韓国

実は“日本ならでは”? 韓国でも話題になったドキュメンタリー映画に見る「日韓の小学校文化の違い」(2ページ目)

第97回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた山崎エマ監督の映画『小学校 ~それは小さな社会~』。韓国でも映画賞を受賞している。韓国の人はこの作品のどんなところが印象的だったのだろうか。そしてそれはなぜだろうか。

松田 カノン

執筆者:松田 カノン

韓国ガイド

韓国の小学校では

日本でよく見かける集団登校も韓国では……

日本でよく見かける集団登校も韓国では……

では、韓国と日本の小学校で異なる点をいくつか紹介しよう。

集団登校ではなく、各自登校。下校後のルールはなし
指定された通学路はなく、誰と一緒に登校するかに関する決まりはない。下校後は家に帰らず、そのまま遊びに行くことも可。子どもが校門を通過すると、親の携帯に通知が入るサービスを利用していたり、スマホの位置確認機能で子どもの場所をいつでも把握できるようにしていたりする家庭が多い。下校後すぐに塾に行く子どもが多いため、校門には生徒を送迎するための塾の車や先生が待機している様子は日常の光景。

通学カバンは自由
公立小学校は学校指定のカバンはない。一般的にはリュックサックを使用。色・形などに関する規則はない。

教科書は学校に置いておく
全教科、教室にある各自のロッカーや本棚で保管。もちろん持ち帰るのは自由。教科書は自宅のPCでも閲覧可能。

号令の仕方はさまざま
始業、終業のあいさつの仕方は、学校や先生の指導方針により違いがある。起立、あるいは着席したままあいさつをすることもあれば、特にあいさつはせず、そのまま授業が始まり終わる場合もある。

体育がある日は朝から体操服で登校
教室で着替えることはない。体育館シューズに履き替える学校も少なめ。体操服以外に、各クラスのTシャツやトレーナーなどを作り、運動会や社会見学に出掛ける際に着用する。

入学式、卒業式、運動会などの準備期間は短め
学校行事の練習に数カ月かけて取り組むことはあまりなく、準備をする場合もごく短時間で済ませる。運動会の進行は先生ではなく、委託した外部の業者から派遣されたプロの司会者が担当することが多い。

家庭で準備をしなくてはいけない学用品が少ない
学校から支給される学用品が多いため、入学時、新学期に準備せねばならない文具や教材は少なめ。持ち物の名前書きは推奨はされるが、各自に任されている。

給食の配膳は調理員が行う
給食室に移動して昼食をとる。配膳は給食の調理員が担っており、生徒は順番に並び、各自自分のプレートにおかずをよそってもらう。おかずの種類は平均6~7種類ほどで比較的ボリュームあり。

掃除は業者が担当
教室、廊下、階段などの掃除は外部に委託している業者が行う。生徒は自分の机とその周辺の掃除のみ担当。卓上用のミニほうきやウエットティッシュは新学期に必ず用意すべき持ち物(学校から支給されることもあり)。

宿題は少なめ
教育熱の高さでも知られる韓国だが、実は学校の宿題は少ない。その代わり塾の宿題で大忙しという子どもが多い。

入学式・卒業式の服装はわりとラフ
特別な式典のために、皆がそろって着るような定番の服装はない。正装する場合でも、人それぞれ好みの色、スタイルのものを着用。そのため、入学、卒業シーズンに、百貨店などで式典出席のためのフォーマルコーナーが特設されることもない。

>次ページ:もっと知りたい、韓国の小学校
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