そこで今回は、100万円を10年間運用する場合の利息を、定期預金と個人向け国債(変動10年/固定5年)で比較してみました。
それぞれの金利や利息の受け取り方の違いにも注目しながら、じっくり見ていきましょう。
100万円を10年間預けるなら、どの定期預金がおトク?
定期預金は、中途解約をしない限り、原則として満期まで引き出しできませんが、普通預金と比べて金利が高めに設定されているのが特徴です。では、具体的にどれくらいの金利で預けられるのでしょうか。今回は、来店不要で申し込みができる銀行を中心に、10年ものの定期預金を編集部が調査しました(2025年11月18日時点)。
①SBJ銀行
- 商品名:100万円上限定期預金<ミリオくん10>
- 金利:1.35%
- 預入期間:10年
- 預入金額:1円以上100万円以下(1円単位)
②ソニー銀行
- 商品名:円定期預金
- 金利:0.75%
- 預入期間:10年
- 預入金額:1000円以上(1円単位)
③ローソン銀行
- 商品名:スーパー定期
- 金利:0.70%
- 預入期間:10年
- 預入金額:1万円以上1億円未満(1円単位)
④静岡銀行 しずぎんインターネット支店
- 商品名:スーパー定期
- 金利:0.53%
- 預入期間:10年
- 預入金額:1万円以上(1円単位)
上記に続く、金利0.50%の銀行には以下のような大手・ネット銀行もあります。
みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、楽天銀行、PayPay銀行、スルガ銀行
金利1.35%の定期預金に100万円を10年預けたら、利息はいくら?
では、これらの定期預金の中で最も高い金利を使って、利息を試算してみましょう。金利1.35%・10年満期の定期預金(単利型)に、100万円を預け入れると10年後に受け取れる利息は次の通りです。100万円×0.0135×10=13万5000円(税引き前)
10年間で13万5000円、税引き後(20.315%控除)ではおよそ10万7575円の利息を受け取れます。
なお、定期預金は商品によって単利と複利があり、利息の計算方法が異なります。この商品は単利型で当初の元本に対して利息が計算されます。定期預金を利用する際は、利息の計算方法についても確認するとよいでしょう。
変動10(金利変動なしを想定)を100万円購入したら?
2025年11月20日時点(第188回債)の個人向け国債・変動10年の年利は1.10%(税引き前)です。個人向け国債の利息は元本に組み込まれず再投資もされないため、単利運用となります。なお、利息は半年ごとに受け取ることができます。変動金利型の国債は、半年ごとに実勢金利に応じて金利が見直される仕組みですが、今回は「金利が10年間ずっと変わらなかった場合」を想定してシミュレーションしてみましょう。
例えば、個人向け国債・変動10年を100万円購入した場合の利息は次の通りです(表面利率をもとにした単利計算で算出)。
100万円×0.0110×10=11万円(税引き前)
10年間で合計11万円、税引き後(20.315%控除)ではおよそ8万7653円の利息を受け取れます。なお、利息は半年ごとに受け取ることができ、1回当たりの利息は次の通りです。
100万円×(0.0110/2)=5500円(税引き前)
税引き後では、およそ4383円です。
固定5年(2回購入・金利変動なしを想定)を100万円購入したら?
2025年11月20日時点(第176回債)の個人向け国債・固定5年の年利は1.19%(税引き前)です。変動10年と同じく、単利運用です。例えば、個人向け国債・固定5年を購入した場合の利息は次の通りです(表面利率をもとにした単利計算で算出)。100万円×0.0119×5=5万9500円(税引き前)
5年後に、仮に利率が同じ条件(1.19%)のまま再び固定5年を購入した場合、もう一度5万9500円の利息を受け取れるため、
5万9500円+5万9500円=11万9000円(税引き前)
10年間で合計11万9000円、税引き後(20.315%控除)ではおよそ9万4857円の利息を受け取れます。なお、利息は半年ごとに受け取ることができ、1回当たりの利息は次の通りです。
100万円×(0.0119/2)=5950円(税引き前)
税引き後では、およそ4742円となります。
安全資産を上手に使って、堅実な資産形成を
では、それぞれの利息は、どのくらいになるでしょうか。定期預金(年利1.35%):
13万5000円(税引き前)、約10万7575円(税引き後)
個人向け国債・変動10年(年利1.10%):
11万円(税引き前)、約8万7653円(税引き後)
個人向け国債・固定5年×2回(年利1.19%):
11万9000円(税引き前)、約9万4857円(税引き後)
定期預金と個人向け国債は、いずれも元本割れのリスクが極めて低い資産として、将来に備えたい方に適した選択肢です。ただし、それぞれに特徴があり、例えば「利息をいつ受け取るか」「途中解約がしやすいか」など、違いがあります。
金利だけでなく、商品の仕組みやご自身の資金の使い道、ライフプランに照らして、どちらがより自分に合っているかを考えてみることが大切です。






