
1位「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が行われる東京都美術館 ※画像:PIXTA
芸術の秋が到来。全国の美術館やギャラリーでは、この時期だけの特別展や注目の企画展が続々と開催されます。名画との出会いから現代アートの最前線まで――2025年秋、あなたが行きたい「東京で行われる展覧会」はどこですか?
All About編集部は2025年9月3日、全国10~60代の男女237人を対象に「2025年秋のイベント」に関するアンケート調査を実施。今回は、「東京で行われる展覧会」の結果をランキング形式で紹介するとともに、All About 東京ガイドで博物館学芸員の資格を持つ藤丸由華さんに、注目している「東京で行われる秋の展覧会」を聞いてみました。
第2位:「重要文化財『黒き猫』修理完成記念 永青文庫 近代日本画の粋―あの猫が帰って来る!―」(永青文庫)/24票
2位は、10月4日から11月30日に永青文庫で開催される特別展「重要文化財『黒き猫』修理完成記念 近代日本画の粋―あの猫が帰って来る!―」。菱田春草の代表作『黒き猫』の修理完成を記念し、近代日本画の名品を一堂に紹介する展覧会です。
修復を経て蘇った名画を中心に、明治から昭和にかけて活躍した画家たちの作品が展示され、日本画の美と革新を堪能できる貴重な機会となっています。
回答者からは、「猫好きには気になるイベント」(50代男性/京都府)、「猫が好きだから」(30代男性/広島県)、「有名だから」(40代男性/福島県)などの声が寄せられ、猫好きから熱い支持を得ました。
第1位:「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京都美術館)/120票
1位は、東京都美術館で9月12日から12月21日に開催される「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」。フィンセント・ファン・ゴッホとその家族に焦点を当てた展覧会です。
ゴッホ本人の初期から晩年に至る30点以上の作品に加え、弟テオやその妻ヨーらが遺産を守り広めた歩みを、手紙や資料を通じて紹介しています。
回答者からは、「ゴッホの絵は一度は見に行ってみたいから」(20代女性/大阪府)、「世界的にも有名な絵をみたい」(40代女性/神奈川県)、「ゴッホの手紙が見れるのは凄いと思う」(30代女性/愛知県)、「ゴッホの作品に家族の視点が加わるのが新鮮で興味深い」(50代女性/兵庫県)などの声が寄せられました。
All About 東京ガイド・藤丸由華さんの注目は?
3位にランクインした「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」も注目です。
2025年は特に日本人が大好きといわれる印象派の作品が数多く来日を果たしていますが、10月25日から上野の国立西洋美術館で始まるこの展覧会は、印象派の代名詞=戸外の光を描いた作品ではなく、室内を舞台とした作品にフォーカス。印象派の殿堂・オルセー美術館からマネ、ドガ、モネ、ルノワール、セザンヌら、約70作品がやってきます。
オルセー美術館の印象派コレクションがこの規模で来日するのは約10年ぶりのこと。中でも若き日のドガが、自身の叔母の一家を描いた『家族の肖像(ベレッリ家)』は、4人の登場人物それぞれの声が聞こえてきそうな集団肖像画で、日本初公開となります。戸外でなく屋内に差し込む“光”の描き方に注目しても、楽しい展覧会になりそうです。
【藤丸由華 プロフィール】
東京のラジオ局のアナウンサー時代を含め約30年、東京を中心とした取材を敢行。2008年に独立し、現在はAll About 東京ガイド、フリーアナウンサー、2足のわらじで活動。博物館学芸員の資格を持ち、趣味は国内外の美術館・博物館巡り。「All About」では埴輪からモダンアートまで、幅広く注目の美術展・展覧会を紹介。
>【全結果】2025年秋に行きたい「東京で行われる展覧会」ランキング
<調査概要>
調査期間:2025年9月3日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国10~60代の男女237人(10代:1人、20代:64人、30代:86人、40代:51人、50代:27人、60代:7人、不明1人)
※回答者のコメントは原文ママ
※リスト提供/Tokyo Art Beat