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「極めて危険です」車の専門家が教える「炎天下の車内に置いてはいけないもの」3つ

いよいよ夏本番。気温がより高まるこれからの時期に気になるのが「車内の温度上昇」です。炎天下の車内に置いてはいけないものについて、All About 中古車ガイドの籠島康弘さんにお聞きしました。※画像:PIXTA

All About 編集部

夏の炎天下では車内の温度は危険なほどに上昇…… ※画像:PIXTA

夏の炎天下では車内の温度は危険なほどに上昇…… ※画像:PIXTA

梅雨明けした地域も増えてきていよいよ夏本番、レジャーやお盆の帰省などで車での移動が増えるこれからの時期に気になるのが「車内の温度上昇」です。

JAFが行った調査では、炎天下の車内は50℃を超えることもあり、エアコンを止めてからわずか15分で熱中症指数(WBGT)は一番上の「危険レベル」に達したといいます。

たとえわずかな時間でも命に危険が及ぶ可能性があるとして、小さな子どもやペット、高齢者を残すことはしないよう注意喚起がされていますが、置いてはいけないものはあるのでしょうか。All About 中古車ガイドの籠島康弘さんにお聞きしました。

夏の車内に置いてはいけないものはありますか?

【今回の質問】
毎年、車内に置き去りにされた子どもが熱中症になるなどのニュースを目にするのですが、置いてはいけないものはあるのでしょうか?

特に炎天下の車内に置いてはいけないもの3つ

【回答】
籠島:車を屋外に駐車すると、特に夏場は車内の温度が危険なほど上昇します。人間やペットの安全を脅かすだけでなく、さまざまなものに深刻なダメージを与えます。そこで炎天下の車内に置いてはいけないものを特に3つ、その理由とともに解説します。

まず、スマートフォンをはじめとした電子機器です。

スマートフォンやタブレット、ノートパソコン、モバイルバッテリーといった電子機器には、リチウムイオンバッテリーが搭載されており、熱によって劣化が進み、バッテリーの寿命を縮めます。最悪の場合、バッテリーが膨張し、発火や爆発を引き起こす危険性もあります。

また電子機器ではありませんが、電子タバコや携帯用扇風機もリチウムイオン電池を搭載しているので、置き忘れに注意してください。

さらに、スマートフォンやタブレット類の液晶画面や回路基板は熱に弱いため、変色や故障の原因になります。

次に、医薬品や化粧品です。

医薬品は高温によって成分が変質し、薬効が失われたり、場合によっては有害な物質に変化する可能性があります。日焼け止めや保湿クリーム、リップクリームなど化粧品も同様です。

注意が必要なのが、スプレー缶に入ったヘアスプレーや制汗スプレーなどです。高温によってスプレー缶の内部の圧力が急激に上昇し、破裂すれば、火災や人身事故につながるため、極めて危険です。

高温の車内は、食べものや飲みものにとっても危険な環境です。

特に注意が必要なのが、炭酸飲料です。高温によって炭酸ガスが膨張し、ペットボトルや缶が破裂するリスクがあります。また、ポテトチップスやスナック菓子なども、袋が膨張し、開封時に中身が飛び散ることがあります。

また、生ものや乳製品は、車内の高温で急速に腐敗が進み、食中毒を引き起こしかねません。

対策としては、サンシェードなどで直射日光を防いだり、日陰に駐車したり、保冷バックやクーラーボックスを活用する方法もあります。

しかしこれらの対策方法は決して万全ではないので、「熱に弱い」「高圧ガスを含む」「腐敗する可能性がある」のうち1つでも当てはまるものは、車内に放置しないようにしましょう。

【籠島康弘プロフィール】
ライター/エディター。リクルートの中古車情報誌『カーセンサー』編集部を経てフリーの編集&ライターに。『カーセンサー』『カーセンサーエッジ』のほか一般紙・Webでも執筆中。All About 中古車ガイド

<参考>
JAF「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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