株主優待

Yahoo!ファイナンス 人気ランキングからプロが厳選!注目の「5月権利確定の株主優待銘柄」は?

Yahoo!ファイナンスの「株主優待人気ランキング」の中から、日本株に詳しい金融文筆家の田代昌之さんに「特に注目したほうがいい」という銘柄を厳選・紹介いただくシリーズ、今回は5月権利確定銘柄を3つ、取り上げます。

執筆者:All About 編集部

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株を買うと優待品がもらえる「株主優待」の制度。珍しい商品や家計の一助になるような商品が優待品として提供されることもあり、根強い人気があります。株主優待制度を導入している企業は約1500社ありますが、一体どの銘柄を選べばいいのでしょうか?

Yahoo!ファイナンスの「株主優待人気ランキング」の中から、日本株に詳しい金融文筆家の田代昌之さんに「特に注目したほうがいい」という銘柄を厳選・紹介いただくシリーズ、今回は5月権利確定銘柄を3つ、取り上げます。

1: アスクル<2678>

最初に紹介するのは、オフィス用品を「明日お届けする」で有名なアスクル<2678>です。オフィス用品に限らず、建設工具・作業部品などさまざまな商品の配送を手掛けています。個人向けにも2012年から通販「LOHACO(ロハコ)」を展開。総合事務機器メーカ―のプラス株式会社内で1事業として立ち上がった同社ですが、分社化した後、現在はLINEヤフーグループの傘下となっています。こちらの優待は、ECサイト「LOHACO」で利用できるクーポン券。100株以上の保有で2,000円分(500円×4枚)を年2回受け取れます。

All Aboutの読者で実際にアスクルの銘柄を買った方からは、「日用品でいかに生活コストが削減できるかを重視している。LOHACOのクーポンで日用品が安く買える」(男性・28歳・大分県)と教えてもらいました。

法人向けにオフィス用品を販売する大手企業で、個人向け事業も行っている同社の見通しについて、田代さんは「今の業績ではなく来期以降の業績に期待している」と言います。
現在のアスクルの株価については「2024年5月をピークに株価は下落局面が続いており、2022年初頭の水準まで値を下げました。下落の要因は、業績がさえないためです。2025年5月期の通期計画を売上、営業利益ともに下方修正しました。主力のASKUL事業における価格などの改定で顧客数が減少したことや、従来型オフィス用品の需要低迷などによる売上減少などが影響しています」とのこと。

「ただ、同社は現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)による価格適正化やオリジナル商品の強化に取り組んでいます。また2026年5月期の期初に新物流拠点『ASKUL関東DC』の稼働が予定されています。これにより関東圏の物流拠点が再編されて配送効率が向上し、中長期での収益力強化につながる可能性もあります。2025年5月期の配当予想は変更せず、安定配当も続ける予定ですので、来期意向の業績改善に期待したいところです」と田代さんは期待感を述べていました。

優待の権利獲得については「権利に関して1点注意です。同社は5月20日が期末です。5月16日が権利取り最終売買日となりますので、お間違えなく」と教えてくださいました。
 

 

2:サカタのタネ<1377>

次に紹介するのは、花と野菜の「タネ」を生産販売するサカタのタネ<1377>です。種の研究や技術指導、農業施設の設計なども行っています。横浜で「坂田農園」を起こしたことが会社の始まりですが、現在はアメリカやブラジルなど12カ国に研究農場や施設をもち、販売地域は170カ国以上に及んでいます。こちらの優待は、保有株式数と保有期間に応じた商品カタログの中から商品1点を選択できるというもの。100株以上保有かつ保有継続期間1年以上の株主にカタログが送られてきます。

All Aboutの読者にもサカタのタネで優待を受け取った方がおり、「花壇やプランターに何かを植えようと思ったときに、優待で種や球根を探してみました。そのとき『サカタのタネ』がチューリップの球根を優待に設定していることを知りました。最初はお試しで。チューリップの芽が出始めてから毎日朝チューリップの様子を見るのが楽しみになり、毎日が充実しました。チューリップは枯れたら球根を回収して、来年も植えることができます。同時に来年は優待のチューリップの球根が届くので、毎年どんどん増えていっている状況です。今では家じゅうにチューリップを植えていて、スペースが足りないほどになりました」(男性・45歳・福島県)と教えてくださいました。

種苗会社大手で、売上高の9割が農業従事者向けに展開している同社を選定した理由について、田代さんは「株価の値ごろ感です。2022年に5,000円超まで株価が上昇した後は、右肩下がりが継続。現在は2020年3月のコロナショックによる急落を除くと、2016年末以降の約10年間では安い水準である3,000円前半で推移しています。PBR(株価純資産倍率)も0.8倍台と割安な状況ですので、東証によるPBR改革(※)に伴う会社側の株主還元策なども期待できそうです」とのこと。

(※)東証による、PBR1倍割れしている企業に対して「資本コストや株価を意識した経営」を要請する取り組みのこと

昨今気になる情勢についても「また、トランプ関税によるダメージも相対的に小さいと考えます。同社の売上構成でアメリカが占める割合は15%ほどです。日本、アジア、欧州、南米と幅広く事業展開していますので、米国政府による関税の影響はある程度抑えられると考えます。ただ、今後、関税率が拡大する可能性もゼロではありませんので、注意する必要があります。上期純利益は51.2億円ですので、通期純利益見通しの90億円に対する進捗率は56.8%ですので、通期純利益は多少上振れる可能性があります。前期は、遊休資産売却による固定資産売却益の計上があったため純利益が膨らみましたので、純利益の減益はさほど気にする必要はないと考えます」と教えてくださいました。
 
 

 

3:ハニーズホールディングス<2792>

最後に紹介するのは、婦人衣料および服飾雑貨を提供するハニーズホールディングス<2792>です。流行を捉えたトレンドファッションから、オフィスやセレモニーに使えるアイテムまで、手頃な価格で購入できる商品を製造・販売しています。本社所在地は福島県いわき市ですが、ミャンマーの自社工場などアセアン諸国で商品の製造を行い、イオンやイトーヨーカドーといった全国のショッピングセンターで店舗を展開しています。同社の優待は、同社商品を購入できる株主優待券。100株以上を1年以上継続して保有していれば、3,000円以上の優待券が送られてきます。

All Aboutの読者からも、「自社商品引換券が魅力的。店舗がどこにでもあり利用しやすく、普段着や仕事着を買う時に使える」(女性・40歳・埼玉県)、「お店がたくさんあり、使える商品が多い」(女性・44歳・埼玉県)といった声が寄せられました。

同社を注目銘柄として選定した理由について、田代さんは、「月次の既存店売上高の回復が見られたことです。今年に入って、1月の前年同月比99.6%、2月の同92.3%と厳しい状況が続いていましたが、3月は同100.9%と回復を果たしました。客数は減少していますが、価格引き上げによって客単価が上昇したことが奏功したようです。こうした足元の業績回復はポジティブな材料と考えます。ただし、物価高に伴う個人消費の低迷など気になるポイントはありますので、今後も月次動向は要注意です。第3四半期時点での通期業績見通しに対する進捗率は低いですが、同社は第4四半期に売上および各利益を大きく計上する傾向(季節偏重)がありますので、第4四半期での伸びに期待したいところです」と述べていました。

なお、同社はミャンマー工場で主に生産を行っていますが、2024年の労働問題や今年3月の地震など、事業に関わるインシデントが発生しています。こういったリスク要因は株価に影響を与える可能性があるため、情報として押さえておけるとよさそうです。
 

 

コメント:田代昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。


※株主優待に関する情報は、記事執筆時点のものになります。詳細につきましては、各社が発表している株主優待内容をご確認ください。
※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いします。
※投資金額には、株式購入時に必要となる証券会社の売買手数料などは含んでおりません。

 
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