資産運用

コロナ禍に始めた投資で人生が激変!35歳医師「“お金を働かせる”という発想に衝撃を受けました」

5年前から投資を始めて資産を倍増させたことをきっかけに、勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身した関西在住の医師・Kさん(35歳)にお話を伺いました。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

【投資体験者インタビュー】勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身

医師のイメージ

勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身した関西在住の医師・Kさん(35歳)にお話を伺いました ※画像:PIXTA

医師をはじめ、多忙な生活を送るビジネスパーソンにとっては仕事が第一で、お金の管理は二の次、三の次になりがちです。しかし、資産をどのように管理し、増やしていくかによって、その後の人生が大きく変わることもあります。そこで、実際に5年前から投資を始めて資産を倍増させたことをきっかけに、勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身した関西在住の医師・Kさん(35歳)にお話を伺いました(全4回の1回目)。

きっかけはある芸人のYouTube動画

Kさんのアイコン

Kさん

Kさんが投資を始めたのは、新型コロナウイルス感染症が広がり始めた2020年5月頃。関西の国立大学医学部を2014年に卒業し、公立のA病院で2年間研修後、公立のB病院で内科医として勤務していました。

「研修医時代はほぼ定時に帰れていたのですが、B病院では上司の医師が専門科を立ち上げたばかりで外回りの仕事が多く、私ともう1人の医師とでほとんどの患者さんを診ている状況でした。日中の診察や当直に加え、時間外の問い合わせや呼び出しも当然ありました。さらに、上司に言われて東京や海外での学会に参加したり、論文を書いて発表したりする機会も多く、それこそ寝る時間を確保するのがやっとという多忙な日々を送りました」

もともとお金には無頓着だったうえ、病院と家と出張先を行き来して使う暇がないという生活だったので、給与はそのまま振込口座の普通預金に預けっ放しの状態でした。ところが、2020年頃から始まったコロナ禍を機に、そんな生活に変化が訪れます。

「感染者数が増えてB病院に患者を受け入れた時期は忙しかったのですが、まだ少ない初期の段階や緊急性の低い診療や出張を控えた時期などは、意外と時間に余裕ができました。といっても、さすがに外出はできない状況だったので、休日など家でYouTubeの動画を眺める時間が増えました。その中でたまたま見た中田敦彦さん(オリエンタルラジオ)の動画が、投資に目覚めるきっかけになったんです」

お金持ちとは「お金を働かせている人」

中田さんは、社会、経済、政治など、さまざまな分野について「中田敦彦のYouTube大学」と題して独自の視点から発信し続けていますが、その中で資産運用について語った動画が目に留まりました。

「中田さんは著名投資家の例を挙げながら、『お金持ちというのは、単にお金をたくさん持っている人ではなく、そのお金を働かせて増やしている人だ』というのです。そういう発想はまったくなかったので、大きな衝撃を受けました。そして、その方法として投資による資産運用、インデックス投資を紹介していたのですが、これが日頃から『働いて稼いだお金の使い道がないな』と感じていた私に、ぴったりフィットしたわけです」

そこからは、ひたすら投資の勉強に没頭。持ち前の好奇心と研究熱心な性分で、投資のイロハから実践法までグングン吸収していきました。YouTube動画「リベラルアーツ大学」をはじめ、『ウォール街のランダム・ウォーカー』(バートン・マルキール)、『敗者のゲーム』(チャールズ・エリス)、『ほったらかし投資術』(山崎元、水瀬 ケンイチ)、『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』(奥野一成)などの書籍も参考にしたそうです。

米国株インデックスファンドで投資デビュー

そうして1カ月後、いよいよネット証券に口座を開設。開設後は投資を実践しながら勉強し続けました。

「証券会社は手数料や操作性の面でSBIか楽天の2択と言われており、もともと楽天銀行に口座を持っていて資金移動がスムーズな点に加え、ポイントも貯まることから、楽天を選びました。最初に買ったのは米国株S&P500種指数に連動するインデックスファンドで、いきなり500万円分買いました。普通預金口座に使う予定のないお金が2000万円以上貯まっていましたし、自分は“リスク許容度”が高いと思ったからです。妻子がいる立場なら別ですが、独身ですし、当時の年収も1000万円を超えていたので、今のうちならある程度リスクが取れると考えました」

ただ、実際に始めてみると、少し増えて喜んだのもつかの間、2カ月後にはガクンと下がって減ってしまい、恐くなって半分以上売ってしまったそうです。

「冷静に長期で考えれば想定の範囲内で、恐れる必要はありませんでした。それで早々に買い戻し、その後は積立投資を続けました。やはり長期投資では多少の上げ下げに一喜一憂しないことが大切だと痛感しました」

高配当株にシフトしてじっくり長期投資へ

並行して個別株式にも挑戦。最初に買ったのは米国株のファイザーで、数十万円分購入しました。

「やはり自分が知っている分野のほうが事情が分かって確実だと思ったからです。ファイザーは医薬品大手で、当時は新型コロナウイルスのワクチンの需要も伸びていて有望だと思いました。でも、株価が買い値から20%上がったところで、利益確定の誘惑に負けて売ってしまいました。続けて日本株の銘柄をどんどん買っていったのですが、上がるものもあれば下がるものもありました。一時は短期投資を試みたこともありましたが、結果として値上がり益を狙って売買するのは難しいし、性に合わないと感じました。それで、その後は徐々に高配当株にシフトしていきました。今は長期的な成長が期待できる資産をじっくり持って配当を受け取るスタイルなので、以前のように株価を気にしなくてすみ、精神的にも楽になりました」

ほかにも全世界株式指数連動型の投資信託や米国債のETF(上場投資信託)、日本のREIT(不動産投資信託)などに分散して投資。コロナ禍の収束や世界的な株価上昇を背景に、資産を順調に増やしていきました。

<第2回:投資で人生が激変!勤務医からフリーランスの医師+投資家に転身し「配当などで生活費を賄えるように」>に続く

執筆:塩田真美(しおたまみ)
出版社の女性誌・マネー雑誌の編集部を経て、フリーの編集者・ライターとして活動。主に女性誌や広報誌、金融関連サイト、書籍などで、人物インタビューのほか、NISA(少額投資非課税制度)、株主優待、ふるさと納税、節約術などの記事を手掛ける
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