男のこだわりグッズ

透明で薄くて強粘着!だけど扱いにくい…「OPPテープ」の不便を解決した“専用カッター”の開発秘話(3ページ目)

梱包などに使うOPPテープは、透明で薄くて粘着力が強いのでとても重宝しますが、テープの端を見つけてそれを剥がすのが大変だったり、裂けやすかったりして、なかなか扱いにくいテープでもあります。その不便を一挙に解決したのが、ミドリの「OPPテープカッター」。その開発の苦労を伺いました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

開発は、“なるべく使いやすく”と“なるべくコンパクトに”のせめぎ合い

ローラー部分が開く

こんなふうにローラー部分が開くので、最初のセッティング時に、テープをローラーとカッターの間に通すのも簡単

「ローラーを付けて、それを開閉式にすれば楽にセットできるというのは、比較的早い段階で思いつきました。ローラーの素材も、くっつきにくさや、回転性、摩耗性の低さなどを考えると、選択肢が絞られたので、おそらくそうなるかなと思っていたPOM(ポリオキシメチレン)樹脂になりました」と神瀬さん。

お話を伺うと、実は機能の実現よりも、いかにコンパクトにするかということと、引っ張りやすくすることのバランスをどう取るかという点が一番苦労されたようでした。

「ローラーと刃が近いと、切った後にテープがローラーにくっつかずに貼り戻ってしまいます。そこに引っ張りやすい角度などの条件も重なって、この刃とローラーの距離と角度は、いろいろなバランスを考えなければならず難しいんです。テープは上方向に引っ張ろうとすると力がいるし、刃がテープに当たる角度で切れ味が変わります。その結果として、ローラーと刃の距離は空けたいし、刃自体も少し前に出したいということになって、サイズが大きくなってしまいました」と神瀬さん。

それでも、コンパクトさと使い勝手のギリギリのバランスを攻めたのだろうことは、いくつも作られた試作品の数が物語っています。構造自体は早い段階で決まっていたのに、開発に1年以上かかってしまったというところに、道具としての使い勝手と、生活の邪魔にならないサイズ感の間で苦心したあとがうかがえます。

おかげで、実際に使ってみると、テープは切れやすいのに裂けることはなく、もちろん貼り戻りもなく、スムーズにOPPテープで梱包ができました。確かに引く力を軽くするにはちょっとコツが要りますが、角度を覚えればとてもスムーズ。

>次ページ:ちょっとした角度や刃のギザギザの数でも使い勝手が大きく変わる
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