統計から6月に株価が上がった業種は?
6月相場は、ボーナス月ということもあり、個人投資家が意欲的に株を買い付ける時期と言われています。その影響で、新興株を中心に値上がりしやすい傾向があります。しかし、その一方で、ほとんど値上がりしない銘柄もあります。その好例が「大型株」です。そこで本記事では、株価が好調に推移する傾向にある大型株の業種と銘柄をご紹介します。
今回は、6月の株式市場においてどのような業種が上がりやすいのかについて、過去の株価データから統計的に検証してみました。
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検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:2000年1月~2025年4月30日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件:5月末の最終営業日の寄り付きで買い
売り条件:25日経過後の翌営業日寄り付きで売り
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5月末に日経平均採用銘柄を全て購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、6月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、6月は下がりやすい月と言えるのではないでしょうか。
6月相場で好調な業種ベスト3
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果、勝率の高かった業種は以下の通りです。■1位:鉄道・バス(8銘柄)
- 勝率:58.33%
- 勝ち数:112回
- 負け数:80回
- 引き分け数:8回
- 平均損益(円):1,209円 平均損益(率):0.60%
- 平均利益(円):8,310円 平均利益(率):4.16%
- 平均損失(円):-8,612円 平均損失(率):-4.31%
- 合計損益(円):241,727円 合計損益(率):120.87%
- 合計利益(円):930,699円 合計利益(率):465.38%
- 合計損失(円):-688,972円 合計損失(率):-344.51%
- PF(プロフィット・ファクター):1.351
- 平均保持日数:26.80日
■2位:食品(10銘柄)
- 勝率:55.36%
- 勝ち数:124回
- 負け数:100回
- 引き分け数:1回
- 平均損益(円):2,305円 平均損益(率):1.15%
- 平均利益(円):10,800円 平均利益(率):5.40%
- 平均損失(円):-8,206円 平均損失(率):-4.10%
- 合計損益(円):518,568円 合計損益(率):259.29%
- 合計利益(円):1,339,195円 合計利益(率):669.63%
- 合計損失(円):-820,627円 合計損失(率):-410.34%
- PF(プロフィット・ファクター):1.632
- 平均保持日数:26.80日
■3位:陸運(2銘柄)
- 勝率:50.00%
- 勝ち数:14回
- 負け数:14回
- 引き分け数:0回
- 平均損益(円):1,153円 平均損益(率):0.58%
- 平均利益(円):6,789円 平均利益(率):3.39%
- 平均損失(円):-4,484円 平均損失(率):-2.24%
- 合計損益(円):32,275円 合計損益(率):16.14%
- 合計利益(円):95,045円 合計利益(率):47.53%
- 合計損失(円):-62,770円 合計損失(率):-31.39%
- PF(プロフィット・ファクター):1.514
- 平均保持日数:26.86日
以上が、6月相場で好調だった3業種(鉄道・バス、食品、陸運)の検証結果です。検証結果を見てみると、どれも勝率が50%以上で1トレード当たりの平均損益もプラスになっています。したがってこの3業種は、6月に上がりやすい傾向があると言えるでしょう。
6月の好成績銘柄ランキング
では最後に、今回の検証でご紹介した業種の中でも上昇傾向が強く、6月相場で特に好調だった銘柄を確認してみましょう。 表は、先ほどの検証において勝率が60%を超えていた銘柄です。6月相場は、「明治ホールディングス<2269>」「西日本旅客鉄道<9021>」「小田急電鉄<9007>」といった銘柄に注目してみるとよいでしょう。どの業種の個別銘柄も、月によって株価が上がりやすい場合と下がりやすい場合があります。今回のような簡単な検証は、6月の投資戦略を考える上での有効な判断材料の1つになることでしょう。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)