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現行の10円玉が「6万7000円」に大化け、一体なぜ!? 発行枚数の多い“ギザ十”が高値になった特別な理由

2025年6月8日に終了した、第123回入札誌「銀座」から、10円玉の落札結果を取り上げます。現行の10円玉が、エラーはありませんが6万7000円に大化け。一体、どのような10円玉なのでしょうか? ポイントは、“ギザ十”。かつ完全未使用にあります。※画像:PIXTA(画像はイメージ)

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

現行の10円玉の価値が6700倍に大化け。価値のある10円玉のポイントとは? ※画像:PIXTA(画像はイメージ)

現行の10円玉の価値が6700倍に大化け。価値のある10円玉のポイントとは? ※画像:PIXTA(画像はイメージ)

2025年6月8日に終了した、インターネットオークションの第123回入札誌「銀座」では、10円玉がまさかの6万7570円(手数料込み)で落札されました。昭和28年(1953年)発行の10円玉であり、額面の6700倍もの価値となりました。一体なぜでしょうか?

探せばいくらでも見つかる?

現行の10円玉でエラーなし、未使用品であれば高値になる。こんなことを聞くと、「探せばいくらでもあるんじゃないの?」と思われるかもしれません。確かに、最近発行されている10円玉であれば未使用品はいくらでも探せばあることでしょう。しかしながら、同じ10円玉でもかなり前に発行された10円玉の「未使用・完全未使用」レベルの10円玉の希少性が増しており、今回のオークションのように高値となるケースが今後出てくることでしょう。

皆さんは、今使われている10円玉はいつから発行されているかご存じでしょうか。実は現行の10円玉は、昭和26年(1951年)から発行されています。実に70年以上の歳月が経過しています。となると、古い10円玉ほど未使用や完全未使用で残っているケースは少ないため、高値となるのです。

完全未使用かつRD評価が高値のポイント

6万7570円で落札された実際の10円玉(裏面) ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:439 10円青銅貨 昭和28年 PCGS(MS66RD)/UNC

6万7570円で落札された実際の10円玉(裏面) ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:439 10円青銅貨 昭和28年 PCGS(MS66RD)/UNC

今回落札された10円玉は色鮮やかできれいな10円玉です。昭和28年の10円玉は、俗に言う“ギザ十”と呼ばれる10円玉です。とはいえ、発行枚数は4億6630万枚あるため、昭和28年の10円玉は探せば見つかることでしょう。しかしながら、今回落札されたもののように色鮮やかな昭和28年の10円玉は、普通には見つけられないことでしょう。自営業で昔の銀行ロールが自宅にあるといった人は見つかる可能性はあるかもしれません。

PCGS(Professional Coin Grading Service:世界でも評判の高いアメリカの第三者格付け鑑定会社)というコインの鑑定機関のスラブ(鑑定されたコインを収める保護用の硬いプラスチックケース)に入っており、評価は「66RD」となっています。
今回落札された10円玉はPCGSにて「66RD」という非常に高い鑑定評価を受けています ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:439 10円青銅貨 昭和28年 PCGS(MS66RD)/UNC

今回落札された10円玉はPCGSにて「66RD」という非常に高い鑑定評価を受けています ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:439 10円青銅貨 昭和28年 PCGS(MS66RD)/UNC

これは70段階中の66という評価は完全未使用、RDとは95%以上が元の赤色を保っているという評価です。PCGSの鑑定で66RDは昭和28年の10円玉の中で最高鑑定評価となっており、2025年6月30日時点で23枚が同評価となっています。逆に言えば、“4億6630万枚の中に23枚しかない”という言い方もできます。それぐらい古い10円玉の完全未使用かつRD評価が付くものは残っていないとも言えるかもしれません。

時が経過すればするほど、価値は高まっていく

6万7570円で落札された実際の10円玉(表面) ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:439 10円青銅貨 昭和28年 PCGS(MS66RD)/UNC

6万7570円で落札された実際の10円玉(表面) ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:439 10円青銅貨 昭和28年 PCGS(MS66RD)/UNC

今回の現行の10円玉は、70年以上前のものでした。今後想定されるのが、コインは経年劣化がどうしても進んでいくため、高い鑑定評価を得たいと思うなら早めに鑑定に出しておくことです。もし銀行ロールが見つかり、明らかにきれいな古い10円玉が入っていると分かる場合は、鑑定に出すことをおすすめします。そして価値を保ちましょう。

なお、きれいだからといって高評価が付くとも限りません。鑑定料金もかかります。そのため、よくよく吟味して鑑定は出したいですね。なお、PCGSの鑑定は一部のコイン商で取り扱いを行っています。

<参考>
第123回入札誌「銀座」 Lot番号:439 10円青銅貨 昭和28年 PCGS(MS66RD)/UNC

>次ページ:6万7570円で落札された実際の10円玉を見る
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