デフレしか知らない私たちは物価が上がることに慣れていないので、今の物価高に対しても「また元に戻るのではないか?」という気持ちと、「もう元には戻らない、時代は変わった」という気持ちのハザマにいる方もまだ多いのではないかと思います。
デフレ時代は、「もっと安くなってから買えばいい」とか「安いものを選べばいい」という価値観が主流でした。しかし、インフレ時代ではこの考え方が通用しなくなります。今までのお金にまつわる常識やお金の使い方を見直し、意識をアップデートする必要があります。

金銭感覚をアップデートしよう(画像:amanaimages)
捨てるべきデフレ時代の価値観
それではどのようなお金の考え方を捨てていけばいいのでしょうか。①「安いものが正義」という考え方
デフレ時代は、「とにかく安いものを選ぶ」が基本でした。でも、インフレ時代は「価格だけでなく、長持ちするか・価値があるか」を考えるべきですね。
例えば、
- 100円ショップの安いフライパン→すぐダメになる
- 少し高めの鉄フライパン→長く使えてコスパ◎
②「値下げを待てばお得」という考え方
デフレ時代は「セールまで待つ」「値下げされるまで買わない」が鉄則でした。でもインフレ時代は「待てば待つほど価格が上がる」ので、必要なものは早めに確保したほうがいいケースも増えています。
- デフレ時代は「待てば安くなる」→×もう下がらない
- インフレ時代は「待つと高くなる」→○早めに買うのが得策
インフレは物価が上昇することなので、「今」が一番安いとも言えます。食品や日用品も、日々値上げしていますが、車や不動産、旅行といったものもどんどん高くなっていますね。金利もどんどん上昇している状況なので、「安くなるまで待つ」というスタンスだといつまでたっても買えないことにもなりそうです。
しかし、対策がないわけではなく、長期のトレンドでは物価上昇している状況でも、短期でみると一時的に価格が下がることはあります。
例えば、天候が良くて野菜が豊作になって供給が増えてしまうような「需要と供給のバランス」や、決算セールといった「売り手の事情」で、価格は下がります。そういったタイミングであればお得に買うことはできますので、常日頃からチラシや情報をチェックしておくことは大事です。
③「節約してなんぼ」という考え方
節約が美徳だったデフレ期。でも今は、お金を使うべきところに使わないと損する時代です。
例えば、健康・学び・時間の効率化への投資は、将来の家計にプラスになるでしょう。「ものより経験」というように、ものだけでなく「経験」にお金を使うことも、今はとても重要です。
インフレ時代は節約も大事ですが、このように「お金の使いどころを見極める」ことがより大事です。
「ものの価値」に視点を向けよう
デフレが長かったこともあり、私たち消費者は価格には相当厳しくなったと思います。しかし、インフレになれば価格はどうしても上がります。だからこそ、「価格と価値の合うもの」「価格より価値の高いもの」を選べるように、「ものの価値」に視点を向けていくこともインフレ時代に必要ではないでしょうか。デフレ時代の価値観・常識をそのまま持ち続けるとインフレで損をする可能性が高くなるので、時代にあった金銭感覚を持つようにしましょう。