罪悪感のある買い物とは?
「セールだからと飛びついたけれど、結局着ていない服」「SNSや雑誌で話題だったから買ったけど、全然使っていないコスメ」「気分転換にと買った雑貨が、部屋の片隅に放置されている」こんな買い物のあと、ふと「なんで買ったんだろう……」と感じたことはありませんか? これが、いわゆる“罪悪感のある買い物”です。
手に入れた瞬間は満足しても、その満足感が長続きしないのは、多くの場合、「本当にほしいから」ではなく、「なんとなく」「周りが持っているから」「今の自分にご褒美を」など、“ふわっとした動機”で買ってしまっているからかもしれません。
心から納得していない買い物は、結果的に後悔につながりやすく、それが積み重なることで、「またムダ遣いをしてしまった……」という罪悪感になっていくのです。
お金の「使っていい上限」を決めておくと迷わない
「これは買っていい? それとも我慢すべき?」そんなふうに毎回迷っていると、だんだん疲れてしまいますよね。そんな時は、あらかじめ“自分なりの使っていい上限”を決めておくと、判断がぐっとスムーズになります。
例えば、こんなふうに上限を設定してみてはいかがでしょうか。
・1カ月の「趣味・自分へのごほうび費」は5000円まで
好きなカフェ、ちょっとした雑貨、映画などもこの枠内で楽しむ
・「服」は1アイテム5000円以内、シーズンごとに3着まで
着回しやすさ、使用頻度を重視して選ぶ
・「推し活費」は毎月7000円まで
グッズ・配信課金・イベント参加などをここで調整
・「外食」は月2回まで、1回2000円以内
誰かとの食事や気分転換のための出費に限定
・「コスメ・美容費」は月1万円まで
無理なく楽しめる上限を決めておく
このように、自分の価値観に沿って上限を設定しておくことで、「使っていいかどうか」で迷うことが減り、「これは自分にとって必要な出費だ」と納得しながら、気持ちよくお金を使えるようになります。
ポイントは、「節約」することよりも、「納得して使えるかどうか」を意識すること。そうすることで、ムダ遣いへの罪悪感とも、自然に距離を置けるようになります。
自分にとって「価値あるもの」を見極める
どんなに慎重に選んでも、買ったあとに「やっぱりいらなかったかも……」と感じることはあるものです。だからこそ、買い物は“終わったあと”の振り返りが大切です。例えば、こんな視点で見直してみましょう。
- 実際に使ってみてどうだったか?
- 期待していた効果はあったか?
- 金額に見合う満足感は得られたか?
おすすめなのは、手帳やスマホのメモアプリなどに簡単な記録を残しておくこと。
「○月○日:ワイヤレスイヤホン/通勤が快適になった!」
「△月△日:新作リップ/1回使って満足したけど、出番は少なめ……」
このように記録を積み重ねていくと、「このジャンルは満足度が高い」「これは意外と使っていないかも」など、自分の価値観に合う傾向や相性のよいアイテムが分かってきます。
「後悔しない買い物」を目指すことは「心が満たされる買い物」につながる第一歩
「後悔しない買い物」を目指すことは、ムダを減らすだけでなく、心から納得して使えるお金の使い方につながります。それはまさに、「心が満たされる買い物」への第一歩でもあります。「これは私にとって本当に必要だった」「使うたびに気持ちが上がる」……そんな感覚を得られる買い物こそが、日々の満足感や自己肯定感を高めてくれるのです。
振り返りを習慣にすれば、「失敗かも」と思った買い物も、次へのヒントになります。買って終わりにせず、“後悔しない買い物”を育てていきましょう。