預金・貯金

38歳男性。地銀の定期預金に350万円を金利0.35%で預け入れ資産形成。個人年金との違いは?

今回は、富山県在住の「ぷにぷに」さん(38歳・自営業)を紹介します。18歳からコツコツと預貯金を続け、将来に備えて定期預金を中心にお金を積み立ててきた体験談をうかがいました。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

地方銀行の定期預金に預け入れて資産形成!(画像:PIXTA)

地方銀行の定期預金に預け入れて資産形成!(画像:PIXTA)

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今回は、富山県在住の「ぷにぷに」さん(38歳・自営業)を紹介します。18歳からコツコツと預貯金を続け、将来に備えて定期預金を中心にお金を積み立ててきた体験談をうかがいました。

■プロフィール
ペンネーム:ぷにぷにさん
年齢:38歳
性別:男性
家族構成:父(70歳)、母(66歳)、きょうだい(36歳)
居住:富山県・持ち家(戸建て)
職業:自営業・自由業
世帯年収:本人350万円

資産と運用状況
普通預金:300万円(金利0.2%)
定期預金:350万円(地方銀行・金利0.35%)
日本株:50万円
暗号資産:50万円
FX:50万円
毎月の積立:定期預金に2万円

18歳から続けてきた預貯金。「将来に備えて残しておこう!」

ぷにぷにさんが預貯金を始めたのは18歳の時。将来的にお金が必要になることを強く意識し、できる限り残しておこうと考えたのがきっかけでした。最初に口座を開設したのは地元の地方銀行。就職先の会社で必要だったためで、そのまま長く利用しています。その後はネットバンキングの利便性を重視してネットで主に利用する銀行にも開設しました。

現在は定期預金を中心に、毎月2万円ずつ積み立て。「元本保証があり、金利も少しずつ上がってきているので安心して増やせる」と考えています。契約当初は金利が今よりも高く、利息がより大きかったと振り返ります。

定期預金は安心の土台、ただ「もっと増やしたい気持ち」も

ぷにぷにさんが定期預金で目指すのは、老後資金として最低1000万円を貯めること。普通預金は日常生活の資金繰りに使い、定期預金は将来に向けた“守る資産”としています。月に1回は残高を確認し、銀行のホームページをチェックして金利がよければ乗り換えも検討。国債にも関心を持ちながら情報収集を続けています。

一方で「毎月コツコツ増えてはいるものの、数カ月で10万円程度しか増えない。もっと早くお金を増やしたい」とも感じています。仕事を退職していた時期には、定期預金を一部崩して生活費に充てた経験があり、「リスクのある資産だと生活に回せなかったと思うので、定期預金に助けられた」と振り返ります。

「無駄遣いを避ける生活が身についたのはよいことですが、やはり安定資産だけでは物足りなさもある」と本音も。将来的には金利上昇の恩恵を受けたいと期待しつつ、資産形成の方法を模索しています。

専門家への質問

そこで専門家に投げ掛けたいのは、次のような問いです。

「現在は預貯金で将来のお金を貯めていますが、個人年金保険などのサービスで積み立てる方法も気になっています。個人年金保険と預貯金のどちらを利用すれば、将来的にお金を貯められるのか教えてほしいです」

今回の「ぷにぷに」さんからの質問に、ファイナンシャルプランナーの舟本美子さんが回答します!

ファイナンシャルプランナーの舟本美子さんからのアドバイス

ぷにぷにさんは18歳からコツコツと預貯金を続け、現在は普通預金や定期預金を中心に資産を築いておられます。すでに300万円以上の普通預金があり、生活費や事業資金の備えがしっかり確保されているのは大きな安心材料です。無駄遣いを避け、計画的に積み立ててきた習慣も長期的な資産形成の強みといえるでしょう。

個人年金保険と預貯金のどちらがよいか?

個人年金保険には、老後に年金として受け取れる契約満了後の安定性と、生命保険料控除が使える節税メリットがあります。例えば、新制度で加入した場合、年間保険料が8万円を超えると控除額は所得税で4万円、住民税では2万8000円が上限となります。

ただし、一定期間解約できないか、解約すると払込額より返戻金が少なくなる元本割れのリスクがある点、流動性の低さがデメリットです。預貯金はいつでも引き出せる自由度が高く、緊急時や急な出費に対応しやすい半面、金利が低いため、インフレ時には実質的な資産価値が目減りしやすいという弱点があります。

自営業の方におすすめなのは新NISAとiDeCoや小規模企業共済

自営業のぷにぷにさんの資産形成法としておすすめな方法とは以下になります。

【新NISAの活用で資産を効率的に育てる】
個人年金保険や預貯金は「堅実さ」においては安心ですが、資産を大きく増やす力や節税効果の面ではやや物足りない部分があります。その補完として、新NISA(つみたて投資枠)の活用がおすすめです。年間最大120万円まで非課税で積み立てられ、運用益も非課税。投資対象は低コストのインデックスファンドなど長期・分散投資に適した商品に限られているため、初心者でも安心して利用できます。非課税期間が無期限となったことで、老後資金をじっくり育てる方法としても相性がよいでしょう。

【iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)や小規模企業共済も検討を】
ぷにぷにさんのように自営業の方は、iDeCoや小規模企業共済も検討に値する制度です。

iDeCoは、掛金が全額所得控除となり、運用益も非課税、受け取り時にも控除があるなど、節税しながら老後資金を準備できるメリットがあります。ただし60歳まで原則引き出せない制約があり、手元資金や流動性を確保しておくことが重要です。

小規模企業共済とは、個人事業主や小規模企業の経営者が、掛金を積み立てて将来の退職金や廃業時の資金とする制度です。掛金は月額1000~7万円(500円単位)で自由に設定可能で、支払った掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、所得税・住民税の節税につながります。共済金の受け取りは「一括」「分割」その併用から選べ、貸付制度(事業資金など)も利用できる点が強みです。

<参照>小規模企業共済とは 独立行政法人 中小企業基盤整備機構

ぷにぷにさんの場合は、まず「預貯金」で生活費や事業資金の安心を確保しながら、資産を育てる手段として「新NISA」を活用するのが有効です。さらに、節税しながら老後資金を積み立てられる「iDeCo」や「小規模企業共済」、場合によって「個人年金保険」も組み合わせることで、無理のないペースで老後資金を積み立てていけるでしょう。

教えてくれたのは……
舟本 美子さん


会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。保護猫たちと暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

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