『FP1級取得! サバンナ八木流 お金のガチを教えます』(サバンナ 八木真澄、ほんださん/本多遼太朗著)では、「ブラジルの人聞こえますか~!」のギャグでおなじみ、FP1級(ファイナンシャル・プランニング技能検定1級)にも合格したサバンナ八木真澄さんが、登録者数25万人超のYouTube「ほんださん/東大式FPチャンネル」のほんださんと忖度なしのガチ金融知識を伝えています。
本書から一部抜粋し、「アメリカ株最強」という思い込みに潜むリスクと、未来を見据えた投資の考え方について紹介します。
アメリカ経済だけが上がり続けるとは限らない
「アメリカ経済は今後も上がり続ける」といわれ、投資先としても人気ですが、実際にそうなるかは疑問です。アメリカが世界のトップに君臨してから、実は100年も経っていません。その前はイギリスが覇権を握っていました。日本がトップだった時代だってあるんですよ。
1989年の日本のバブル絶頂期、世界で一番時価総額の高い企業は日本のNTTでした。当時は上位20位のうち、実に14社が日本企業だったのです。世界のトップ企業20位に、多くの日本企業がランクインしていたなんて、めっちゃすごくないですか? しかし、それも昔のこと。
「山手線の内側だけで、アメリカ全土を買うことができる」といわれた時代から、ものの20年で日本企業はランキングから消え、代わりに欧米の企業が上位を占めています。
世界は短期間で大きく変わるものなんです。
世界の流れを見極めよ
僕は近い将来、中国がもっと力をつけていくんじゃないかと考えています。なんでかっていうと、中国は中国共産党による一党独裁制で政策実行の動きがめっちゃ早い。例えば日本で自動車の自動運転をスタートするには、事故が起きたときの責任の所在やルールを考慮して、法整備に向けた議論を重ねないとダメです。
さらに、法律の改正やらなんやらで、手続きに非常に長い時間がかかります。
その点、中国は共産党の鶴の一声でどんどん進めていけます。このスピード感の違いを考えると、民主国家である日本やアメリカが中国に勝てるかは正直わからないところです。
今後、中国、インド、ロシアなどが力をつけて、世界最大のユーラシア大陸という地の利を生かして、台頭してくるかもしれません。
世界の流れが変わったときに、しっかり状況を見極めてチャンスをつかめるかどうかが、資産家への分かれ道です。
第二次世界大戦後の1945年から1947年にかけて、インフレによりお金の価値が低くなって、日本国内の希望小売価格としてゴールドの値段が大きく変わりました。
その間にゴールド(金)の価値に目をつけ、行動に移していた人は、今では「戦後の大富豪」と呼ばれています。
ほんだ先生の補足メモ
ほんださん:中国やインドは成長が著しいですが、投資対象としての魅力には懐疑的な意見を多く耳にします。その理由は、成熟していない国家体制ならではのカントリーリスクにあります。今後、これらの新興国がどうなるか予測するのは難しいですが、一番大事なことは、私たちは株で大儲けする必要はないということです。
一発逆転の大儲けを株で狙う人は、中国やインドなどの市場について深く知る必要があるかもしれませんが、そうでない人は、一般的な株式や債券などによるリターンが得られれば十分です。
そう考えると、中国やインドの経済や市場を軽く知っておくことは大事ですが、無理に新興市場や仮想通貨などの不安定な商品に手を出す必要はないでしょう。
それでも新興国の動きが気になる人は、オルカンなどの全世界型投資信託を購入するのがおすすめです。オルカンの中でアメリカの比率が非常に高いのは、現代社会がアメリカ中心の市場になっているからであり、もし中国やインドが伸びてきたら、それらの国々の企業の比率も高くなっていきます。
全世界型投資信託を購入しておけば、新興国の成長に対するリスクヘッジも十分にできるわけです。 サバンナ 八木真澄(やぎ ますみ)プロフィール
1974年生まれ。京都府出身。立命館大学産業社会学部卒業。94年に学生時代の後輩・高橋茂雄とお笑いコンビ・サバンナを結成。「ブラジルの人聞こえますか~!」など1000個以上のギャグを持ち、柔道2段・極真カラテ初段の筋肉芸人としても活躍中。2024年に1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得した。
ほんださん / 本多遼太朗(ほんだ りょうたろう)プロフィール
1994年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。株式会社スクエアワークス代表取締役。「本質を理解する楽しい学習」をモットーに、YouTubeチャンネル『ほんださん/東大式FPチャンネル』を開設し、チャンネル登録者数は業界トップの25万人超。また、自身が運営するオンライン学習スクール「FPキャンプ」では、1万人以上のFP受験生を合格に導く。