人間関係

「おじさんパーカー」論争みたいな話はいっぱいあるけど……エイジハラスメントは結構傷つく(2ページ目)

必要以上に「年相応」を求めて「エイジハランスメント」をしてくる人達がいる。ハラスメントは受けていないのに、年齢を重ねるに従って、周囲の目が気になり自由に振る舞えなくなったという人もいる。本来、人が何歳になって何をしようが自由なはずだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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50代女性からのエイジハラスメント

歳を重ねたことに対して、周囲の目線が気になる

同僚の「さすが還暦!」という声がけは嫌みなのか冗談なのか

かと思えば、職場でいちいち「年齢」を意識させられることが続いて、気持ちが落ち込んでいるというのはアヤコさん(60歳)だ。

「うちの職場は定年が65歳なので、私はまだまだ現役なんですけど、つい先日も赤いセーターを着ていたら『さすが還暦』と50代の女性社員に言われて……。本当に還暦ではあるけど、その言い方があまり冗談っぽくなかったし、もともとあまり親しい人ではないので、なんとなく嫌な気分でした」

その彼女は、アヤコさんと社員食堂で前後になった時も、どの小鉢をとろうか少しだけ迷った彼女の後ろで大きなため息をついたという。

「たいして年が変わらないのに、そういうことをするのが嫌みなんですよね。あなただってあと数年で還暦でしょと言ってやりたいくらい」

近親憎悪みたいなもの?

アヤコさんによれば、近い年齢の人ほどそういう嫌みな反応をするような気がするとつぶやいた。近親憎悪みたいなものなのだろうか。あるいは年齢が近いからこそ、「こうなりたくない」という気持ちが強いのか。

「その彼女、仕事の場でも他の会社の人がいるところで、『うちにはこういう還暦もいますので』とわざわざ言うんですよ。これはいくらなんでもエイジハラスメントだと思いましたね。その場にいた別の同僚も『あんな言い方しなくてもいいのにね』と。これが続くようなら会社に直訴しようと思っています」

自分ではどうにもならないのが年齢だ。好きで年とったわけでもない。それを揶揄(やゆ)するのは大げさな言い方をすれば人権にかかわる。

「あまりことを大きくはしたくないから、とりあえずは静観しますけどね」

余裕を見せながらも、「本当は私自身も、なかなか年齢を受け入れられないところがあるんでしょうね」とアヤコさんは照れた。
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