忙しい毎日のなかで、支出をいちいち把握するのは大変。家計管理は面倒だし、ズボラな自分には無理かも……と諦めてしまう人もいるかもしれません。
“口座を使い分ける”というちょっとした工夫だけで、お金の流れがグッと分かりやすくなり、自然と貯金ができるようになることもあります。
今回は、ズボラな方でもすぐに始められる、シンプルだけど効果的な「口座の使い分け術」をご紹介します。
口座の使い分けでお金が貯まるのはどうして?
口座を使い分けすることで貯金がしやすくなる理由は以下の3つです。●口座を使い分けする理由1:余分な引き出しを防げる
給与を受け取る口座1つだけでやりくりしていると、生活費も急な出費もそこから支払うことになり、つい使い過ぎてしまうことがあります。
そんな場合、例えば、生活費用・貯金用・急な出費用と分けておけば、「貯金に手を付けない」仕組みが自然と出来上がります。お金の流れが整理され、計画的に貯めやすくなります。
●口座を使い分けする理由2:使い道の見える化でムダ遣い防止
口座を使い分けることで、「毎月、何にどれくらいのお金が必要か」を自然と把握しやすくなります。
例えば、生活費用・貯金用・急な出費用といったように、ざっくりと目的別に分けておくだけでも、月ごとの支出の目安や、年間を通じたお金の流れが見えやすくなります。
その結果、「そろそろ税金の支払いがあるな」「自動車保険の更新が近いな」など、先回りして気付けるようになります。支出の予測が立てやすくなれば、ムダ遣いの防止にもつながります。
お金の動きがクリアになることで、家計全体をコントロールしやすくなり、節約や管理のモチベーションも自然と高まっていくでしょう。
●口座を使い分けする理由3:お金に「役割」を持たせると、貯めグセがつく
使い道ごとにお金を振り分けておくことで、「このお金はすぐには使わないもの」という意識が自然と身に付きます。
例えば、毎月2万円を「老後資金」、1万円を「旅行資金」など目的別に振り分けておけば、手間なく積立が続けられ、将来への備えにもつながります。最近では、多くの銀行アプリで自動振替が設定できるようになっており、手軽に習慣化しやすいのもメリットです(対応可否は金融機関によって異なります)。
「なんとなく貯金する」よりも、「これは○○のためのお金」と“ラベル”を付けておくことで、使わずにおこうという意識が自然と働くようになります。お金に役割を持たせることで、無意識の浪費が減り、自然と“貯めグセ”がついていきます。未来のためにお金を育てている実感が、日々の行動を変えてくれるはずです。
銀行口座は2~3つに分けて管理を
前述のとおり、口座を使い分けることで支出のコントロールがしやすくなり、自然と貯金の仕組みが整っていきます。でも、実際に「何口座あればいいの?」と迷う方もいるでしょう。その際は、以下のように3つの口座に分けて管理するとよいでしょう。
・生活費用口座:食費や光熱費など、日常の支払い用
・貯金用口座:将来のために手を付けずに貯めておく
・急な出費用口座:医療費や家電の買い替えなど、突発的な支出に備える
さらに、貯金用口座は、目安として目的ごとに2~3つに分けるのがおすすめです。そうすることで、目標が明確になり、自然と“貯まる習慣”がついていきます。
例えば、
・子育て世帯の方:「教育資金用」「老後資金用」「家族レジャー用」
・独身の方:「老後資金用」「旅行・趣味用」「結婚・転居資金用」
こうして“お金にラベルを貼る”ことで、ムダ遣いの防止につながるだけでなく、「未来のために備えている」という納得感も得られます。ただし、口座が多過ぎると管理が大変になるので注意が必要です。貯金用の口座は多くても3つまでに絞ると、無理なく管理しやすくなります。
今まで口座を分けたことがない方は、まずは生活費用・貯金用・急な出費用の3つに分けるところからスタートしてみましょう。慣れてきたら、自分のライフスタイルや目標に合わせて、少しずつ目的別の貯金口座を増やしていくと、より無理なくお金を管理できるようになるでしょう。