仕事・給与

給与が高い仕事って何?業界・職種別「平均給与」ランキング!

どんな仕事なら平均年収が高いのか。国税庁と厚生労働省が発表したデータをもとに、業種別・職種別・男女別の平均年収ランキングをまとめてみました。就職・転職活動や資格取得などにぜひご活用ください。

All About 編集部

勤務先の給料は平均並みなのか、転職するならどんな仕事がいいのか……。働いていてもいなくても、業界や職種によって平均年収にどんな開きがあるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。

そこでどんな仕事なら給料が高いのか、国税庁と厚生労働省が発表した最新データをもとに、平均年収をランキング形式でまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

全業種の平均年収は460万円!

最初に、国税庁が発表した「令和5年分民間給与実態統計調査(令和6年9月発表)」より、業種別の平均年収を見ていきましょう。

なお、令和5年度の全業種における平均給与は460万円で、男女別では男性が569万円、女性が316万円でした。
令和5年の平均給与額と「給与所得者の給与階級別分布」の一覧表

上段:令和5年の平均給与額/下段:給与所得者の給与階級別分布(令和5年)※国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」をもとにAll About編集部作成

また、もっとも人数が多かった給与額の層は、男性では【400万円超500万円以下】、女性では【100万円超200万円以下】となっています。

それでは「給与が高い業種ランキング」をご覧ください。

給与が高い業種ランキング!

業種(業界別)平均年収額ランキング(男女計)の図版

業種(業界別)平均年収額ランキング(男女計)※国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」をもとにAll About編集部作成

トップに輝いたのは、昨年に続いて「電気・ガス・熱供給・水道業」でした。平均年収が約775万円と、この業界だけが700万円台を突破しています。インフラを支える業種のため、安定した需要が高収入につながっているのでしょう。

続いて、2位は「金融業、保険業」の652万円、3位は「情報通信業」の649万円でした。ここまでが平均年収600万円超えです。

一方、14業種中もっとも平均年収が低かったのが「宿泊業、飲食サービス業」の264万円でした。ホテル、旅館、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業に携わっている方が、ここに含まれます。

次に男女別のランキングを見ていきましょう。

男性のトップは「金融業、保険業」

業種(業界別)平均年収額ランキング(男)の図版

業種(業界別)平均年収額ランキング(男)※国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」をもとにAll About編集部作成

男性部門の1位は、「金融業、保険業」の837万円でした。男性に限ると、2位の「電気・ガス・熱供給・水道業」までが800万円台を突破しています。

3位は「情報通信業」の720万円で、電話やテレビ、インターネットなどを通して情報の通信を行う会社がここに含まれます。

一方、平均年収がもっとも低かったのは「宿泊業、飲食サービス業」の359万円でした。

女性は「電気・ガス・熱供給・水道業」がトップ

業種(業界別)平均年収額ランキング(女)の図版

業種(業界別)平均年収額ランキング(女)※国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」をもとにAll About編集部作成

女性部門の1位に輝いたのは、「電気・ガス・熱供給・水道業」の559万円。14業種の中で、唯一の500万円台です。

ランキングから男女の給与格差が大きいことが分かりますが、1つにはパート・アルバイト契約で働く女性が多いことが影響しているものと思われます(労働力調査 2024年平均結果によると、2024年の非正規の職員・従業員は、男性は682万人、女性は1444万人でした)。

もう1つは、働く男女の平均年齢は47歳と同じなのですが、男性は年齢が高くなるにつれ給与も上がるのに対して、女性は年齢による差がほとんど見られない点です。いずれの業種においても、女性の「昇給・昇格」が進んでいない現状が推測できます(内閣府男女共同参画局の「上場企業の女性役員数の推移」によると、上場企業の役員に占める女性の割合は、2022年7月末時点で9.1%にとどまっています)。

それでは、職種(個人が担う仕事の種類)による平均年収の違いも見ていきましょう。

給与が高い職種ランキング!

職種別平均年収額ランキング(男女計)の画像

職種別平均年収額ランキング(男女計)※厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとにAll About編集部作成

厚生労働省が発表した「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、男女合わせた上でのトップは「パイロット」の1697万円でした。

パイロットには副操縦士や見習い操縦士なども含まれますが、高い専門知識や操縦技術が求められるだけでなく、多くの命を預かる責任なども伴い、職務遂行のためには健康維持なども必要です。そのため、高収入につながっているものと思われます。

パイロットに続くのが、2位の「医師」1338万円、3位の「歯科医師」1136万円と、やはり専門性の高さや命への責任を求められる医師となっています。

ここでは15位までの紹介にとどめていますが、ランキング全体を見渡しても、免許や資格を必要とするなど、専門的な知識や技術が高収入に結びついていることが分かります。

男女別ではどうでしょうか。

男性5位に「公認会計士、税理士」

職種別平均年収額ランキング(男)の画像

職種別平均年収額ランキング(男)※厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとにAll About編集部作成

男性の業種別ランキングでは上位2位までが800万円台だったのに対して、職種別では上位5位までが1000万円を超えています。しかもトップ10に入るには、800万円超えが必要です。

男性においても、高収入を目指すなら「業種」よりも「職種」に重点を置いて、専門的知識や技術を身に付けたほうが有効であると言えるでしょう。

女性は14位に「航空機客室乗務員」

職種別平均年収額ランキング(女)の画像

職種別平均年収額ランキング(女)※厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとにAll About編集部作成

男女における年収格差は見られますが、女性のランキングでも男性と同じような仕事が上位に入ってきています。

男性との相違点は「公認会計士、税理士」や「保険営業職」といった仕事がランクアップしていない代わりに、「高等学校教員」や「航空機客室乗務員」が顔をのぞかせている点でしょうか。

ただ、業種別では女性のトップが「電気・ガス・熱供給・水道業」の559万円だったのに対して、職種別では15位の「研究者」が590万円と、専門的知識・技術が女性の収入を押し上げていることがよく分かります。

※職種別平均年収ランキングは令和6年賃金構造基本統計調査「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」のうち企業規模計(10人以上)のデータを使用。平均給与額は次の算式による。【平均給与額=「きまって支給する現金給与額」×12カ月+年間賞与その他特別給与額】

まとめ

以上のランキングから、業種や職種によって、あるいは男性か女性かによって、平均年収に大きな開きがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

その一方で、長期にわたって働くには「やりがい」や「好きなこと」といった側面も大切でしょう。最近は「休日」や「福利厚生」の充実を優先する方も増えてきました。

仕事選びやスキルアップする上で、平均年収ランキングも参考にしていただければ幸いです。
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