円」もあります。約11倍もの差になることが分かります。
参照:富山第一銀行「こども定期預金」
●こども定期預金の注意点
今回の利息差には驚きますが、以下の4つに注意しましょう。
・注意点1:上限は10万円まで
もし貯金額が10万円を超える場合は、「10万円だけ特別金利」「残りは別管理」という分け方になります。
・注意点2:高金利は最初の1年だけ
満期後は通常金利で継続されるため、「1年ブースト」と割り切って使うのがコツです。
・注意点3:中途解約は要注意
途中で解約すると特別金利が適用されず、所定の中途解約利率になるため、使う予定があるお金は入れ過ぎないのが安全です。
・注意点4:エリア制限
対象地域外だと利用できません。
対象外の人はどうする?10万円から預けられる「全国向け・高金利定期」の例
「富山第一銀行は地域条件が合わない……」という場合は、ネット完結で申し込みできるもので高金利の定期預金を探してみるのもよいでしょう。ご参考として2行をご紹介します。【SBJ銀行】
・商品名:ミリオくん(100万円上限定期預金)
・1年の金利:1.25%
・預入金額:1円以上100万円以下(1円単位)
参照:SBJ銀行「ミリオくん(100万円上限定期預金)」
【静岡銀行 しずぎんインターネット支店】
・商品名:ウェルカム定期預金(2025年12月25日~2026年3月31日までにインターネット支店口座を開設した人が対象)
・1年の金利:1.0%
・預入金額:10万円以上2000万円以下(1円単位)
(600億円に到達した時点で取扱終了(3カ月ごとに150億円を上限))
参照:静岡銀行 インターネット支店「ウェルカム定期預金」
どちらも未成年の口座開設は可能です。銀行ごとに申し込み方法が異なりますので、事前に確認してすすめましょう。
お年玉を賢く使い分けよう!
条件が合う家庭であれば、お年玉のうち最初の10万円分は、子ども向けの特別金利定期預金に預けて「1年だけしっかり増やす」。そして、10万円を超えた分のお年玉や、その後にもらうお小遣い・使いたいお金は、出し入れや管理がしやすいゆうちょ銀行の通常貯金。この役割分担が現実的です。使い分けることで、「増える楽しみ」も残しつつ「どこでも使える安心感」も失いません。お年玉をきっかけに、子どもと一緒に「お金の置き場所で結果が変わる」体験をしてみるのもよいと思います。
※金利・条件は変更になる場合があります。最新情報は公式Webサイトでご確認ください。
※金利は2025年12月時点。








