四季報の達人が選ぶ「2025年の注目銘柄」
今回の新春号で、2025年の上昇株を発掘するのであれば、中小型の成長株、もしくは業績回復株に注目するのが近道となりそうです。ちなみに、2024年は1年間で株価が2倍以上になった銘柄は104銘柄ありました。そのほか、株式市場には常に注目のキーワードやテーマが存在しています。例えば、2024年は、半導体やAI(人工知能)、ビットコイン関連の銘柄がそろって上昇しました。株式市場のキーワードやテーマも会社四季報のコメント欄から感じ取ることができます。
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『会社四季報』新春号から2025年の注目銘柄について語る渡部清二さん
今年、私が注目する目新しいキーワードとしては、トランプ大統領、累進配当、宇宙、利ザヤ(主に銀行の貸出金利と預金金利の差)、ドローン、チップレット(最先端の半導体チップ)など。
一方、テーマとして注目しているのが、大阪万博、マイクロソフトの「Windows 10」のサポート終了、最先端の次世代半導体などです。特に大阪万博では、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマとなっており、再生医療を手掛ける企業には注目が集まりそうです。
具体的な注目銘柄を挙げるとすれば、JFEホールディングス<5411>、TDK<6762>など。
半導体関連では、半導体の素材や関連製品を取り扱っている企業にも注目しています。例えば、信越化学工業<4063>やサムコ<6387>、東京応化工業<4186>、トクヤマ<4043>、トリケミカル研究所<4369>などでしょうか。また、中小型株では、洗車機の製造をしているエムケー精工<5906>や仮想デスクトップのソリューションを提供するアセンテック<3565>に注目しています。
(文:三枝 裕介/写真:佐坂 和也)
教えてくれたのは……渡部 清二さん(わたなべ・せいじ)
1967年生まれ。筑波大学卒業後、野村證券に入社。野村証券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。28年以上の継続中で、2024年12月発売の新春号をもって、計109冊を読破。2013年に野村証券を退社し、四季リサーチ株式会社を設立、代表取締役に。2016年に複眼経済観測所(現・複眼経済塾)を設立。「会社四季報オンライン」では、コラム「四季報読破邁進中」を連載。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。
<編集部より>
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