ただし貯蓄できる金額は、家族構成や年齢、収入によって異なりますから、これが正解ということではありません。また、金額にかかわらず 将来への感じ方は人それぞれです。同じくらいの収入や貯金額でも「なんだか将来が不安……」という人と、「まあ、なんとかなるよ」と笑っていられる人がいます。その違いは、お金との向き合い方にあるようです。
貯金があっても不安な人の特徴
まず、どのような人が、貯金があっても不安を感じやすいのでしょうか。
・お金に対していつも「足りないかも」と感じている
いくら貯金しても、「まだまだ不十分」と思ってしまいがち。「老後資金は2000万円必要」などの情報を見るたびに、焦りが募ります。
・将来にかかるお金の見通しが立っていない
「教育費っていくら?」「年金だけで生活できるの?」と、具体的な数字が分からないため、漠然とした不安を抱えています。
・公的制度や保険の仕組みをよく知らない
医療費や介護費用など、「全部自分でまかなわなきゃ」と思っている人ほど、不安を感じやすい傾向があります。
・とにかく「貯めなきゃ」が口ぐせ
貯金が目的になってしまい、どう使えばいいか、どう備えればいいかが見えていない状態です。
貯金がなくても不安にならない人の特徴
逆に、貯金があまりなくても、不思議と不安を感じずにいられる人もいます。そうした人たちには、お金との向き合い方に一定の傾向が見られます。・何にいくら使っているのか把握している
毎月何にどれくらい使っているか、ざっくりでも分かっているので、「ここを見直せばいざというとき安心」と考えられます。
・将来必要なお金をざっくりでも「見える化」している
「毎月の生活費は〇万円、年金で△万円入る。じゃあ不足分はこれくらい」というふうに、自分に合った目安を持っています。
・副業など複数の収入源がある
1つの仕事に頼りきらず、副業やスキルを活かした収入源を持っていることも。小さくても「他にも稼ぐ道がある」と思えるだけで、心に余裕が生まれます。
・「お金=道具」という感覚を持っている
お金は貯めるだけでなく、「自分らしく生きるための手段」と考えているので、数字に振り回されずにすみます。

貯金があっても不安な人、なくても不安にならない人の違い
不安を減らすために、今日からできること
貯金が多くても不安なままの人と、貯金が少なくても不安にならない人。その違いは、「いくら持っているか」ではなく、「どう備えているか」「どれくらい見通せているか」なんです。では、不安を減らすために、今からでもできる“備え”にはどんなものがあるのでしょうか?
①緊急資金を確認しよう
病気やケガ、突然の失業に備えて「生活費の3~6カ月分」を現金で確保することが安心につながります。
②最低限の生活費を知る
最低限いくらあれば生活できるかを、ざっくりでいいので確認しましょう。そうすると「何が起きてもこれだけあれば大丈夫」と安心できるようになります。
③収入源や働き方も見直してみる
副収入、資格取得、仕事のスキルアップなど、“お金を増やす”方向からの備えも、立派な安心材料になります。
これらを少しずつ取り入れるだけで、気持ちに余裕が生まれます。貯金があっても不安という人は、まずは自分にできる備えを見直して、安心感を少しずつ育てていきましょう。