韓国もこの日に贈る代表的な花はカーネーション。花屋はもちろん、文具店、コンビニにもカーネーションの鉢植えが並ぶ。両親の日には、子どもにもらったであろうカーネーション付きのバッジを胸につけた人をよく見かける。
喜ばれるのは現金
では、花以外のプレゼントでは何が人気なのか。それは現金。まさか! と思う人がいるかもしれないが、両親の日に何をあげようか悩んだら現金、だ。モノをプレゼントする場合でも、現金を添える場合が多い。金額は家庭の経済事情によりさまざま。日本では商品券ならともかく、現金をあげることに違和感を覚える人もいるのでは。相手に対して失礼だと考える人もいるかもしれない。が、韓国では家族の間柄であれば、渡す側も受け取る側もそのように捉える人はあまりおらず、両親はもちろん、夫・妻の誕生日でも、現金はプレゼントの選択肢の1つ。特に両親の日なら、確実に喜ばれるプレゼントだ。長幼の序を重んじる韓国では、両親に金銭的な援助をすることは恩返しでもあり、両親からすると子どもが立派に成長した証でもあるのだ。
現金のユニークなラッピング法
現金をプレゼントするときは、直接渡す人もいれば、封筒に入れる人もいる。この日のためにこだわりたい人は、現金をラッピングして渡すのだが、この方法が面白い。きれいな箱の半分にバラやカーネーションを詰め、残り半分に細く丸めた1万ウォン札や5万ウォン札を入れるのはスタンダードな方法。より個性的に、そして両親を笑わせたい! という人たちはもう少し奇抜に。例えば、開き台紙の右側に感謝状を、左側にお札をたくさん貼り付けたもの、扇状にお札を張り付けて扇子としたもの、びっくり箱のようにふたを開けたらお札が飛び出すもの、栄養ドリンクの瓶の中にお札を入れたものなど、種類もさまざま。これら面白いラッピングキットは、文具店やインターネットショッピングモールなどで購入できる。
筆者は韓国生活が長いにもかかわらず、実はいまだにプレゼントとして現金をあげたりもらったりすることに抵抗がある。封筒を使うときなどは特に。けれどユーモアあるラッピングを施してあると、なんとなく気持ちが軽くなるから不思議だ。
さて、両親の日の当日は、家族みんなでレストランへ行き、そこでカーネーションと現金をプレゼントする、というのが定番の過ごし方。5月8日が平日に当たる年は、前後の週末に祝う家庭もある。プレゼントするのが、現金でも花でも、それ以外のモノでも、一番大切なことは両親に感謝するという気持ち。そこは日本も韓国も同じである。