成功は多くの偶然が重なって起こることがあり、特定の理由に還元できないことが多い一方で、失敗は避けられたはずの明確な原因があることが多いという意味です。
スポーツなどの勝敗ごとで使われることが多い言葉ですが、実は「夫婦仲」にも当てはまります。夫婦が円満な理由はさまざまであるのに対し、夫婦が離婚に至る理由には共通してみられる特徴があります。
今回は「離婚する夫婦」によくみられる「5つの習慣」をご紹介します。
<目次>
【離婚する夫婦の習慣:その1】パートナーの悪口を子どもに言う
「あなたは将来、お父さんみたいにはならないでよ」「うちのママは本当に料理が下手だよなぁ」
こんな風に母親から父親の、あるいはその逆の悪口を聞かされたら、子どもはどう思うでしょう。小さいうちは素直に「ママがこう言ってたよ」「パパはこう思ってるんだよ」と、パートナーに伝えるかもしれません。
少し大きくなると両親の不仲を感じ取り、精神的に不安定になったり、不仲の原因は自分にあると考え、自己肯定感が下がります。子どもの幸福度が下がれば親である夫婦の幸福度も下がります。それによってさらに互いの悪口を言うようになり、どんどん負のスパイラルに陥り、最後は夫婦関係が破綻してしまうのです。
【離婚する夫婦の習慣:その2】過去のことを何度も蒸し返す
「私が○○な時、あなたはぜんぜん気づいてくれなかったのよね」「大体昔からお前は○○なところがあるのに、全く直そうとしない」
夫婦げんかのたびに、「そういえば……」とか「あの時も……」とか、昔のことを蒸し返して、相手を責めたりしていませんか? 相手からすると忘れていたことを、何度も責められて二重の苦行になります。
「雨降って地固まる」ということわざもあるように、夫婦げんかは上手に行えば、互いへの理解を深めたり、絆を強めたりする効果もあります。しかし、現在のもめごとだけでなく、過去のもめごとを蒸し返して、傷口に塩を擦り付け合う夫婦げんかは、最もよくないやり方です。
過去はすでに終わって変えられない。どちらかが過ちをしていたとしても、やり直しはできません。悔しい過去にとらわるより、忌まわしいメモリーは消して、未来を向くのが、夫婦仲をよくするコツです。
夫婦仲のいいカップルは過去より未来の話をする時間が長く、将来に希望が持てないカップルほど未来より過去の話が多くなってしまう傾向があります。
【離婚する夫婦の習慣:その3】話の中でパートナーを「下げる」
「口ばっかりで何にもやらないダメ亭主の典型なのよ」「ホントにうちのやつはわがままで」
昔の日本は、家族のことを「下げて」表現することが謙遜だと思われてきました。
さすがに「愚妻」のような単語は聞かなくなりましたが、「謙遜」ではなく「悪口」として、周囲に対してパートナーを「下げる」発言をする人がいます。
また、周囲に対する発言だけでなく、夫婦間の会話でも
「誰よりも家事が苦手な、お前にだけには言われたくないね」
「あなたほどひどくないわ。私の方が数倍まともよ」
このように、相手を「下げる」ことで相対的に、自分を「上げる」言い方をする人もいます。
いずれにしても誰かを「下げる」発言をする人は、同時に自分の品格や価値も下げていることを知っておいてください。
ご機嫌夫婦ほど褒めたり立てたりしてパートナーを「上げて」おり、危機的なカップルほど「下げて」いる傾向は顕著に見られます。
【離婚する夫婦の習慣:その4】自分ファースト
生まれ育った背景が違う二人が暮らす生活には、意見や価値観、習慣の違いがあって当然です。自分と違う意見をきちんと受け止めて、反論しないでいられるか?
自分の価値観より相手の価値観を優先できるか?
互いの習慣の違いを受け入れて、受け流すことができるか?
これが、夫婦生活を継続していけるかどうかのポイントです。
100%相手の言うとおりにする必要はありません。時には自分の意見を主張し、時には潔く諦め、そのやりとりを通して歩み寄り、妥協点を探していくのがご機嫌の秘訣(ひけつ)です。
常に自分が正義、自分ファーストであるカップルは、ぶつかり合いの末、「互いに離れた方が平和に暮らせるよね」という結論に至るのです。
【離婚する夫婦の習慣:その5】相手のスマホを盗み見る
「夫婦に隠しごとはなし。だから相手のスマホを見ても問題ない」「スマホを見られて困るのは、後ろめたいことがあるからだ」
それとも……
「夫婦の間にもプライバシーは必要」
「見せてと頼まれれば見せてもいいけど、勝手に見るのはNG」
どちらの意見に賛成ですか?
ご機嫌夫婦と不機嫌夫婦を比べると「スマホを見ること」への執着度が明らかに異なります。ご機嫌夫婦はパートナーのスマホは気にしない。盗み見がばれて揉めるようなことはありません。
一方で、不機嫌夫婦はパートナーのスマホを見ることに執着し、我慢しきれずに勝手に見て、その内容でけんかになったり、盗み見したことがばれてさらに状況が悪化したりします。
相手に疑念があるので盗み見したくなる気持ちも分かります。でも、見たからと言って疑念が解決するわけではない。パートナーへの疑念を晴らす方法はほかにもある。百歩譲って、どうしてもスマホが見たいなら「見せて」と頼む方法もあります。
一方で、スマホの盗み見がばれたら、信頼関係が崩れ、それだけで夫婦仲の悪化につながります。つまりスマホの盗み見は夫婦仲にとってプラスよりマイナスの方が大きいのです。
相手のスマホへの執着が判断を誤らせ、夫婦関係を損なう危険があることを、ぜひ知っておいてください。筆者が作った言葉ですが「相手のスマホの中に自分の幸せはない」。
スマホを見て、モヤモヤが増幅して嫌なヤツになる確率が高いので、より夫婦関係がギクシャクしてしまいます。疑心暗鬼とはまさにこの状態。見たことに負い目もできるので自己肯定感も下がる。どんどん自分が嫌になり、ギスギスする。相手からすると好感度ゼロ。
離婚につながる5つの習慣についてお話しましたが、当てはまるものはありましたか? もしあったら1つでもいいので消滅させてください。