Q:年金115万円・パート収入102万2400円の74歳男性です。娘の社会保険の被扶養に入っていますが、継続できますか?また、交通費は収入に含まれますか?
「1951年生まれの74歳の男性。今年、定年退職し、娘の社会保険に被扶養者として加入していますが収入は、年金収入115万円+パート年収102万2400円です。パート年収はいくらまでなら娘の扶養者としていられますか? また、パート収入には交通費も含まれますか?」(じいじさん)
娘の扶養に入るためには?(画像:PIXTA)
A:合計収入が180万円を超えるため、扶養継続は難しい可能性があります。交通費も収入に含まれます。75歳で後期高齢者医療制度に移行し、扶養制度は終了します。事前に健保組合などへ確認すると安心です
74歳のじいじさんは、年金を受け取りながらパート収入もあります。現在は娘さんの社会保険の扶養に入っていますが、「このまま働いていても大丈夫なのか」と不安を感じているようです。結論から言うと、年金115万円、パート収入102万2400円で、合計217万円超。社会保険の扶養基準(60歳以上は年収180万円未満)を超えているため、扶養から外れる可能性があります。そのため、今後の収入の見通しを見直す必要があります。
今回は、こうしたケースでの扶養継続の判断や、気を付けたいポイントを整理します。
扶養の条件と収入の目安とは
健康保険の扶養に入るには、年間収入の見込みが一定額未満であることが条件です。60歳以上の場合は「年収180万円未満」が目安とされ、今後1年間の見込み収入で判断されます。じいじさんのように、年金とパート収入を合算して180万円を超えると、扶養から外れる可能性が高くなります。
また、交通費にも注意が必要です。所得税では非課税でも、社会保険では「報酬」として収入に含まれる扱いです。
勤務先によって異なるため、交通費の扱いを確認することが大切です。
年齢による制度の切り替えに注意
健康保険の扶養のしくみが使えるのは74歳まで。75歳になると後期高齢者医療制度に切り替わり、個人で保険料を負担する制度になります。この制度では扶養という考え方がなくなり、保険料は本人の所得などに応じて決まります。そのため、扶養の条件を気にするのは74歳までが目安。75歳以降は別の制度での対応が必要です。
扶養を続けるには、収入を180万円未満に抑える必要があります。
例えば……
- パート収入を調整する(例:年収65万円程度)
- 交通費の扱いを確認する(支給方法によっては収入に含まれる場合がある)
- 保険者(協会けんぽや健保組合)に事前相談する
まとめると、安心のために今できることは以下のことです。
- 60歳以上の扶養基準は「年収180万円未満」
- 年金とパート収入の合算で判断される
- 交通費も収入に含まれることがある
- 75歳で制度が切り替わる
- 扶養を続けたいなら、収入調整や事前相談を
制度を知り、家族で話し合うことが安心への第一歩になりますよ。







