『FP1級取得! サバンナ八木流 お金のガチを教えます』(サバンナ八木真澄、ほんださん/本多い遼太朗著)では、「ブラジルの人聞こえますか~!」のギャグでおなじみ、FP1級(ファイナンシャル・プランニング技能検定1級)にも合格したサバンナ八木真澄さんが、登録者数25万人超のYouTube「ほんださん/東大式FPチャンネル」のほんださんと、忖度なしのガチ金融知識を紹介しています。
今回は本書から一部抜粋し、貴金属投資のリアルと、初心者が陥りがちな罠について解説します。
「金(ゴールド)」より価値が高い金属とは
クレジットカードは、ゴールドよりプラチナのほうがランクが上ですよね? そうなんです。プラチナは金より希少価値が高いとされています。これまで世界で採掘された金の量は、競技用プール4つ分ぐらいとされています。それに対して、プラチナはプールの膝下程度の水位分だけ。プール1つ分にすら足りません。プラチナのほうが価値は高いはずなのに、取引価格は金のほうが上と、逆転現象が起きています。価格が比較的安い今がプラチナの買い時なんですよ。
※金価格:1万4502円/1g(インゴット ※現在1万7077円)、プラチナ価格:5194円/1g(インゴット ※現在6969円)(2024年11月25日時点、ゴールドプラザHPより)
ただ、プラチナはロシアが主要な採掘国のため、世界情勢が不安定になると値動きも激しくなるという注意点があります。
金の投資先としての特徴は、ドルベースで値段がつけられている点です。金の量が一定なら、ドルの価値が高くなれば金価格も高くなり、ドルが安くなれば金も安くなります。
あと、金やプラチナは利回りや配当がないため、値上がり以外で資産は増えていきません。だから、金融資産の5~10%くらいにとどめておくのがちょうどいいと思います。理想はプラチナ4:金4:パラジウム2の比率。パラジウムはレアメタルの一種で、プラチナに似ていると覚えておけばOKです。
金の売買の必勝法とは
ここでみなさんに、金の売買の必勝法を教えましょう。消費税が増税される前に大量に金を購入し、増税されたあとに売ると消費税分が利益になります。金の値段を一定とすると、消費税が10%の時に100万円で買うと支払いは110万円になります。今後、もしも消費税が15%になることがあれば、売値は115万円になるので、5万円分の利益を得られるわけです。ただね、金自体の値段が暴落して税金の利ざやがパーになるかもしれない点には注意が必要です。また、貴金属は5年未満で売却すると、短期譲渡所得になるので利益に39%の税金が課税されます。所有期間が5年を超えて長期譲渡所得になったら、税率が20%になるので、5年保有してから売るのが勝ちパターンです。
ほんだ先生の補足メモ
ほんださん:金属に投資するメリットは「さまざまな商品に分散投資している」という安心感にあります。ぶっちゃけ、一般的な日本人の金融資産の額では、数%だけを貴金属に投資したところで、あまり結果は変わりません。しかし、現物で持つことによって、「本物の金が我が家にはある」という実感につながり、資産運用への意識向上に有効かもしれません。興味があるのであれば、まずは金ETFなどの金融商品や、小さいグラムの金に投資してみてもいいと思います。
八木さんの必勝法について、金の売り買いの価格にはスプレッド(売買手数料みたいなもの)があるため、消費税の増税程度のパーセンテージでは、スプレッドを超えることは難しいケースもあります。
消費税増税のタイミングで儲けるには、我々一般人では不可能なレベルでの投資額が必要な点にはご注意を。
サバンナ 八木真澄(やぎ ますみ)プロフィール
1974年生まれ。京都府出身。立命館大学産業社会学部卒業。94年に学生時代の後輩・高橋茂雄とお笑いコンビ・サバンナを結成。「ブラジルの人聞こえますか~!」など1000個以上のギャグを持ち、柔道2段・極真カラテ初段の筋肉芸人としても活躍中。2024年に1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得した。
ほんださん/本多遼太朗(ほんだ りょうたろう)プロフィール
1994年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。株式会社スクエアワークス代表取締役。「本質を理解する楽しい学習」をモットーに、YouTubeチャンネル『ほんださん/東大式FPチャンネル』を開設し、チャンネル登録者数は業界トップの25万人超。また、自身が運営するオンライン学習スクール「FPキャンプ」では、1万人以上のFP受験生を合格に導く。