70代の単身世帯・二人以上世帯ごとでの金融資産保有額はいくら?
70代の金融資産について、それぞれ単身世帯と二人以上世帯を見てみましょう。●金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む) ●70代の金融資産保有額ランキング
70代の金融資産保有額の割合が多かった順位は以下のとおりです。
【単身世帯】
・1位:金融資産非保有(27.0%)
・2位:3000万円以上(15.9%)
・3位:1000万~1500円未満(8.9%)
・4位:500万~700万円未満(7.3%)
・5位:2000万~3000万円未満(6.1%)
【二人以上世帯】
・1位:金融資産非保有(20.8%)
・2位:3000万円以上(19.0%)
・3位:1000万~1500円未満(10.2%)
・4位:2000万~3000万円未満(8.9%)
・5位:1500万~2000万円未満(6.6%)
70代の金融資産保有額を見ると、「金融資産非保有」の世帯が単身世帯で27.0%、二人以上世帯で20.8%となり、ともに1位となっています。
ただし、金融資産非保有世帯とは「運用の為または将来に備えて蓄えている資産」がゼロの世帯であって、貯蓄が全くないわけではありません。本調査は「日常的な出し入れ・引落しに備えている貯蓄」を金融資産に含めていないためです。
2位以下をみると、「3000万円以上」の資産を持つ世帯が単身世帯で15.9%、二人以上世帯で19.0%と高い水準にとなっています。3位以下も、単身世帯、二人以上世帯のどちらにおいても幅広い層で、まとまった資産を保有していることが特徴です。
70代の単身世帯・二人以上世帯ごとの資産の種類別保有高は?
ここでは、単身世帯、二人以上世帯ごとに、どんな金融資産をいくら持っているのかみてみましょう。●単身世帯の種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
70代の単身世帯における金融資産の内訳を見ると、1位は「預貯金(うち定期性預貯金296万円)」で、金融資産の平均額である1634万円に対して約3.5割を占めています。次いで2位が「株式」、3位が「投資信託」で、これらの投資関連資産が約4割を占めています。
また、「生命保険」や「個人年金保険」「債券」などにも約2割が割り当てられており、老後の安定した収入を確保するための備えがうかがえます。70代では預貯金や保険、投資をバランスよく活用している点が特徴的です。
●二人以上世帯の種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む) 同調査によると、70代の二人以上世帯では、金融資産の平均額である1923万円となっています。金融資産の中で「預貯金(うち定期性預貯金447万円)」が853万円と、金融資産の平均額に対して約4.5割と最も高い割合を占めており、単身世帯と比べても安全志向が強いことがうかがえます。
「株式」は380万円、「投資信託」は176万円。金融資産の平均額に対して投資資産は約3割と、単身世帯の約4割よりも低い比率にとどまっています。また、「生命保険」230万円、「債券」は141万円、「個人年金保険」は70万円と、金融資産の約2割を占めており、家族の生活や老後の安定を重視した資産配分が特徴的です。これは、二人以上世帯では家族の生活を守るため、より堅実な資産運用を選択している傾向があると考えられます。
まとめ
70代の貯蓄額や資産の種類について見てきましたが、調査結果から、単身世帯・二人以上世帯ともに、預貯金を中心に株式や投資信託で資産を運用し、さらに生命保険や個人年金保険での備えを大切にしていることが分かります。人生100年時代といわれる今、70代はこれまで築いてきた資産を守りながら、無理のない生活を心がけることが重要です。資産運用では、リスクを抑えつつ定期的に見直し、減らさない工夫をすることがポイントです。身の丈にあった生活スタイルを確立し、さらに健康管理にも気を配れば、心身共にゆとりのある毎日を送ることができるのではないでしょうか。
参照:家計の金融行動に関する世論調査 2024年 | J-FLEC 金融経済教育推進機構