国内クルーズ

34年ぶりの新造客船「飛鳥lll」が想像以上にすごい! 魅力をクルーズコンサルタントが解説

クルーズが日本国内で活況を見せる中、郵船クルーズは、同社34年ぶりの新造客船「飛鳥lll」について、7月20日に就航すると発表。あわせて船内設備やサービスも明らかになりました。クルーズコンサルタント視点で飛鳥lllの魅力を解説します。

村田 和子

執筆者:村田 和子

旅の準備・お得・便利ガイド

2024年12月に「MITSUI OCEAN FUJI」(商船三井クルーズ)が就航を開始し、オリエンタルランドが2028年にディズニークルーズの就航予定を発表するなど、日本国内でクルーズが活況を見せています。

そんな中、郵船クルーズは、同社34年ぶりの新造客船「飛鳥lll」の就航日が2025年7月20日になることを発表(2025年4月3日から予約開始)。あわせて客室やダイニング 、サービスについても明らかになりました。

日本船ならではのこだわりと「旅の本質」を追求した内容に、筆者もワクワク感がとまらず、実際に見るのがとても楽しみに。クルーズ歴15年、クルーズコンサルタントでもある筆者が、「想像以上にすごい!」と感じた「飛鳥lll」の魅力的なポイントを紹介します。
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飛鳥lll(郵船クルーズ)は7月20日デビューが決定(写真提供:郵船クルーズ)

<目次>

あらゆる世代やニーズに応える「飛鳥lll」 多彩な選択肢を用意

現行の「飛鳥ll」も継続し、7月20日以降、郵船クルーズは2隻体制での運航となります。

実は筆者は、「飛鳥ll」へ乗船をしたことがありません。その理由は「飛鳥ll」は2名一室が基本の客室で、家族で乗船していたわが家の選択肢に入れにくかったこと。またラグジュアリーな大人の雰囲気に加え、コアなファンが多く、年齢層も60代~が中心なので、ハードルが高い印象もありました。

新造客船「飛鳥lll」は、飛鳥llのサービスクオリティを担保しつつ、あらゆる世代やニーズ、旅のスタイルに応えるサービスを提供するとのこと。発表会の内容からも、広く門戸が開かれているのを感じ、現役世代の筆者も楽しめる実感が持てました。

今回発表となった中から、筆者の琴線に触れた「飛鳥lll」の魅力を5つ紹介します。
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飛鳥llと飛鳥lllの比較(2月20日実施:郵船クルーズ記者発表会スライドより抜粋) 

魅力1:日本船籍ならでは!「飛鳥lll」は3泊程度のショートクルーズも

現役世代も乗船できるように、「飛鳥lll」は3泊からのショートクルーズも実施。Wi-Fiも完備し、ワーケーションの需要にも対応するといいます。

現在2025年10月までのクルーズが発表されていますが、初就航は日曜日出発の土曜日帰着(7日間)とあって、夏休みを絡めれば現役世代も乗船可能。秋には横浜・博多・神戸を拠点に4日間のクルーズも多数設定があり、「興味はあるけれど休暇が……」と諦めていた方も乗船チャンスが広がりそうです。

※初就航 2025年7月20日(日)~7月26日(土)7日間
横浜~函館~小樽~横浜
旅行代金:98万4000円~478万6000円(2名1室利用時お一人様料金)

魅力2:キャビンは3つの客室クラス。ソロキャビンや47都道府県をテーマにした客室も

「飛鳥lll」の客室は全てバルコニー付き。カテゴリは3つあり、最上位の「ペントハウス」には郵船クルーズ初となるバトラーサービスも。

真ん中の「スイート」カテゴリーは5タイプあります。中でも筆者が気になったのが「ミッドシップスイート」。54室のうち47室が、都道府県のテーマをもったデザインになっており、その土地の伝統工芸や特産品を設え、名産を使用したウェルカムスイーツやドリンクも用意するといいます。各都道府県の客室がどんなふうになっているのか興味津々です。
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飛鳥lllのミッドシップスイートは47都道府県をテーマにしたキャビンも(写真提供:郵船クルーズ)

一番客室数の多い「アスカバルコニー」のカテゴリは、客室にキッチンシンク付きのミニバーやバスタブも完備するなど機能面も充実。またソロバルコニー(26室)はおひとり様専用で、ひとりで快適に過ごせ、料金的にもメリットがあるなど人気となりそうです。
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飛鳥lllのソロバルコニー(写真提供:郵船クルーズ)

魅力3:充実のパブリックスペース。6つのレストラン&前方には展望露天風呂

「飛鳥lll」は「飛鳥ll」より船は大きいにもかかわらず、客室数は少なくなっています。スイート客室を増やし、パブリックスペースも十分なスペースを確保。レストランも6つあるという充実ぶりです。
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6つの多彩なレストラン(2月20日実施:郵船クルーズ記者発表会スライドより抜粋)

フレンチの「ノブレス」、日本で生まれた西洋料理をコースやアラカルトで提供する「フォーシーズン・ダイニングルーム」、世界各国の料理が楽しめるビュッフェレストラン「エムスガーデン」と「グリルレストラン パペンブルグ」。以上4つのレストランは、乗船料にインクルードされているので追加料金なしで楽しめます(※イタリアン「アルマーレ」と割烹料理「海彦」はスペシャリティレストランで席料が必要)
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飛鳥lllのフォーシーズン・ダイニングルーム(写真提供:郵船クルーズ)

そして12デッキの前方に、展望大浴場があるのもユニーク。海外では船尾で船の軌跡を眺めながらくつろぐのが一般的なため、ジャグジーなども後方(船尾)に配されることが多く、前方にこういった施設があるのは非常に珍しいと感じます。

大海原を航海する船の先頭で楽しむ大浴場の開放感たるや、想像するだけで気持ちがよさそう! 人気のサウナや展望風呂も併設し、船旅の楽しみが広がります。
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飛鳥lllの前方にあるグランドスパ(写真提供:郵船クルーズ) 

魅力4:アートが彩る船内。有名作家から若手作家、公募の作品まで展示

船内は、アート作品が多いくつろぎのスタイリッシュな空間。千住博氏、平松礼二氏をはじめとした日本を代表する作家のアート作品に加え、若手作家や公募で選ばれた作品もパブリックスペースや客室などに飾られるとのこと。一流の芸術に触れることができ、また若手アーティストの活躍を応援するという面からも素晴らしい取り組みだと感じます。
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フレンチレストラン「ノブレス」の入り口には、平松礼二氏の作品が飾られる(写真提供:郵船クルーズ) 

魅力5:スマホで乗船手続きOKなどITを積極的に活用。インバウンド受け入れも

スマホで乗船手続きができたり、スマホが客室の鍵になるなどのIT化も「飛鳥lll」の特長となりそうです。従来は日本のお客さまが大半で日本語ベースでしたが、今後はインバウンドの方も受け入れ可能なように、言語の問題も対応していくといいます。日本船のホスピタリティとインターナショナルな雰囲気が共存する、新感覚の船になりそうです。

クルーズ船は「動くホテル」と表されますが、「日本の伝統文化」「地域」などにこだわった「飛鳥Ⅲ」は、日本旅館の要素も随所に感じる新しい感覚の船。

3月2日(現地時間)には、造船所のあるドイツから、試航海を行う北海に向けて出発したというニュースも入ってきました。着々と準備がすすむ「飛鳥lll」の最新情報は、飛鳥クルーズの公式Webサイトに掲載されているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

■A-TIMES(飛鳥lllの最新情報)~郵船クルーズ株式会社
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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