防災/防災関連情報

火事対策の基本

火事の発生件数はなんと1年間で5万件もあることをご存知でしょうか。一番の原因は放火ですが、火災は人災ですから自分の心がけしだいで防ぐことも可能です。それではどんな方法で防ぐことが可能なのかお教えしましょう。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

火事の原因

火事の原因で一番多いのは「放火」、続いて台所の「コンロ」

火事の原因で一番多いのは「放火」、次に台所の「コンロ」

毎日どこかで必ず発生している火災被害。ある意味日常的なだけに誰もが被害に遭う可能性の高い災害です。その火災は日本国内ではどのくらいの数が発生しているのでしょうか。総務省・消防庁の発表によると、2008年の総出火件数は5万2394件あり、前年度に比べると1195件の減少でした。ただし死者数についてはこの10年増加傾向にあり、死者数に対しての高齢者の割合が全体に増えている傾向があります。

その火災の原因の中で、常に圧倒的な割合を占めるのは「放火」。「放火の疑い」を加えると実に20%を超える割合になり、不明の場合の何%か放火が含まれている可能性もあります。続いての原因が台所のコンロによるもの。その後がたばこによる失火、焚き火、火遊び、ストーブからの失火などが続きます。

台所のコンロによる火災は、火の消し忘れなどによるものが考えられ、天ぷら油などを使用したときの自然発火などが原因の中心になるようです。また相変わらず多いのがたばこによる失火ですが、その多くが就寝時などにたばこを吸ったあとに引火しているケースなどが多いようです。

コンロの火事を防ぐ方法

天ぷら油からの火災は一気に燃え上がるケースが多く、気づいた時にはもう手遅れになってしまっている場合があります。台所で火を使っている場合はどんなことがあっても決してその場を離れないこと。天ぷら油用の消火器を必ず火の側に用意していることが重要です。
 

たばこ・焚き火などの火事を防ぐ方法

たばこは就寝時には吸わないこと、もしも吸う場合は確実に消火を確かめること、出来れば寝室などでたばこを吸う習慣を止めることをおすすめします。焚き火をする場合は、常に十分な水をバケツなどに用意しておいて、確実な消火が出来たかどうかを確かめてください。他にも、たまにコンセントから出火することもあるため、定期的に抜き差しをして、ホコリなどがたまっていないか確かめておきましょう。冷蔵庫の裏やタンスの裏など、目の届きにくい場所を忘れずに。


放火を防ぐ方法

また、火災の原因のナンバーワンである放火による火災ですが、これは防ぎきれないと思われがちですが、実は放火されにくい地域にすることは可能なのです。放火は人の目が届きにくい場所、管理されていないと思われる場所で必ず発生します。粗大ごみが前日より出ていたり、街灯が少なく暗い街角で放火は発生します。地域の安全を守るためにルールを守り、地元の住民が協力して、きれいで明るい街にすることによって放火犯罪は減らすことが可能なのです。


逃げ遅れて煙や火に巻き込まれたら

もしも火災の発見が遅れ、煙や火に巻き込まれそうになったら、火元の方向を確認して出来るだけ遠い方向へと退避するのが基本です。そのためにも自宅でも会社でも複数の避難路を事前に把握しておくことが重要なのです。煙の中を通らなくてはならないときは姿勢を低くしてと言われますが、場合によってはビニール袋などで数分の呼吸を確保して、急いで煙の中を走りぬけるほうがよいことも頭に入れておきましょう。ゴミ袋などがあれば安全な場所へ逃げるまでの酸素を確保できる可能性が高いでしょう。手元にそのようなものが無ければ濡らしたタオルなどで口をふさいで煙をそのまま吸い込まないようにして避難してください。

また避難するタイミングですが、この判断が遅れると非常に危険です。自宅で消化活動をしていた場合、もしも天井に火が広がってしまったら消火器での消火はもはや不可能に近いと思ってください。お金や財産は取り戻すことが出来ますが、命は取り返しがつきません。とにかく避難を優先して、火災の発生した室内に戻るようなことをしないようにしてください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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