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新紙幣にも見慣れてきたけど…ふと考える「これまで使っていたお札」はどこへ?【お金の専門家が解説】

昨年、新紙幣が発行されましたが、これまで使っていた紙幣は一体どこに行くのでしょうか。古くなったお札の行方について、All About 株式・ファイナンシャルプランナー ガイドの伊藤亮太が解説します。※画像:PIXTA

伊藤 亮太

伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナー ガイド

ファイナンシャルプランナー(CFP®)

慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。その後証券会社にて、営業、経営企画部門等を経て、独立系FP会社「スキラージャパン株式会社」設立。ファイナンシャル・プランナーとして、家計簿診断などのライフプランニング、資産運用、保険の見直しなどの相談を行う。執筆・講演も金融機関をはじめ多岐に渡る。

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これまで使っていた紙幣は一体どこへ? ※画像:PIXTA

これまで使っていた紙幣は一体どこへ? ※画像:PIXTA

新紙幣が発行されて1年以上がたち、新しい千円、五千円、一万円札にも徐々に見慣れてきた人も多いのではないでしょうか。今後も順次新札への切り替えが進むと予想されますが、これまで使われていた紙幣はどこへ行くのでしょうか。

今回は古くなったお札の行方について、All About 株式・ファイナンシャルプランナー ガイドの伊藤亮太が解説します。

Q. 旧札はどこに行くのでしょうか?

【今回の質問】
新札への切り替えが進められていますが、これまで使っていた旧札はどうなってしまうのでしょうか? どこかで一元管理されていたりするのですか?

A. 定期的に日本銀行に持ち込まれます

新しい紙幣を見ると、一番下の右寄り部分に「国立印刷局製造」と記載があります。そもそも紙幣は国立印刷局で印刷され、日本銀行に納入されます。その後、民間の金融機関は日本銀行に預けている当座預金を引き出す際に紙幣を受け取り、その紙幣が銀行の窓口やATMなどを通じて、私たち消費者の手元に届く仕組みになっています。

民間の金融機関は日本銀行から紙幣を受け取るほか、定期的に日本銀行に紙幣を“持ち込む”ことも行っています。その結果、まだ利用できる紙幣は再び民間の金融機関に払い出されますが、一方、汚れなどにより利用しにくくなった紙幣や旧札は回収され、新札に交換されます。

回収された紙幣は、基本的に細かく裁断された後、トイレットペーパーなどにリサイクルされるか、焼却施設にて燃やされることになります。日本銀行の資料館などに行くと、裁断された紙幣をもとに作られたボールペンなども販売されています。そのため、徐々に旧札を見る機会は減っていくこととなります。

なお、福沢諭吉の一万円札など最近の紙幣だけでなく、聖徳太子の一万円札や板垣退助の百円札などの旧札も、正式な通貨として現在も使うことができます。日本銀行による旧札の強制回収は行われないため、手元に保管することも問題ありません。

ただし、時間が経過すればするほど旧札を見る機会は減り、店舗によっては旧札での支払いを拒否されることもあるかもしれません(珍しがってむしろ支払いOKとなる場合もあるかもしれませんが)。

旧札のうち、記番号(紙幣に記載されたアルファベットと数字)の数字部分が、すべて同じ数字となっているゾロ目などの“珍紙幣”は、今後プレミアムがつき値段が上がっていく可能性もあります。このような珍紙幣は手元に保管しておくとよいでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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