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「暮らしの自由度が少ない」「もう少し現役世代にも目を向けて」氷河期世代・45歳女性が感じる不公平感

All About編集部は就職氷河期世代の人を対象に、就職活動での経験や現在の年収や暮らしへの影響などに関するアンケートを実施。今回は、愛知県在住45歳女性のエピソードを紹介します。※サムネイル画像:kapinon/PIXTA(ピクスタ)

執筆者:All About 編集部

就職氷河期世代は今、どのような思いを抱いて生活しているのでしょうか ※画像:kapinon/PIXTA(ピクスタ)

就職氷河期世代は今、どのような思いを抱いて生活しているのでしょうか ※画像:kapinon/PIXTA(ピクスタ)

夏の参院選を見据えて、与野党が支援策を打ち出したことで、「就職氷河期世代」が注目を集めています。1993~2004年ごろの雇用環境の厳しいときに就職活動をした就職氷河期世代は、今の40~50代前半が中心で全国に約1700万人以上。厚生労働省の財政検証では、30年後にもらえる基礎年金は3割減るとされ、低年金化が危ぶまれています。

All About編集部は就職氷河期世代のユーザーを対象に、就職活動での経験や現在の年収や暮らしへの影響などに関するアンケートを実施。彼らは今、どのような思いを抱いて生活しているのか。今回は、愛知県在住45歳女性のエピソードを紹介します。

回答者のプロフィール

回答者本人:45歳女性
家族構成:既婚(子あり)
雇用形態:契約社員
職業:講師
世帯年収:500万円
現在の年収や暮らしに満足しているか:満足していない

「そんなんで大丈夫なの?」

女性は就職活動で苦労したりつらい思いをしたりしたことがあると回答。

「とにかく就職活動の時期が大変でした。倍率も高く、同世代同士もギスギスしていて同級生の就職が決まると焦って心が苦しくなることが多かったです」

また、就職活動時に言われてショックだった言葉があると言います。

「先に就職先が決まった人たちからかなり見下されたような態度を取られました。また、親から『そんなんで大丈夫なの?』というプレッシャーをかけられ辛かったです​​」​

就職活動の結果に満足できたかという質問に対しては、「どちらとも言えない」と回答したうえで「就職ができたこと自体には、ありがたいことだと思っていますが、そもそも募集が少なく、選択肢が少なかったです」とコメントしました。

「もう少し現役世代にも目を向けて欲しい」

女性は就職氷河期が現在の年収や暮らしに影響を与えていると言います。

「親世代はもっとたくさんのお給料を貰っていたと聞いています。また、私の周りでも未婚や、子どもを持てなかった人がたくさんいるので、暮らしの自由度が少ない世代であると感じています」

一番羨ましいと思う世代について聞くと“60代以上”が羨ましいと感じていて、その理由は「医療費や年金など、一番手厚いサービスを受け取っていると思うから」。

最後に、国や行政に伝えたいことを聞きました。

「特に高齢者、次いで若い世代への配慮が手厚く、谷間の世代である私たちは見放されている気がしています。もう少し現役世代にも目を向けて欲しいです」

世代間ギャップに不満を抱いている様子がうかがえました。

<関連記事>
<参考>
厚生労働省「就職氷河期世代の方々への支援のご案内

<調査概要>
就職氷河期世代に関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査期間:2025年5月23日
調査対象:全国30~50代の100人(男性:48人、女性:51人、回答しない:1人)
※回答者のコメントは原文ママ
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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