過去2回では40代と50代の男性の「妻とは無理」な理由を本音で語っていただきましたが、今回は30代の男性の声をご紹介します。
「ええー? 30代はまだまだ性欲ピークじゃないの?」と思われる方も多いかもしれませんが、私の主宰する恋人・夫婦仲相談所には30代のこんな「妻とは無理」な理由が寄せられています。
<目次>
「結婚前からレス」ダイキさん(仮名・36歳)の場合<レス歴6年以上>
「もともと僕は性欲がないタイプだと自認しています。妻と付き合う前に付き合っていた彼女ともほぼレス。妻と付き合っていたときも、互いに実家暮らしだったので、セックスができるとしたらラブホぐらいで。でもラブホに行くとゲームとかカラオケとかで盛り上がっちゃって、結局セックスしないで出てくるなんてこともありました」と言うダイキさん。「付き合い始めた当初は妻からの不満の声もありました。『誘ってもらえないと不安』とか『セックスしないなら彼女じゃなくて単なる友達だよね』とか『私に女としての魅力がないの?』とか。入ったラブホの部屋で泣かれたりしたことも何度もありました。
でも、『別にセックスなんかしなくても、心はつながっているよ。愛してるよ』って何度も話して、ハグとかキスとかスキンシップはたくさんするように心がけました。浮気もしたことがないです。だからレスのままでも結婚しようって妻も納得してくれたのだと思います」
同い年の二人はレスのまま2年付き合い、32歳でゴールイン。結婚後も相変わらずで、セックスのペースは年に1~2回とのこと。旅行に行ったときや、一緒にお風呂に入ったときに、「ふざけてちょっとやってみたり」する程度なのだとか。自宅での夜は、平日は二人とも仕事で忙しく、眠るのみですが、週末は一緒にゲームを楽しむなど、夫婦仲はよいそうです。
妻が女性用風俗に関心を持ち
「こんな感じで結婚4年目を迎えたのですが、今年になって妻から『女風って知ってる?』と聞かれました。そんなものがあるとは知りませんでしたし、僕と同じで性欲がないタイプだと思っていた妻がそんなことを言い出したことに驚きました。妻いわく、会社の同僚で同じようにレスの女性が女性用風俗に行って最高だったと教えてくれたことがきっかけで、ネットでいろいろ調べてみたそうです。『行きたいの?』と聞いたら『あなたがOKなら』という返事でした」妻の発言をきっかけに、女性用風俗について調べてみたというダイキさん。妻に「風俗OKと言ったんですか?」と尋ねたところ「まだ迷っています」という返事が返ってきました。
「自分たち夫婦にはセックス不要というスタンスは変えたくありません。でも、女風に行って、今までそれほどセックスに関心がなかった妻がセックスにはまってしまうと、自分たち夫婦はどうなるんだろうという不安もある。セックスをしたくないという自分の考えで妻を一生縛り付けるのはかわいそうな気もする。それに、女風の男性に妻を変えられるのは悔しいような……。結婚って何だ? 結論はまだ出ません」
もう一度奥さんと性の欲求についてゆっくり話し合ってみてください。という声掛けに、ダイキさんは深くうなずいていました。女風の話題がきっかけで話し合えるなら、大きな進歩です。ちなみにダイキさんには、女性用風俗のメリット・デメリットもしっかり伝えました。
「ワンオペセックスは無理」レンさん(仮名・33歳)の場合<レス歴1年>
「一言で言うと、妻とのセックスが面倒なんです。一人でAVでする方がずっと楽だし、時短できる。なんで、男が全部リードしないといけないんですかね。まずは優しく誘ってお姫様抱っこでベッドまで運べとか、やさしく下着を脱がせてくれとか。続いて前戯も手を抜かず、『強過ぎて痛い』とか『そこじゃない』とか文句を言われながら、いろいろ頑張る。
最中は『きれいだ』とか『締め付けられて最高だ』とか褒めつつ、すぐにいかないように自らをセーブしながらポジション変更を入れて、相手が達したかどうかを気にしつつフィニッシュ。終わって寝たら怒られる。腕枕でしばらくピロートーク。
ここまで、全部男性の義務みたいに語り継がれてませんか。時代は、公平な時代になってるのにセックスは男ガンバレ的なイメージだなと」
とレンさんは言います。
「めんどくさいと思いながらも、結婚するまでは、もちろんしてましたよ。でも結婚したら、もうなんか『嫁とのセックス=面倒で疲れる』って感覚が先に立つようになりました。それで妻に『たまには俺にもしてよ』と言ったら『えー、キモイからやだ』と断られ、『下着は自分で脱いでいいよ』といったら『脱いでいいよ、じゃないでしょ。ムードないよ』とすごい勢いでキレられました。なんか俺、地雷踏みましたか?」
妻主導に切り替える方法も
開口一番、「セックスにおける男女の負担の違い」をぶちまけてきたレンさん。確かにレンさんの妻のように、セックスは最初から最後まで夫がリードするのがいい、という女性も少なくありません。運動量が男性の方が女性より多いのも認めます(逆のカップルもいるけれど)。せめて前半に双方の“おもてなし”があれば、男性も楽しめます。ですが、それも拒否されてしまっては、最初から最後まで男性のワンオペセックスになってしまいます。「疲れる」「面倒くさい」が先に立つというのも確かにあると思います。
「僕らの親世代は、エロ雑誌ぐらいしかなくて、現実の女性とできることが最高の快感だったんでしょうが、今や各種AVが24時間いくらでも見られますからね。グッズ関連もめちゃくちゃ進化していますから。断然手軽だし、十分これで満足できます」
レスはレスでも、性欲がないわけではなく「めんどくさい」というのがレンさんの理由。
実際のテクニック・動作のみならず、現実の相手には、誘う会話から始まって、痛くないか、気持ちいいかを思いやることが必要で、最後には達したかの確認も必要。その上ピロートークまで求められたら、「正直、しんどい」のが本音でしょう。
しかし、筆者はレンさんにしかり気味にアドバイスしました。「夜の営みの固定観念にとらわれすぎている。伝統を守る必要はまったくない。めんどくさくなくなる工夫を怠るな。妻主導に切り替える方法もある」と、そのあと2時間、固定観念の崩し方をレクチャーしました。
さて、半年後、レンさん夫婦がどうなるかはまたリポートします。