似ているようで全く違う、クラフトテープとOPPテープ
「クラフトテープカッターのときは、実際手でも切れるテープですから、とにかくコンパクトで切れ味がよくて安全という点に注力しました。自宅で使ってもらうためには、なるべくコンパクトで邪魔にならないことが重要だと思ったんです。一方でOPPテープに対応しようとすると、“貼り戻り防止機能(使い終わりのテープが巻き芯側に戻ってしまうのを防止する機能)”を付ける必要があり、どうしても大きくなってしまうんです」とプロダクトデザインを担当した神瀬泰二さん。実際、「OPPテープカッター」の見た目の大きな特徴になっているのは、刃の部分とは別に用意されたローラーです。貼り終わったテープは、このローラーにくっつくので貼り戻りがなく、次に使うときもテープ端を探す必要がありません。また、ローラーから剥がして、段ボール箱などに貼り付けようとするときに、テープが裂けることもないのです。
「貼り戻りを防止することも大きな課題でしたが、実際にOPPテープを使っていて感じるのは、“テープを引き出すときの重さ”なんです。粘着力が強いからなのですが、開発の途中からは引き出しやすさにもフォーカスしました」という神瀬さんの言葉通り、実は、OPPテープというのは、かなり使いにくいのです。
例えば、従来のテープカッターでも、テープの貼り戻り防止のためにテープを保持しておくパーツが付いているのですが、そこにテープを通すのが難しかったりします。この製品では、ローラー部分が開くようになっているので、狭いところにテープを通す必要がなく、簡単にセットできるのです。
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