今回は、この「お金がない」という口グセが心に残す影響と、その乗り越え方について考えてみましょう。
子どもの頃の体験から、お金に対するイメージがネガティブなものとして固定されることも
子どもの頃、欲しいものをねだったとき「うちにはお金がない」と言われ続けた記憶は、大人になっても心に残るものです。本当に家計が苦しかった場合もあるのかもしれませんが、もしかしたら「子どものおねだりに対して、細かく説明するのが面倒だから」という理由で使われた“断り文句”だったのかも。しかし、子どもにとって親の言葉は絶対。「自分は欲しいと言ってはいけないんだ」
「どうせ無理だから諦めよう」
そう思い込む習慣が身につくと、大人になってからも「お金がない」が口グセとなり、自分のやりたいことを狭めてしまうこともあるでしょう。
子どもの頃に「お金がない」と繰り返し聞かされると、知らず知らずのうちに「お金」に対してネガティブな感情を抱きやすくなります。
例えば、
・「お金の話をしてはいけない」
・「お金を欲しがるのはわがまま」
・「お金は、自由に使えるものではない」
といった考え方が、心の奥に刷り込まれてしまうのです。その結果、「やりたいことがあってもどうせ無理だろう」と一歩を踏み出す前に諦めるクセがついてしまうこともあるでしょう。
筆者も子どもの頃、お年玉を自分の好きなことに使えなかった
私自身の体験で言えば、子どもの頃にお年玉をもらっても、「それは親同士のお返しだから、自分で好きに使うものではない。貯金しなさい」と言われていました。祖母からたまにもらうお小遣いについても「おばあちゃんが喜ぶものに使うのが一番、次は貯金。自分の好きなものやことに使うのはよくない」と教えられてきました。確かに大人になってから思えば、無駄遣いをしないようにとの配慮だったのかもしれません。けれど子ども心には「自分のお金なのに自由に使えない」「お金って不自由なものなんだ」と感じ、知らず知らずのうちにお金に対する心の壁を作っていました。
こうした経験が、「お金がない」という思い込み、お金に対するネガティブなイメージをつくり、大人になってからも挑戦や自己実現のブレーキとなってしまうケースは意外と多いのではないでしょうか。
お金との関係を「言葉」から変える
子どもの頃に刷り込まれた「お金がない」という思い込みなどは、大人になってからも無意識のブレーキになりがちです。けれど働いて給料を得ている今、そのお金は間違いなく自分の裁量で使えるものです。多くの場合「ない」のではなく「どう使うか」の問題にすぎません。大切なのは「お金=できない理由」ではなく、「お金=選択の手段」として捉え直すことです。
●お金に対するネガティブなイメージをなくすアプローチ法1:否定から入らない
「お金がないから買えない」ではなく「今は別のことを優先したい」と言い換える。否定から入らず、優先順位の問題に変えるだけで、気持ちが軽くなります。
●お金に対するネガティブなイメージをなくすアプローチ法2:数字で“できる”を見える化する
「必要なお金は5万円。毎月1万円積み立てれば5カ月で実現できる」と具体的に計算すれば、“無理”ではなく“実現可能な目標”に変わります。
●お金に対するネガティブなイメージをなくすアプローチ法3:支出を見直す
「お金がない」と思うと不安が膨らみますが、実際は“使い道の整理”ができていないだけの場合もあります。固定費・変動費を見直し、優先したいものに資金を回すと、「お金は限られているけれど、自分でコントロールできる」と感じられるようになります。
お金の言葉を変えると未来が変わる
「お金がない」という言葉を口グセにすると、無意識に自分の可能性を狭めてしまいます。大人になった今だからこそ、「お金がない」ではなく「お金をどう使えば実現できるか」と言い換えてみましょう。その小さな言い換えが、挑戦を後押しし、未来の選択肢を広げる第一歩になるはずです。