今回は、長年日本発着クルーズを実施するプリンセス・クルーズの客船「ダイヤモンド・プリンセス」にクルーズコンサルタントの筆者が乗船、ワーケーションをしてみました。「オンライン会議はできる?」「電話やWi-Fiの環境は?」といった、現役世代が気になる仕事に必要な環境をチェック。仕事におすすめの絶景船内スポットも紹介します!
※プリンセス・クルーズの保有する客船は、Wi-Fiにスターリンク(Starlink)を搭載。低高度の軌道を周回する衛星を活用しているため、つながりやすさに定評があります
※米ドル→日本円の換算は、1ドル150円を基準で算出しています
<目次>
ダイヤモンド・プリンセスの客室は? 執務環境をチェック
船内で仕事というと、まず気になるのが客室の執務環境。今回はダイヤモンド・プリンセスのバルコニー客室と内側客室の様子を紹介します。1. バルコニー客室
窓際にデスクがあり、電源は机に向かって左手にAタイプ(日本で通常使われるタイプ)が2個、右手にユニバーサルタイプが1個。机の脇のベッドのサイドテーブルには、USB充電付きの電気スタンドがあります。 机の広さは、パソコンや書類を広げても余裕があり、机といすの高さも仕事をするのに申し分ありません。照明もデスク上にあるので明るく仕事の環境はばっちり。外に目を向ければ大海原の絶景が広がり、気分転換もできます(人によっては仕事をするのが嫌になるかもしれませんが)。 2. 内側の客室
バルコニー客室よりも机が広く、書類を存分に広げての仕事もOK。電源は机まわりにバルコニー客室と同様、A(日本)タイプが2個、ユニバーサルタイプが1個。机からは離れますがベッドにUSB電源付きの電気スタンドがあります。 窓がない分、鏡を配し、開放感を出しているのですが、仕事をする上では好き嫌いが分かれるかもしれません。窓がないので集中して仕事をするのにおすすめです。照明もデスク上に配されており、光量も十分です。 なお音楽を聴きながら仕事をされる方もいるかと思います。スマホで好みの音楽を聴くのもいいですが、船内テレビでもさまざまな音楽(ジャズやハワイアンなど多彩な分野あり)を聴くことができます。
また書類の印刷は、船内デッキ5にある「インターネット・カフェ」のプリンターが無料で利用可能です。USBメモリにあるデータなら、プリンターに差し込みモニターで指示をすれば簡単に印刷できます。
プリンターのWi-Fiにパソコンやスマホをつないで印刷もできますが手順が少々煩雑です。スタッフが常駐している時間に訪れて聞きながら印刷するのがいいでしょう。
なおコピーはフロントに持参すれば対応してくれますが、料金は白黒コピーで一枚0.5ドル(約75円)。急ぎでなければ寄港地のコンビニを利用するのもいいでしょう。
電話は通じる? 船内は寄港地でもつながりにくい場所がある
海上に出たら、無用な電波を拾い高額な請求とならないように、スマホは機内モードにするのが基本です。そのため海上ではキャリア回線を使った通話はできないと心得ておく方がよいでしょう。音声で話をしたいとき、筆者はLINE電話を利用しています。ZOOMなど、Wi-Fi経由のオンライン会議アプリの利用もいいでしょう。 寄港地では、機内モードをOFFにすれば通常通り電波を拾うのですが……ここで1点注意です。バルコニ―客室は問題なくつながりますが、内側の客室や船の中央部分(エレベーターホールなど)は、電波が拾えないことが結構あります。甲板や窓に近い場所へ移動をすれば問題ありませんが、客室で通話をすることが想定される場合は、内側客室は避けたが方がよいでしょう。Wi-Fiはある? メールチェックやWeb会議はできる?
つい最近までクルーズ船のWi-Fiは高いし遅いし……ということで、安心して仕事ができるという環境ではありませんでした。ただダイヤモンド・プリンセスが搭載する、低高度の軌道を周回する衛星を活用しつながりやすいと定評の「スターリンク(Starlink)」の登場で劇的にWi-Fi環境は整備が進みました。メールや動画はもちろん、今回筆者は海の上を航海中にオンラインミーティングをしましたが、画像も音声も問題なく快適。スターリンク搭載の船であれば、Wi-Fiは仕事で利用する際にも問題ないと考えていいでしょう。またWi-Fiのつながり具合は客室の種類や船内の場所に左右されず、どこでも良好。内側の客室でも利用できます。 ダイヤモンド・プリンセスの場合、Wi-Fi利用は1デバイス、もしくは4デバイスの2種類。テザリングはできませんが、利用していた端末を終了し、他のデバイスで利用することは可能です。
筆者も1デバイスを契約し、通常はスマホでWi-Fi利用、仕事をするときはパソコンに切り替えをしていました。気になるWi-Fiの費用ですが、1デバイスを1日スポットで利用した場合は29.99ドル/日(1日当たり約4500円)。クルーズ期間を通して利用の場合は24.99ドル×クルーズの泊数(1日当たり約3750円)となり、費用はそれなりにかかります。 ダイヤモンド・プリンセスでWi-Fiをクルーズを通して利用する場合は、「プリンセス・プラス」というWi-Fiやチップ、飲み物などのサービスがついた料金プランでクルーズを申し込みすることも検討を(次回詳細を紹介予定)。
おすすめのワークスペース 大海原の絶景を見ながら仕事もOK
客室で仕事をするのもいいのですが、せっかくならクルーズならではのロケーションで仕事をしたいもの。最後に筆者のイチオシワーケーションスポットをご紹介します。まずはデッキ14の船尾にある「ホライゾンテラス」。オープンエアの空間で大海原に弧を描く軌跡をながめながら仕事をすれば、いいアイデアも浮かびそう! 夜ににぎわうバーも、営業時間外となる昼は自由に利用してOK。静かで仕事をするのにも最適です。デッキ18にあるスカイウォーカーズ・ナイトクラブは、最上階から180度開けた景色が楽しめる特等席。知る人ぞ知るノンビリとくつろぐのにもいい穴場スポットです。

日中は絶景が楽しめる! スカイウォーカーズ・ナイトクラブ
プリンターやコピーなどを利用するなら、インターネット・カフェが便利。ビジネスセンターのように利用ができます。また3歳からの子どもが対象のキッズセンター(利用無料)は、子ども目線で楽しめて、仕事の間お子さまを預けられるので安心です。 執務環境は整っているので、現役世代もぜひクルーズへチャレンジしてみてくださいね。デビューは早い方がおすすめです。次回は客船ならではのワーケーションの楽しみや、クルーズライフがワンランクアップするプリンセス・クルーズの料金プラン「プリンセス・プラス」を紹介します。
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