そんな時こそ、問いかけてほしいシンプルな「3つの質問」があります。この質問にじっくり向き合うことで、自分の中に眠っている「本当の気持ち」に気付くはず。離婚か修復かを決めるのは、その後からで十分間に合います。
<目次>
質問1.「ひとりで生活できる? 経済的な見通しはある?」
離婚後の生活を想像する時、最初に立ちはだかる壁は「お金」の問題です。夫婦問題で悩んでいる間は「お金」より「気持ち」を優先しがちですが、離婚後の穏やかな暮らしは安定した経済力なくしては語れません。お金に困ることになると、体と心の健康まで奪われかねないからです。離婚を考えるなら、慰謝料や養育費に期待する前に、まずは自分にこう問いかけてみてください。「ひとりで家賃や光熱費を払うことができる? もしも病気になった時、生活を続けていかれる?」。これは、自分の足で生きていく準備があるかどうかを見極める質問です。
離婚は新しい人生のスタートでもあります。スタート地点からつまずかないためにも、現実的な生活設計ができるかどうかを冷静に判断しましょう。
質問2.「家族は離婚を悲しまないか?」
夫婦の間に起きる問題は当人同士のことですが、離婚となると自分たちだけの問題ではありません。特に子どもがいる場合、離婚は子どもの人生にも深くかかわるものです。家族というつながりの中で起こることは、必ず波紋のように広がっていくものだからです。「ウチの子はもう大きいから大丈夫」「夫婦のこともきちんと理解できている」などと思っていても、親が子どもの心の声まで見えているとは限りません。
大切なのは、子どもや親兄弟が「悲しむかどうか」ではなく、「たとえ悲しませることになったとしても、それ以上に得られる幸せがあるのだから」と覚悟を持って受け止められるかどうか。子どもや親兄弟のために我慢して修復の道を選ぶのか、子どもや親兄弟にもしっかり納得してもらって離婚の道を選ぶのか。まずは自分の本音を確かめた上で判断しましょう。
質問3.「自分の気持ちがまだ相手に残っていないか?」
怒りや悲しみ、諦めといったさまざまな感情が存在するのが夫婦関係です。そこに、まだほんの少しでも相手への気持ちが残っているとしたら、それは離婚ではなく修復の可能性を秘めているサインです。夫婦問題の相談者に対し、いつも筆者がお伝えしているのは、「ここで相手のことや離婚のことを泣いて話すようなら、離婚はおすすめしませんよ」ということです。「悔しい」「腹立たしい」というようなネガティブな感情であっても、考えると涙が出るくらいなら、それは「愛」や「情」が残っている証拠。本当に気持ちが冷めているなら涙も出てこなくなるものです。
「もう無理」と考えていても、ふとした時に相手の無事を祈ってしまうことがあるのなら、自分のなかに「やり直したい」という思いがあるのかもしれません。すぐに結論を出す必要はないので、心の整理がつくまで繰り返し、自分自身の本音に耳を澄ませましょう。