資産運用

59歳男性。メガバンク金利0.25%の定期預金2000万円で教育費に備える一方、経済動向が気になる

今回は、関西在住の「O」さん(59歳・正社員)。1988年から定期預金を続け、教育費や介護費と向き合いながら資産を守ってきた体験談をうかがいました。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

これからの世界経済はどうなる?(画像:PIXTA)

これからの世界経済はどうなる?(画像:PIXTA)

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今回は、関西在住の「O」さん(59歳・正社員)。1988年から定期預金を続け、教育費や介護費と向き合いながら資産を守ってきた体験談をうかがいました。

■プロフィール
ペンネーム:Oさん
年齢:59歳
性別:男性
家族構成:妻(50歳)、子(12歳)、母(85歳)
居住:関西・持ち家(戸建て)
職業:正社員
年収:本人650万円、妻50万円

資産と運用状況
普通預金:100万円(ゆうちょ銀行・金利0.2%)
定期預金:2000万円(メガバンク・金利0.25%)
日本株:元本2000万円→運用益込み5000万円
投資信託:元本1000万円→運用益込み3000万円
暗号資産:元本100万円→運用益込み1600万円
毎月の積立:なし(介護・教育費の変動があるため)

定期預金は1988年からの習慣!メガバンク預け入れで教育費と介護費に備え

Oさんが定期預金を始めたのは1988年。当初は小さな金額からコツコツ続け、2022年には2000万円に到達しました。長年積み重ねてきた理由は「金利が低くても確実に運用できる安心感」。母の介護や子どもの教育費といった予測できない支出がある中で、安全資産の存在は欠かせないものでした。

利用しているのは、ゆうちょ銀行とメガバンク。ゆうちょ銀行は日常の入出金の利便性から、メガバンクは「破綻の可能性が低い」という安心感から選んだといいます。

「1円を笑う者は1円に泣く」預金がもたらした学び

定期預金や普通預金は「教育資金」や「生活防衛資金」として位置付けています。普通預金は生活費の資金繰りを踏まえて100万円程度を維持。一定額が貯まったら定期預金や投資信託に振り分けるスタイルです。

「亡くなった父の介護に際して、急な出費に対応できたことは、預金のありがたさを実感した経験でした」と振り返ります。一方で「老後や子どもの教育費を考えると、このままの定期預金で足りるのか心配」とも。

「今は株価などが上がっていますが、実際には経済は不景気だと感じています。リスク資産に偏るのは怖いし、だからこそ“1円を笑う者は1円に泣く”と肝に銘じて、堅実に構えてきました」と語ります。

専門家への質問

最後に、Oさんは専門家にこう問い掛けています。

「今後の経済予測、特にアメリカと日本の見通しを知りたいです。アメリカの為替や関税の動向が、定期預金や安全資産の持ち方にどのような影響を与えるのかもうかがいたいです」

今回の「O」さんからの質問に、個人投資家の中原良太さんが回答します!

個人投資家・中原良太さんからのアドバイス

未来はその性質上、どうしても予測が難しいものです。政治や経済は人の思惑で動くし、いつだって「激動期」だから、変化を追いかけ過ぎると目が回ってしまいます。

だからこそ、変わりゆくものではなく「変わらないもの」に目を向けるのが大切だと僕は思っています。そうは言っても経済の動きは無視できないのがむず痒いですね。

こういった前提の上であえて経済を予測するのであれば、「よい時期と悪い時期を経験しながら、大きな流れとしては改善の方向に進んでいくんだろうな」と筆者は考えています。

資本主義と自由競争。この2つが続く限り、効率よく人々の「不」を解消する能力を持つ会社は儲かるはずで、企業が儲けようと努力するほど、社会も便利で豊かになっていく仕組みです。

そして、目先数年は「たぶん景気は改善傾向だろう」と考えています。その最大の理由が金融緩和で、日本銀行が低い金利を維持していて、FRB(連邦準備制度理事会)も利下げを始めたからです。

株式市場は(1)金融相場、(2)業績相場、(3)逆金融相場、(4)逆業績相場、というサイクルで動く傾向があります。筆者は、2025年9月時点の景気は(1)の金融相場に当てはまると思っています。いわゆるカネ余りですね。

足元ではトランプ関税の影響もあって業績が悪化している日本企業が多いですが、関税のインパクトは「一過性」です。何年も関税を引き上げていけば話は別ですが、消費税のように1回課されたら翌年以降は「去年と同じ」です。

となると今年の景気が悪くても来年以降は回復傾向になるはずです。金融相場で設備投資などが活発になり、来年は景気のよい1年になるんじゃないかと期待しています。

金融相場で怖いのは「バブル」や「過剰投資」で、カネ余りで相場が上がり過ぎてしまったり、設備投資が行き過ぎてメーカーが過剰生産能力を有してしまったりすると、不況の引き金になりかねないため、そこのところは心配です。

日本銀行の金融緩和姿勢は「カネ余り」につながり、現金の価値が目減りする?

為替については(もっとも予測が困難だと思いますが)筆者は円安傾向が続くと読んでいます。

「金融緩和」漬けの日本銀行が積極的な利上げに踏み切るか、アメリカが極端な量的緩和に踏み切らない限り、ドルに対して円の供給量が増えて、円の希少価値は薄れると思うので、円安が続くだろうと思います。

最後に「定期預金や安全資産の持ち方にどのような影響を与えるのか」についてですが、日本銀行やFRBの金融緩和姿勢は「カネ余り」につながるため、ここのところは注意が必要だと感じています。

「需要と供給」で考えると、足りなくなるものの価値は上がり、余っていくものの価値は下がります。

すでに投資もされているOさんには耳にタコでしょうが、今のような金融緩和局面では「カネ余り」が続き、現金の価値が目減りしていき、物価が上がっていくのが自然な成り行きだと思うので、「預金には預金のリスクがある」ことは意識しておくとよいと思います。

資産運用でリスクをゼロにすることはできず、「インフレのリスク(=預金が損)」と「景気悪化リスク(=投資が損)」の可能性を両方とも視野に入れて、どうバランスをとるのか?が大事ですね。

教えてくれたのは……
中原 良太さん


個人投資家、トレーダー、ブロガー、YouTuberとして活躍。主に株式投資とマネー(お金)について初心者向けに情報発信。IQ上位2%のMENSA会員。18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。モットーは「地道にコツコツ」

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