人間関係

若者の間で話題「ヒス構文」を使う人の心理とは? うっかり使うと子どもや夫がドン引き……!?

若者の間で話題の「ヒス構文」と何か、「ヒス構文」を使ってしまう理由と、「ヒス構文」の返し方について、解説します。

ひかり

執筆者:ひかり

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子どもや夫がドン引きしてしまうかも……噂の「お母さんヒス構文」とは?

子どもや夫がドン引きしてしまうかも……うわさの「お母さんヒス構文」とは?

2023年下期頃から、「ヒス構文」というキーワードが若者の間で話題に。Z世代向けのマーケティング支援などを手掛けるAMFが発表した「JC・JK流行語大賞2023」では、「コトバ部門」の第2位にランクイン。2025年度大学入学共通テストにて、国語の第2問で出題された詩人・蜂飼耳氏の小説『繭の遊戯』に「ヒス構文」が登場すると、SNS上でも大きな話題となりました。

そんな「ヒス構文」について、この記事で解説します。
<目次>
 

そもそも「お母さんヒス構文」とは何なのか

「ヒス構文」とは、「ヒステリック構文」の略です。「お母さんヒス構文」は、母親が物事の意味を悪い方に解釈して、自虐的になったり、被害者意識をもったり、論理の飛躍や論点のすり替えをして、感情的に相手を非難してしまう言葉を指すことが多いです。

例えば、一緒にテレビを観ていて、「この料理、おいしそう」と言ったら、母親に「どうせ、私の料理はまずいですよ」とキレられたり、「今度の日曜は、友達と遊びに行ってくる」と言うと、「あなたは、親のことなんてどうでもいいのね」と、親不孝者であるかのように非難されたり……。このように母親が勝手に「自分を否定された」「ないがしろにされた」と解釈してしまうことが多いのです。

母親が「ヒス構文」を使ってしまう理由

なぜ、「ヒス構文」を使ってしまう母親がいるのでしょうか? そこにはいくつかの理由が考えられます。

・理由1:自己肯定感が低く、常に自分を責めているから
こういう人は、相手が責めていなくても、自分は責められていると解釈してしまうことが多いもの。一番自己を責めているのは、「自分自身」なのですけどね。

・理由2:承認欲求が強いから
「家族にもっと感謝されたい、認められたい」という思いを強く抱いていることがあります。自分を認められない人ほど、周りから認められることを求める傾向があります。

・理由3:家族を精神的に支配(コントロール)したい
「自分を被害者に仕立てる」ということは、「相手を加害者にする」行為でもあります。子どもや夫に罪悪感を抱かせ、「母親(妻)に悪いことをしているのだから、言うことを聞いてあげなくてはいけない」と思わせ、自分の思い通りに動かそうとするのです。

・理由4:自分も親から「ヒス構文」で育てられた
子どもの頃に自分も親から「ヒス構文」を言われてきたため、当たり前のコミュニケーションになっていて、理不尽なことを言っているという認識がないことも。

この4つの理由から考えられることは、「ヒス構文」を使う人は、心に問題を抱えている(精神が未熟である)ということ。自分で自己の機嫌を取ることもできません。だから、コミュニケーションに難があるのです。

本当は心に弱いところがあり、素直に思いを伝えたらいいのに、「受け入れられなかったら、傷つく」という恐れもあり、怒りや非難という、強気な態度で表現することが多いのです。

「ヒス構文」を言われたときの返し方(子ども編)

「ヒス構文」を発する母親(妻)との関わり方は、子どもと夫では変わってきます。

特に、未成年の子どもの場合は、精神が未発達なところがあり、「母親は絶対的な存在」になりがち。気を付けないと、母親の理不尽な言葉を真に受けてしまうことがあるので、注意が必要です。

たとえ母親が子どもを言い負かすためだけに、「あなたなんて産まなきゃよかった!」なんて言ったのだとしても、子どもの心には深く加害者意識や罪悪感が刻まれることが多いのです。

だから、子どもの場合は、母親の「ヒス構文」から自分の心を守る必要があり、そのためのいくつかの方法があります。

・方法1:心の避難場所を作る
家の中で、「自分が安心できる場所(自分の部屋など)」を確保することが大切。また、理不尽な親の言い分に対して、文句を吐き出せる相手(父親、祖父母・親戚、友達、オンラインコミュニティーなど)を見つけるといいでしょう。

・方法2:「ヒス構文」を受け流す
「母親のヒステリックは、母親の問題であり、自分に問題があるわけではない」と理解し、適度にスルーすることが大切。

・方法3:大人になったら、物理的に離れる
「ヒス構文」を言う母親を持つ人は、自分で生活費を稼げるようになったら、一人暮らしをするなどして、物理的に離れた方がいいでしょう。

距離を保つことで、母親が「八つ当たりをしていたら、子どもに嫌われてしまう」ことを学ぶことも少なくありません。逆を言えば、「ヒス構文」を言える相手が傍にいる限り、変わらないことが多いのです。

とにかく「ヒス構文」を投げ掛ける母親は、子どもに罪悪感を抱かせて支配をしようとするところがあるので、子どもは、「自分のせいではない」と思えるようになることが重要だといえるでしょう。

ヒス構文を言われたときの返し方(夫編)

子どもとは違い、夫の場合は、対応が変わってきます。妻の「ヒス構文」の多くは、「私を認めてほしい」「受け止めてほしい」「寂しい」というSOSが隠されていることが多いもの。それをパートナーである夫が受け止めなければ、ますます妻のヒステリックは、悪化してしまうでしょう。

夫の「妻のヒス構文」の対処法には、このようなものがあります。

・対処法1:妻の思いを受け止め、共感する(感謝を表す)
例えば、「私はあなたにとって家政婦なの? あなたなんかと結婚するんじゃなかった!」と言われたときは、言葉をそのままを受け取らないで、「君にばかりに負担をかけてごめんね。いつもありがとう」と言うことで、妻は落ち着くこともあります。

女性はコミュニケーションでは、「共感」を求めていることが多いので、気持ちを受け止めずに正論を言ったり、ただただ解決を目指そうとしたりすると、けんかに発展します。例えば、「そんなに家事が大変なら、家事代行を頼もうよ」なんて言ったら、妻がキレ出す可能性が高いのです。

・対処法2:妻の存在をリスペクトする
「ヒス構文」を投げ掛ける妻は、自己肯定感が低いことが多いでしょう。だから、「どうせ、あなたは私と結婚したことに後悔しているんでしょ?」なんてことを、頻繁に言ってきます。

そんなとき、家庭を維持したいのであれば、「僕は君と結婚したくてしたんだ。一緒になってよかったよ」と、(たとえ本心でなくても)言うことも大切なのです。

・対処法3:妻の感情がおさまってから、冷静に話し合う
妻が感情的になると、夫もムカッとして、売り言葉に買い言葉で、取り返しのつかないくらいの大きなけんかになってしまうことがあります。だから、すぐに言い返さずに、いったん妻から離れて、相手が落ち着いてから、話し合った方がいいことが多いでしょう。

夫の場合は子どもとは違って、「妻のヒステリーは、妻の問題」なんて、他人事でいるのはNG。なぜなら、家庭は夫婦そろって作るものであり、妻だけの問題でないことも多いからです。

妻が「ヒス構文」を投げ掛けるようになってしまったのは、夫との関係に原因があることも意外とあるもの。きちんと「向き合って、受け止めて、寄り添う姿勢」が必要なのです。

母親が「ヒス構文」を投げ掛けるような家庭は、子ども、父親はもちろんのこと、母親も幸せではありません。上手に対応して、乗り越えていきたいものですね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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