資産運用

投資で人生が激変!勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身し「配当などで生活費を賄えるように」

投資をきっかけに、勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身した関西在住の医師・Kさん(35歳)。具体的に資産をどうやって増やしてきたのかについて伺いました。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

【投資体験者インタビュー】勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身

投資イメージ

勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身した関西在住の医師・Kさん。具体的に資産をどうやって増やしてきたのかについて伺いました ※画像:PIXTA

医師をはじめ、多忙な生活を送るビジネスパーソンにとっては仕事が第一で、お金の管理は二の次、三の次になりがちです。しかし、資産をどのように管理し、増やしていくかによって、その後の人生が大きく変わることもあります。そこで、実際に5年前から投資を始めて資産を倍増させたことをきっかけに、勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身した関西在住の医師・Kさん(35歳)にインタビュー。

第2回では、具体的に資産をどうやって増やしてきたのかについて伺いました。

日本の年金資金運用を参考に資産を配分

 
Kさんのアイコン

Kさん

Kさんは2020年5月から投資を始めました。最初は米国株S&P500種指数連動型の投資信託から始め、翌月からは米国株、日本株の個別株投資にも挑戦しました。 「当初は株式や投資信託が値上がりしたり、値下がりしたりするとすぐに売っていましたが、短期投資は性に合わず、期待リターンも少ないと感じ、2020年後半からは長期投資に専念しています」

投資を始めた後にいろいろ勉強した結果、運用方針としては年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をお手本に「アセットアロケーション運用」を目指しました。アセットアロケーションとは資産配分のことで、資産運用の際に異なる値動きの投資先に分散投資をする割合をあらかじめ設定する手法をいいます。

「具体的には、株式50~60%(うち30%が日本の個別株)、現金と米国債券20~40%、J-REIT5~20%という割合で配分しています。それぞれ値動きが異なる投資先に振り分けることで、投資におけるリスクを分散できます。ただ、価格が変動すると必然的に比率も変化していくので、タイミングを見て当初の比率に近づくように配分を見直す『リバランス』を行っています」

2024年8月の暴落時にも慌てず買い増し

「投資先を選ぶ際は“売る必要のない投資”を心掛けています。海外株式はインデックスファンド経由で投資し、日本株式は堅牢(けんろう)なビジネスモデルの大型株を中心に選んでいます。これまでの個別株投資のパフォーマンスはメガバンクや大手商社のほか、オリックス<8591>、NTT(日本電信電話)<9432>などが好調で、特にSANKYO<6417>と良品計画<7453>はプラス200%超となっています」

2024年8月上旬には日経平均株価が過去最大の下げ幅を記録する大暴落となり、大きな影響が出ました。年初から新NISAで投資を始めた人の中には慌てて売却したり、撤退したりした人もいたようです。

「確かにあの日の朝、保有するメガバンクの下げ方を見て“ヤバい!”と思いました(笑)。でも、5年前に慌てて売って後悔した苦い経験があったので、比較的冷静に自分自身と日本株を取り巻く状況を分析しました。もともと余裕資金で始めたので生活基盤が危うくなる可能性は低く、また実体経済から考えて株がここまで売られる理由は見当たらなかったので、いずれ近いうちに株価も戻るはずだと確信し、買い増しを考えました。実は、直前の7月に株価の上昇で株式部分の比率が高くなっていたので、売って現金を増やすリバランスを行ったばかりでした」

そこで、すかさず株価暴落により下がった株式比率が元の比率に戻るように、国内外の株式を買い増しました。その後、想定外に株価は急反発。株式比率が上がったところで一部売却して再度リバランスしました。

「過剰なリスクは負っていないので、暴落しても生活に支障が出るような損失を被ることはありません。反対に、暴落時には現金などの安全資産を取り崩し、不当に安くなった株式を買うことで、その後の株価の反発局面でより大きなリターンを得られました。これはまさにリバランスの効用で、アセットアロケーションの考え方は間違っていなかったと確信しました」

NISAとiDeCoはオルカン一択でフル活用

資産運用にあたっては税金についても注意を払い、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった非課税制度を活用しています。

「やはり投資の利益に対する約20%の税金がかからないというのは魅力です。旧制度のNISAでは高配当の個別株を購入し、配当を非課税で受け取るようにしました。2024年1月から始まった新NISAでは非課税期間が無期限になったため、できるだけ長期間利用するほど非課税メリットが大きくなります。そこで、つみたて投資枠で毎月10万円ずつ積み立て、成長投資枠の年間投資枠240万円と合わせて計360万円、限度額までフルに利用する方針です。iDeCoを含め、低コストで世界への分散投資が可能な、通称“オルカン”と呼ばれる全世界株式指数連動型ファンドで運用しています」

このように分散投資でリスクを抑制し、リバランスによって資産配分をコントロールすることで、暴落時も恐れることなく投資を続けられました。投資リターンは年率9~16%となり、ほどなく配当などのインカムゲインで基礎的な生活費をほぼ賄える状態になりました。そして、それが後に人生の大きな転機をもたらすことになります。

<第3回:配当収入の安心感が“勤務医からの転身”を後押し「おかげで“ストレスフリー”な生活を手に入れました」>に続く

執筆:塩田真美(しおたまみ)
出版社の女性誌・マネー雑誌の編集部を経て、フリーの編集者・ライターとして活動。主に女性誌や広報誌、金融関連サイト、書籍などで、人物インタビューのほか、NISA(少額投資非課税制度)、株主優待、ふるさと納税、節約術などの記事を手掛ける
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