ポイント運用とは
ポイント運用とは、元手0円で投資体験ができるサービスです。買い物などで還元されたポイントを投資に利用できる仕組みです。ここで気を付けたいのが、ポイントを使った投資には「ポイント運用」と「ポイント投資」の2種類があることです。
ポイント運用とポイント投資の違い(筆者作成)
「ポイント運用」は、ポイントをそのまま使って、疑似運用ができるサービスです。各ポイントサービスが提供する運用コースに投資し、連動する投資対象の値動きに応じてポイントが上下する仕組みです。解約するときは増減したポイントが戻ってきます。
これに対して「ポイント投資」は、ポイントを現金に換えて、リアルの投資信託や株式に投資できるサービスです。証券会社の口座を通じて実際の投資信託や株式を購入するほか、現金とポイントを合わせて個別銘柄に投資することもできます。解約(売却)時には現金として受け取ります。
この記事では、手軽に始められる「ポイント運用」についてご紹介します。
ポイント運用に投資するとどうなる?
ポイント運用をすると、投資したポイントは一体どうなるのでしょうか。例えば、PayPayポイント運用の「スタンダードコース」に、1年前に1000ポイントを投資していた場合を見てみましょう。このコースは、アメリカの優良企業500社に連動する指数「S&P500」への連動を目指すコースですが、この1年間の実績はマイナス3.04%。つまり、1000ポイントが約970ポイントに減っている試算です。
一方で、PayPayポイント運用の「金(ゴールド)コース」に同じ条件で投資していた場合、実績はプラス26.17%。1000ポイントが約1260ポイントに増えていることになります。
(いずれも2025年4月20日現在)
ポイント運用のメリット
先ほどのPayPayポイント運用の例を見ても、コースによって利益が出ることもあれば、損失が出ることもあると分かります。ただ、もともと現金の元手はゼロで始めているので、手持ちのお金が減ったというわけではありません。投資を体験するには絶好の場と言えるでしょう。実際に自分のお金を1000円でも投資すると、毎日ドキドキして気が気ではありません。しかし、ポイントを投資していれば、毎日の値上がり値下がりにドキドキするかもしれませんが、現金で投資するよりは冷静に値動きを見れるでしょう。
こうした投資体験を通じて、どんな投資対象がよいか、自分はどの程度なら投資の損益を受け止められるか、といった判断に役立てられます。
ちなみに、ポイント運用は主要な共通ポイントであれば、ほとんどのポイントサービスで提供されています。
選べるコース数や投資対象は各社さまざまです。ポイント運用に必要なポイント数も、1ポイントから利用できるところもあれば、100ポイントからというところもあります。また、通常ポイントしか利用できないなどの条件がついている場合もあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
PayPayポイント運用の例で使い方をチェック
では、実際にどのように利用するのか、PayPayポイント運用の例で見てみましょう。まずは、PayPayアプリ内の「ポイント運用」メニューをタップ。初めて利用する場合は、サービス利用手続きの画面が表示されるので、案内に従って手続きを進めれば、すぐにポイント運用をスタートできます。
現在、PayPayポイント運用では9つのコースが提供されています。比較的安定したスタンダードコースのほか、値動きが大きめの「ナスダック100」に連動するテクノロジーコースなど、さまざまです。さらに、値動きが3倍に増幅するコースや、株価の値動きと逆の動きをするコースもあり、初心者向けからリスクの高いものまで、バリエーション豊かに用意されています。
ポイント運用、筆者の成果は……?
ちなみに筆者はずっとPayPayポイント運用の「スタンダードコース」に投資をし、昨年、東京都の10%還元キャンペーンがあった時に30%ほど増えていたポイントを、全て引き出して使いました。今年になって、勉強のために「ビットコインコース」に投資を始めたら、4月20日現在、マイナス24.81%の運用実績です。トホホ……な実績ではありますが、チャートで値動きを確認するたびに、どうしてこうなったのだろうと調べたりして、勉強になっています。
また筆者は、「自動追加設定」というサービスも利用しています。これは、付与されたポイントが自動的に全てポイント運用に回る仕組みです。「積立投資」ではありませんが、それに近い感覚で投資を続けられます。
いかがでしたか? 相場が不安定な今だからこそ、ポイント運用を活用して、投資体験を気軽に始めてみてはいかがでしょうか。