All About編集部は就職氷河期世代のユーザーを対象に、就職活動での経験や現在の年収や暮らしへの影響などに関するアンケートを実施。彼らは今、どのような思いを抱いて生活しているのか。今回は、新潟県在住50歳男性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール
回答者本人:50歳男性家族構成:独身(子なし)
雇用形態:正社員
職業:製造職
世帯年収:300万円
現在の年収や暮らしに満足しているか:満足していない
「やる気のない方は外れていただいて結構です」
男性は就職活動で苦労したりつらい思いをしたりしたことがあると回答。「会社説明会のときに、数人ごとにグループを作らされて、その中であるテーマに沿ったディスカッションをさせられました。中心に人事の人がいて積極性ややる気のある質問がされているかを確認しているようでした。あまりしゃべらないと直接指名され、人間性を試されるような質問を受けた覚えがあります。自分としてはあまり人前に出るのは苦手でしたので、これはとても嫌な思いをしました」
また、就職活動時に言われてショックだった言葉があると言います。
「とある会社説明会で、ある程度説明を終わった後に、『やる気のない方は外れていただいて結構です』ということを結構強めに言っている人事担当がいました。それがまるで『やる気ない奴は出ていけ』的な言い方に近かったため、このときは自分なりにショックを受けました」
就職活動の結果に満足できたかという質問には「どちらとも言えない」としたうえで、「結局、いろいろと探して、一応自分が望んでいた第三希望程度の企業に就職できて落ち着くことができたのでそう思っています」とコメントしました。
就職氷河期世代の人材がリストラに……
男性に就職氷河期が現在の年収や暮らしに影響を与えているかと聞いたところ、あると回答。「私が今まで働いてきた企業ではボーナスが出たのは数回ぐらいであとはまともにもらったことがありません。これは勤めている企業によるとは思いますが、氷河期から景気が下向きに続いた影響によるものと思っています」
男性が一番羨ましいと思う世代は20代で、その理由は「人不足の現在からして今の20代は会社に入るととっても重宝される年代でありますし、ちょっとしたことで転職してしまう可能性があるために、会社側も社員に対して強くあたることがないという最高の職場環境があるから」。
最後に、国や行政に伝えたいことを聞きました。
「とても大勢いる就職氷河期世代の人材が現在、リストラを受ける年代に入り込んできているので、国によって企業にこの世代を継続して雇用しなければならないという法律を早く制定してもらいたいです」
希望退職などによって人員削減を図る動きは、さまざまな企業で見られます。せっかく勤め上げてきたのに肩を叩かれてしまう。今までの頑張りはなんだったのか。この先の生活をどうしてくれるのか……。就職氷河期世代へのさらなる支援は待ったなしの状況なのかもしれません。
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<参考>
厚生労働省「就職氷河期世代の方々への支援のご案内」
<調査概要>
就職氷河期世代に関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査期間:2025年5月23日
調査対象:全国30~50代の100人(男性:48人、女性:51人、回答しない:1人)
※回答者のコメントは原文ママ