年金・老後のお金クリニック

65歳以降も月20万円ほどの収入があります。加給年金を受けるにはどちらの年金を繰り下げるべきか?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金の繰り下げを考えている63歳の男性からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金の繰り下げを考えている63歳の男性からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:現在63歳で、65歳以降も月20万円ほどの収入がある見込み。加給年金を受け取りたい場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金はどちらを繰り下げるべき?

「老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらを繰り下げるべきか悩んでいます。現在63歳で、65歳以降も月20万円ほどの収入がある見込みです。妻は6歳年下で、加給年金も請求したいと考えています」(すー太郎さん)
加給年金と繰り下げ受給の関係は?(画像:PIXTA)

加給年金と繰り下げ受給の関係は?(画像:PIXTA)

A:繰り下げは老齢基礎年金と老齢厚生年金それぞれで選択できます。ただし加給年金を受け取りたい場合は、老齢厚生年金を65歳から受け取り、老齢基礎年金のみを繰り下げる方法が適切です

老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ別々に繰り下げを選択できます。しかし、加給年金を請求したい場合は注意が必要です。老齢厚生年金を実際に受け取っていなければ、加給年金も受け取れません。つまり、老齢厚生年金を繰り下げると、その繰り下げ期間に本来受け取れるはずの加給年金がそのまま受け取れなくなります。繰り下げによる増額は1カ月につき0.7%ですが、加給年金には増額はありません。

例えば2025年度の場合、配偶者加給年金額は23万9300円で、昭和18年4月2日以後生まれの配偶者の場合は17万6600円が加算され、合計41万5900円です。老齢厚生年金を繰り下げてしまうと、この加給年金額を受け取れない期間が生じることになります。

では、どちらを繰り下げるのがよいのでしょうか。

相談者が加給年金の受給条件を満たしている場合、老齢厚生年金を繰り下げてしまうと加給年金が支給されないため、老齢厚生年金は65歳から受け取るのが自然です。

一方、老齢基礎年金のみを繰り下げれば、加給年金の支給を受けながら、老齢基礎年金の繰り下げ増額(1カ月当たり0.7%)のメリットを生かすことができます。老齢基礎年金を繰り下げても加給年金には影響しません。老齢基礎年金の増額分を受け取れる形になるでしょう。

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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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