でも、止まらない物価の上昇。それに合わせて節約の方法も“アップデート”が必要です。今回は、「頑張り過ぎない」ことを大前提に、食費をムダなく見直すコツをご紹介します。

「頑張り過ぎない」ことを大前提に、食費をムダなく見直すコツをご紹介します(画像:amanaimages)
食費の役割を“家計の中”で再定義しよう
食費は毎日発生する支出ですが、調整しやすいという特徴があります。その一方で、節約し過ぎると、健康や心のゆとりを削ってしまうことにもつながります。逆に医療費がかかるようになっては本末転倒です。まずは、「安くする」ことばかり考えるのではなく、「ムダを減らす」「必要なところにはお金をかける」という、メリハリある使い方に意識を向けましょう。
「値段」よりも「満足度」や「栄養バランス」を大切にする視点が、長い目で見たときの“本当の節約”につながっていきます。
「底値感覚」をインフレ仕様にアップデート
「鶏むね肉は100g49円以下でしょ」「卵は1パック198円が普通」……その感覚、ちょっと古いかもしれません。物価が上がった今、以前の底値はすでに“非現実的”。それを基準にしてしまうと、いつまでも「高い」と感じてしまい、必要な買い物も我慢しがちです。
そこで、「今の底値」を再設定しましょう。よく使う食材を5つだけ選び、最近のチラシやネットスーパーの情報で、現実的な安値ラインを把握しておくと便利です。
例えば、
- 卵:238円以下ならOK
- 鶏むね肉:100g78円以下ならOK
- 食パン:6枚切りが148円以下ならOK
週2回の買い物でムダを防ぐ「使い切り献立」
食費節約の王道は、「計画的に買って、使い切ること」。でも、毎日献立を考えて買い物すること自体が、疲れるものです。そこでおすすめなのが、週単位の献立計画+まとめ買いのスタイル。
週の初めに、まず冷蔵庫をチェックし、余っている食材を中心にざっくり献立を立てて、必要なものだけを買い出し。週の後半には不足分を買い足しつつ、冷凍ストックや缶詰を活用して食材を使い切ります。
「使い切る」という意識を持つだけで、自然と食材ロスも減り、結果として食費全体が下がります。
「作り置き+弁当+冷凍」「下ごしらえ+冷凍」でロス回避
作り置きおかずは便利ですが、食べきれなかった……ということはありませんか?作り置きは「お弁当に使える」「冷凍できる」おかずにすることで、ロスを防げます。
また、「おかず」ではなく、食材を「下ごしらえ」して冷凍しておくことも節約&時短になりおすすめです。特に旬の食材は安価で栄養も豊富なので、オリジナルの「冷凍カット野菜」を作っておくと便利です。
例えば、
- タマネギをスライスして冷凍
- 肉を味つけして小分け冷凍
- ブロッコリーをカットし、茹でてから冷凍
このすぐに調理できる食材があるだけで、毎日のお弁当作りや食事作りが楽になり、結果的に節約になります。
プチぜいたくは“外でなく家で”楽しもう
家族で外食は楽しいけれど、人数が増えるとお会計がぐっと高くなりがち。そこでおすすめなのが、「外食風ごはん」を自宅で楽しむこと。例えば、
- 回転寿司 → スーパーの寿司ネタセット+手巻き寿司
- ファストフード → 自家製ハンバーガー&冷凍ポテト
- 焼肉 → ホットプレート焼肉
我が家では、ハンバーグを作るときは多めに作り、週末の昼食はハンバーガーやハンバーグをのせたナポリタンにします。
キャッシュレス特典やアプリも活用しよう
最近ではスーパーのアプリや、キャッシュレス決済(クレジットカードやQRコード)で還元キャンペーンが頻繁に行われています。よく使うお店のアプリを1~2つだけ入れておくだけでも、クーポンやポイントで意外と得します。貯まったポイントは「日用品に使う」などルールを決めておくと、貯まった実感が得やすく、モチベーションも維持できます。
見直すべきは「習慣化された支出」
節約に慣れてくると、つい“無意識の習慣”が固定化されてしまいがちです。例えば、
- 牛乳は毎日買っているけど、本当に毎日必要?
- マヨネーズなどの調味料、いつも同じブランドで買っていない?
- ドレッシングは買わなくても作れない?
インフレ時代は「これまでの節約術」が通用しづらくなることもあります。でも、通用しないからといって自分を責める必要はありません。
すでに頑張っている人ほど、「削る」より「見直す」「変えてみる」という視点が効果的です。「生活の質を落とさず、できることからちょっとずつ変えてみる」。それが、無理なく続く節約への近道です。