iPhone 17シリーズの価格はどれも10万円を超え、上位モデルのProや大容量モデルを選ぶと20万円以上になることもあるため、スマートフォンの本体価格としては高額だ。
分割払いでの購入を検討している人も多いと考えられるが、「一括購入の方がお得だ」といった意見も聞かれる。
そこで今回は、新型iPhoneを分割で購入するべきか、一括で購入するべきか、どちらがお得になるのかについて、元携帯販売員でフリーライターの筆者が試算し、解説する。
購入時の負担をグッと抑えられる「分割払い」
まず、携帯電話の購入方法として、今や一般的になった「分割払い」のメリットを整理してみよう。分割払いのメリットは、購入時の支払いがほとんど発生しないことだ。携帯電話会社によって販売価格が異なるため、今回はNTTドコモ(以下、ドコモ)の「iPhone 17 256GB」の価格を例に挙げると、本体価格は15万2900円であり、買うと決めても一括で支払うのにはかなり高額だ。
しかし、分割購入であれば「購入時の支払いは0円」となり、24回払いなら月々6370円、36回払いなら月々4247円となるため、これに通信料を加えても、月々の負担は比較的軽くなる。
スマートフォンの買い替えはおよそ3~4年に1度という人が多く、使っている間は月々5000~6000円ずつ支払っていくと考えれば、欲しいタイミングで大きな支払いを避けつつ、最新機種に買い替えやすいのは、分割払いならではのメリットだ。
また、携帯電話各社は「買い替えプログラム」と呼ばれるサービスを提供しており、最新機種を1~2年で返却すると、その時点で残っている分割払いの残額が免除される。
例えば、先ほどと同じくドコモのiPhone 17 256GBを、買い替えプログラム(いつでもカエドキプログラム)で購入した場合は「月々3319円×23回の支払い」で、その合計は7万6340円。そして本体を返却すれば残金7万6560円が免除されるので、実質15万円以上するiPhone 17 256GBを約半額で利用できたことになる。
スマートフォンはバッテリーの劣化や、性能の進化、ソフトウェアのアップデートなどにより、ほかの家電と比べて使用できる期間はどうしても短くなりがちだ。
そして、もしも2年ごとに買い替えていくと決めた場合には、分割払いや買い替えプログラムを利用することで、購入時の負担をグッと抑え、月々の支払いもより少ない金額にすることができる。
そのため、分割払いでの購入は「お得」と言ってよいだろう。
最も負担が抑えられる可能性もある「一括払い」
では、一括払いはお得なのだろうか。一括購入は、家電量販店であれば購入金額の1~10%のポイントが還元されるため、その分が実質的な割引になったと考えれば、やはりお得と言える。
また、携帯電話会社の分割支払いを利用しない分、Apple StoreなどのSIMフリーモデルを選ぶことができるため、その分だけ価格を抑えられることもある。
先ほど、分割支払いの例として挙げたドコモのiPhone 17 256GBは「15万2900円」だが、Apple Storeで同じ機種を購入すると12万9800円となるため、一括購入なら2万円以上お得になる。
さらに1~2年後、新しいiPhoneを購入する際に、今まで使っていたiPhoneを中古買取店に買い取ってもらった場合、状態がよければ5~10万円程度の買取価格がつくはず。実際、筆者も1年間使った「iPhone 16 256GB」を中古買取店に持って行ったところ、10万6000円で買い取ってもらえた。
新しく購入したiPhone 17 256GBの12万9800円から差し引くと、約2万4000円の負担だけで、最新モデルへ買い替えることができた。
一括購入は、最初こそ10万円以上、上位モデルであれば20万円以上の支払いが大きな負担となってしまうが、中古買取店を活用することも考慮すれば、1~2年ごとの買い替え時の負担が最も抑えられる可能もあるのだ。
分割と一括、どちらにもメリットが
これまで解説したように、分割払いも一括払いも、どちらにもメリットがある。一括払いの方が出ていくお金だけで見れば安く抑えられる一方で、お得に買ったと思えるようにするには、自分で中古買取店に売りに行ったり、Apple Storeで安く購入するための工夫や手間が必要になったりする。
その点を含めて考えると、携帯電話会社の分割払いや購入プログラムを利用する場合は、手間がほとんどかからないという「手軽さ」が大きなメリットだ。
一括購入と分割購入のどちらにも共通することだが、実は高額に思える最新モデルも、買い方によっては、意外にも価格を抑えられ、大きな負担になりにくいということが伝われば幸いだ。
【迎悟プロフィール】
家電量販店やキャリアショップなど、多数のチャネルで携帯電話販売の最前線に10年近く従事。その経験をもとに、現在はフリーランスライター・ブロガーとして活動している。携帯電話販売の現場インタビューや契約・使い方のハウツーを中心に、さまざまな媒体で執筆中。