資産運用

40歳、貯金1500万円。老後までにどのくらいまで資産を増やしておけばよい?

今回は、埼玉県在住の「haruchimmy」さん(40歳)を紹介します。妹と暮らし、預貯金だけでは将来が不安と感じたことをきっかけに投資を始めました。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

預金だけでは将来が不安に……(画像:PIXTA)

預金だけでは将来が不安に……(画像:PIXTA)

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今回は、埼玉県在住の「haruchimmy」さん(40歳)。妹と暮らし、預貯金だけでは将来が不安と感じたことをきっかけに投資を始めました。

■プロフィール
ペンネーム:haruchimmyさん
年齢:40歳
性別:女性
家族構成:妹と同居
居住:埼玉県(賃貸)
職業:正社員
年収:本人700万円、妹700万円

■資産と投資状況
現金・預金:1000万円
リスク資産:500万円
  • 投資信託:400万円
  • 日本株:100万円
投資歴:3年
毎月の積立:5万円

預貯金だけではお金が増えず、将来に不安を感じるように

haruchimmyさんが投資を始めたのは、預貯金だけでは将来に不安を感じたため。NISAのことを「非常によい制度だな」と思い、3年前に投資を始めました。

投資スタイルは、積立による長期投資と個別株の中長期投資。投資信託では複利効果を期待しつつ、個別株は四季報を参考に、成長が見込める企業を選んでいます。

日々の株価は「ほぼ毎日チェック」。ただし値動きに一喜一憂せず、コツコツ積立を継続することを心掛けています。情報収集はYouTubeや書籍のほか、証券会社が開催するセミナーやイベントにも参加して、学びを深めているといいます。

これまでの経験の中では、個別株で「購入直後に値下がりするかも……」という不安もありました。しかし長期的に見ると評価額はプラスに転じ、「一喜一憂せず積立を続けることが大事」と実感しています。

投資を始めてから「預貯金だけではお金が増えず、常に感じていた不安」が和らぎ、今では「もっと投資について学び、よりよい投資をしていきたい」という前向きな気持ちに変わりました。

専門家への質問

そこで専門家に投げ掛けたいのは、次のような問いです。

「現在は会社員として給与収入を得ていますが、退職後は収入がなくなります。今の投資で生活費を賄う予定ですが、老後に余裕ある生活を送るにはどのくらいまで資産を増やしておけばよいのでしょうか?」

今回の「haruchimmy」さんからの質問に、ファイナンシャルプランナーの舟本美子さんが回答します!

ファイナンシャルプランナーの舟本美子さんからのアドバイス

haruchimmyさんは、投資歴3年ながら、日々株価をチェックしつつも一喜一憂せず「長期で積み立てを続ける」スタンスを大切にされているのは、まさに堅実な投資家の姿勢です。

投資信託で複利効果を狙いながら、個別株では自ら情報収集し選定しているのも素晴らしい点であり、将来の資産形成に向けて着実な土台が築けています。

「自分の理想の老後」を具体的に考えてみよう!

老後資金を考える第一歩は、「自分の理想の老後」を具体的に描くことです。

退職後は何歳から本格的に収入が減るのか、今の賃貸を続けるか持ち家に移るか、医療・介護費にどれくらい備えるか、そして趣味や旅行にどの程度かけたいか。これらをできるだけ具体的に想像することが重要です。

そのうえで毎月の生活費を試算し、将来受け取れる年金額と差し引きして「不足分」がいくらかを把握しましょう。

今回はharuchimmyさんが妹さんと暮らすことを前提に、夫婦世帯の調査データを参考にしました。

老後の「ゆとりある暮らし」には月37万9000円が必要?

公益財団法人 生命保険文化センターの調査では、夫婦2人での「最低限の生活」に必要な費用は月23万2000円、「ゆとりある暮らし」には月37万9000円とされています。仮にこの「ゆとりある暮らし」を基準にすると、年間で約455万円必要となり、老後期間を20年とするなら約9000万円の支出が見込まれます。

これを「資産だけ」で賄うのは現実的ではありません。そこで重要になるのが、公的年金収入や退職金、そして老後も続けられる働き方や資産運用です。haruchimmyさんの場合、現在の1500万円に加え、今後25年間で毎月5万円を積立し、利回り2~3%を想定すれば、65歳時点でおよそ3500万~3800万円の資産が見込めます。この資産を年金や退職金と組み合わせて使うことで、生活のベースを支えつつ「ゆとりのある老後」を実現できる可能性があります。

大切なのは、単純に「資産がいくら必要か」ではなく、「年金でどれくらいカバーできるか」「不足分をどのように補うか」をシミュレーションすることです。必要資産の目安は3000万~4000万円前後と考えつつ、年金見込み額の確認や老後の支出計画、資産運用の方針を整理していきましょう。その際、今の堅実な資産形成の習慣は、老後を落ち着いて迎えるための大きな助けとなるでしょう。

教えてくれたのは……
舟本 美子さん


会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。保護猫たちと暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

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